episode4 #2「初仕事！」

 少女と男達が接触する1時間程前

 「さてさて今日から炎美君には本格的に仕事に入ってもらう訳だが…」

 退院して翌日、炎美は志村に仕事の説明を受けていた。

 「基本的に仕事の内容は能力者を抑圧する為に見回りをして欲しいんだ！」

 「見回り…ですか？」

 「そう！まあ君は病み上がりだからあまり無理はしないでね！」

 「はい！」

 そう言って炎美はオフィスを後にしようとした時だった。

 「あ、ついでに頼みたい事があるんだけど…」

 「？頼みたい事？」

 炎美は志村の方に振り向いた。すると志村が机の引き出しから1枚の写真を取り出した。

 「実は人探しをお願いしたくてね。この写真の子を見つけて欲しいんだ！」

 志村から写真を受け取った炎美は写真を見てみた。そこには金髪碧眼のゴスロリドレスを着た少女が写っていた。

 「この子は？」

 「私の親族みたいなもんでね、今日ここに来る予定なんだが道に迷っている可能性があるかもしれないから連れて来て欲しいんだ！」

 (この子が親族？しかも1人？)

 不審に思いながらも人探しを引き受けた炎美だった。

 ---それから1時間後、炎美は見回りをしながら写真の子を探していた。

 「うーん、それにしてもこんだけの人がいる中であんな小さい女の子1人を探すのは…」

 中々難航を極めていた。するとどこからか男女の話し声が耳に入った。

 「ねえさっき見た！なんか男何人かが小さい女の子連れてるとこ！アレ絶対ヤバいよね！！」

 「警察呼んだ方がいいかな？」

 炎美は話し声の聞こえた方に向かって行った。

 「すいません！その人達がどこに行ったか分かりますか？」

 ---そして炎美はとある廃墟に到着した。さっきの人達から情報を聞き出しここまでやって来たのだ。

 「早い内に助けないとマズイかもしれないな！」

 そう言うと炎美は早速廃墟に踏み入れようとした。

 「うわああーーーー！！！！」

 すると廃墟の中から男の叫び声が聞こえた。

 「何だ！？」

 叫び声が聞こえると急いで中に入って行く炎美。中に入るととんでもない光景が炎美の目に映っていた。

 「一丁前に偉そうにしてたクセに随分と呆気なかったわね。あなた達！」

 そこには1人の少女が立っていたが、その周りには男達が血塗れで倒れていた。

 「ん？」

 するとこちらに気付いたかの様に炎美の方に振り向く少女！

 「どうやら1匹お邪魔虫が入って来たみたいね」