BLOOD HERO'S
episode5 #6「到着」
 「………ッだはぁ!」
 炎美はいきなり大きく上体を起こした。窒息しかけたかのように呼吸を荒らくしていた。顔から噴き出した汗が首元にかけてまで流れていた。
 「お、お客様!?どうなさいましたか?」
 炎美がふと横を見ると1人の女性が立ったまま焦り声で声をかけてきた。
 「………え?」
 しかしまだ自分の状況を飲み込めていない炎美には間の抜けた返事ぐらいしか返せなかった。
 「すいません!随分とうなされてらっしゃってた上にいきなり飛び起きてらっしゃいましたからお声かけさせていただいたのですが…」
 炎美は段々意識がハッキリしてくるとようやく言ってる事の意味を理解した。
 そして女の人をよく見ると車内販売員の人だということも判明した。黒を基調としたミニスカの制服、飲み物や食べ物を陳列したワゴンを手前に置いている事から知ることが出来た。
 「宜しければあったかい飲み物でも如何ですか!?少しは落ち着くと思いますよ!?」
 「あ、ああ。じゃあブラックコーヒーを…」
 「はい!少しお待ちください!」
 販売員の女性はホッと胸をなで下ろすとワゴンからブラックコーヒーの入った容器を取り出し、紙コップに入れて炎美に渡した。炎美はコーヒーを受け取りお金を渡そうとした。しかし販売員の女性はお金を受け取らす「それは私からの奢りですから!」と言い仕事に戻っていった。
 申し訳ない気分になりながら炎美はその一杯をゆっくりと味わったのだった。
 ---それから30分後、コーヒーを一滴残らず飲み干し、炎美は倒していたシートを元に戻し席を立った。
 数分の誤差はあったものの特に電車のトラブルは起こらず無事八天翔駅に到着した。
 炎美は電車から出る直前、コーヒーを奢ってくれた販売員の女性と目が合い軽く会釈を交わした。販売員の女性は笑顔で返し気のせいか「お気をつけて」と言っているかのように口を動かしていた。
 会釈をし終わり電車を出た炎美はすぐに改札口に向かった。
 すると改札口の向こう側に身なりのいい男性が立っていた。
 ベージュのスーツをキッチリと着こなし白髪混じりの黒髪もキッチリと七三に分け黒縁の眼鏡をかけていた。
 六英で見ると至って目立たない感じだが改札口の向こう側から見える山々の景色とは似つかわしくない外見が逆に目立っていた。そんな逆目立ちしている男性は炎美を見るや否や炎美の方に向かって来た。
 炎美が改札口を出たと同時にその男性は手を差し伸べながら歩み寄ってきた。どうやらこちらの素性を知っている人物のようだった。
 「初めまして!私、地方議員を務めております。多原と申します!!」
 こうして炎美は多原との対面を果たすのだった。
 炎美はいきなり大きく上体を起こした。窒息しかけたかのように呼吸を荒らくしていた。顔から噴き出した汗が首元にかけてまで流れていた。
 「お、お客様!?どうなさいましたか?」
 炎美がふと横を見ると1人の女性が立ったまま焦り声で声をかけてきた。
 「………え?」
 しかしまだ自分の状況を飲み込めていない炎美には間の抜けた返事ぐらいしか返せなかった。
 「すいません!随分とうなされてらっしゃってた上にいきなり飛び起きてらっしゃいましたからお声かけさせていただいたのですが…」
 炎美は段々意識がハッキリしてくるとようやく言ってる事の意味を理解した。
 そして女の人をよく見ると車内販売員の人だということも判明した。黒を基調としたミニスカの制服、飲み物や食べ物を陳列したワゴンを手前に置いている事から知ることが出来た。
 「宜しければあったかい飲み物でも如何ですか!?少しは落ち着くと思いますよ!?」
 「あ、ああ。じゃあブラックコーヒーを…」
 「はい!少しお待ちください!」
 販売員の女性はホッと胸をなで下ろすとワゴンからブラックコーヒーの入った容器を取り出し、紙コップに入れて炎美に渡した。炎美はコーヒーを受け取りお金を渡そうとした。しかし販売員の女性はお金を受け取らす「それは私からの奢りですから!」と言い仕事に戻っていった。
 申し訳ない気分になりながら炎美はその一杯をゆっくりと味わったのだった。
 ---それから30分後、コーヒーを一滴残らず飲み干し、炎美は倒していたシートを元に戻し席を立った。
 数分の誤差はあったものの特に電車のトラブルは起こらず無事八天翔駅に到着した。
 炎美は電車から出る直前、コーヒーを奢ってくれた販売員の女性と目が合い軽く会釈を交わした。販売員の女性は笑顔で返し気のせいか「お気をつけて」と言っているかのように口を動かしていた。
 会釈をし終わり電車を出た炎美はすぐに改札口に向かった。
 すると改札口の向こう側に身なりのいい男性が立っていた。
 ベージュのスーツをキッチリと着こなし白髪混じりの黒髪もキッチリと七三に分け黒縁の眼鏡をかけていた。
 六英で見ると至って目立たない感じだが改札口の向こう側から見える山々の景色とは似つかわしくない外見が逆に目立っていた。そんな逆目立ちしている男性は炎美を見るや否や炎美の方に向かって来た。
 炎美が改札口を出たと同時にその男性は手を差し伸べながら歩み寄ってきた。どうやらこちらの素性を知っている人物のようだった。
 「初めまして!私、地方議員を務めております。多原と申します!!」
 こうして炎美は多原との対面を果たすのだった。
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