BLOOD HERO'S

ノベルバユーザー177222

episode4 #3「炎美VS少女」

 「これは…!!」

 炎美は周りの男達を見た。全員身体のど真ん中を射抜かれた様に血塗れになっていた。

 (全員、死んでるのか?それよりも…)

 そう思うと炎美は少女の方に目を向けた。

 (志村さんに渡された写真と一致してる。本当にこの子が…)

 「君が殺ったのか?」

 とりあえずその場の状況を理解する為、炎美は質問を投げかけてみた。

 「ええ、そうよ。社会のクズ共を消すのも仕事の1つよ」

 (仕事の1つ?やっぱりこの子もスフィアの一員か?)

 炎美の予想は的中していた。志村が何故本当の事を言わなかったのかは分からないがこの子はスフィアと繋がりがあると炎美は思っていたのだ。

 「だからといって殺す必要は…」

 炎美がそう言いかけた時だった。

 「残るはあなた1人かしら?」

 「!?」

 すると突然、彼女は炎美の方に殺気を向けてきた。

 「ちょっと待ってくれ!俺は…」

 「あら、今さら命乞いかしら?悪いけどクズの戯言を聞いてあげれる耳は持ちあわせてないの。とっとと死んでくれるかしら?」

 誤解を解こうとする炎美だが、彼女は聞くまでもなく懐から Bl:SEEDを取り出した。

 (クソ!話を聞いてくれる余地は無いか!どうしてスフィア(ココ)の人達はこうも血気盛んなんだろうか?)

 そんな事を思いながら炎美は戦闘態勢に入ろうとした。

 「奮い立て、我が血闘よ!」

 炎美が態勢に入る前には既に少女は Bl:SEEDを口の中に入れていた。

 「奮い立て、我が血闘よ!」

 少し遅れながら炎美は能力を開放した。黒龍刃を出した炎美はすぐさま攻撃態勢に入り少女の様子を伺った。

 「とことん不愉快ね。同じ能力を使える奴がいたなんて」

 「…何だよ、それ!」

 彼女の方を見ると彼女の背後に大きな影の様なものが動いていた。いや、影というより化け物と言った方がいいのだろうか?

 赤い目に大きな口、全長は3m以上はある。体は全て黒に染まっており暗い部屋に完全に溶け込んでいる。

 「傀儡・判怒羅!さあ、殺してしまいなさい!」

 そう言うと背後の化け物が炎美に向かって襲いかかってきた。

 「うおっ!」

 咄嗟に回避する炎美。

 (クッ!速い!)

 休む間もなく判怒羅の素早い追撃が炎美を襲ってきた。

 「どうしたのかしら?その武器は飾りかしら?」

 余裕を見せつけるかのように煽ってくる少女。炎美は判怒羅の攻撃で彼女に近づく事すら出来ない。

 「クソ!どうすればいいんだ!!」

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