BLOOD HERO'S

ノベルバユーザー177222

episode5 #10「ピンチ!」

 ---ホテルに着いた後、多原は俺を降ろしそのまま帰って行った。本当は色々聞きたいことがあったのだが…

 炎美は仕方なく部屋に戻ることにした。急いでいた為あまり部屋を見ずにいたが部屋は十畳くらいで1人でいるにはかなり広く感じた。

 部屋の真ん中には高級そうな木で出来たテーブルが置かれていた。その下には座布団が四つほど置かれておりその隣にはクッション椅子が一つだけ置かれていた。

 炎美はクッション椅子にもたれかかるように座った。

 「…ッハア~~~~~!」

 座ると同時に全身の力が抜け思わず気の抜けた声が漏れた。長旅の疲れと謎の一家のことを考えていたせいで心身共に疲労困憊に陥っていたのだ。

 (さてこれからどうするか?とりあえず風呂入ってそれからメシを…)

 炎美は天井を見つめながらこの後のことを考えていたが一つだけ気づいてしまったことがある。

 「…メシ食えねーじゃん…」

 そう言った後、炎美はそれを口にしてしまったことに後悔していた。

 ここに来るまでのことを思い返すと最後にコンビニを見たのは駅の近くだった。飲食店もここら辺には見受けられなかった。

 昼メシに柑菜の手作り弁当を食べて以来、何も口に入れていない為、炎美の腹の虫も鳴り始めてきた。

 疲労と空腹で炎美の気力もほぼ無くなりかけていた。

 (もう風呂入ってとっとと寝た方がいいかな?明日は早朝に多原さんが来るつってたし)

 明日は多原が早朝に迎えに来る予定だ(炎美からお願いしたのだが…)。

 最悪明日の朝までは何も食べれないことを覚悟した炎美はさっさと風呂場に向かおうと抜けきった体をシンドそうに起こした。その時だった。

 コンコン

 「ん?はーい?」

 入り口の襖からノックをする音が聞こえた。気のせいかとも思ったが念のために返事をする炎美。すると炎美の返事を聞いて襖がゆっくりと開いた。

 「失礼します」

 「あ、神楽さん?どうしたんですか?」

 襖が開くとそこには神楽が正座をしてゆっくりと一礼していた。

 「黒崎さん、お夕食の方はまだ召し上がっていらっしゃいませんよね?」

 「え、ええ。まあ…」

 神楽の問いかけに少し恥ずかしそうに頭を掻きながら答える炎美。するとその返事を聞いて安堵の顔を浮かべる神楽。

 「ここは飲食店どころかコンビニも近くにないですからね。そう思って実はお夕飯の方作っていたんですけど、もし宜しければお持ちしましょうか?」

 「…えっ?」

 ---炎美は救世主・神楽によって空腹地獄から脱することが出来たのだった。

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