BLOOD HERO'S

ノベルバユーザー177222

episode3 #10「炎美VS豪鬼」

 ---炎美と豪鬼はトレーニングルームへと向かっていた。

 (あそこに行くのはテストの時以来か)

 トレーニングルームは1カ月程前、炎美はテストを受ける事になり柑菜と1対1で戦っていた場所だった。

 (今回の相手は豪鬼さんとたからな。気合い入れないと!)

 炎美は自分の頰を叩き気合いを入れた。

 そしてトレーニングルームに着き早速中に入る炎美と豪鬼。外では志村が見届ける事になった。

 「ええか、炎美。この1カ月間お前が積み上げてきたもん全部ワシにぶつけてこい!」

 「はい!」

 そして炎美と豪鬼の最後のトレーニングが始まった!

 ---「奮い立て、我が血闘よ!」

 早速炎刀・黒龍刃を出す炎美。だがイキナリ攻撃する訳でなく豪鬼の様子をジッと伺った。

 「そんじゃあ、ワシもいかせて貰うで~!」

 そう言うと豪鬼は懐から Bl:SEEDを取り出し小瓶ごと口に入れた。

 「奮い立て、我が血闘よ!」

 すると豪鬼を中心に風が渦巻き出した。

 「くっ!」

 あまりの強風に無意識に両腕を前に出し風を防いだ。

 「風神拳ふうじんけん志那都比古しなつひこ!」

 そう言い終わると同時に風が止んだ。

 「さあ、準備出来たで!」

 炎美は風が止んだのを確認すると豪鬼の方に目を向けた。

 「何だ?メリケンサック?」

 豪鬼の両手にはメリケンサックを付けていた。

 「アレが豪鬼さんの能力なのか?」

 「おお、そやで!さあ掛かってき~や!!」

 そう言うと豪鬼は炎美の方に指をチョイチョイと曲げ挑発してきた。

 (それなら…)

 炎美は素早い動きで豪鬼に接近した。懐に入り一撃ブチかまそうと試みるのだった。しかし豪鬼の半径5m圏内まで入って来た時だった!

 「!!」

 炎美は突然足を止めたかと思うと思いっきり後ろに下がった。しかし炎美の左の頰には擦り傷が出来ていた。

 「よお避けたやんけ!」

 炎美は頰を撫りながら今起きた事の状況を頭の中で整理していた。

 (一瞬だったけど、豪鬼さんの拳が見えた。メリケンサックの金属部が掠ったのか。それにしても早過ぎる!これじゃあ懐まで入るのはちょっと厳しいなあ)

 炎美は必死に頭を働かせるが豪鬼の攻撃の速さが鬼門となった。

 (陽炎を使えばイケるか?だがアレはどうやってもかなりの力を消費してしまう。ここぞという時にしか使えないぞ!)

 能力のコントロールはある程度出来る様にはなったが陽炎は相手に本物と見せる為にかなり力を消費してしまう技である。精々1、2回程度しか使えない。

 (だがやるしかねーよな!この1カ月の成果を見せる為に!)

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