BioGraphyOnline

ツリー

第四十三章 意外と浸透?BGO!

久しぶりの学校に変なテンションの大和と憂鬱そうなふるやんは逆境にも負けず登校中
 二人でBGOの話をしながら歩いていると交差点で
見慣れた友人の背中を見つけ走り出す

「よう!天正!久しぶり!」
 「わ!久しぶり・・・大和少し縮んだ?」
 「ああ!ちょっと色々あってな」
 「え?それだけなん!?わいがおかしいん!?」

 久しぶりの友人との再会にふるやんも嬉しいのだろう、なんだかいつもよりテンションが高い

「天正は夏休み何してたんだ?やっぱ勉強か!?相変わらずがり勉だなぁ・・・」
 「勝手に決めないでよ!この夏は・・・僕はゲームをやってたかな」
 「「天正がゲームを!?」」

 二人の声がダブってしまった
 いやいやだってあれですよ?生まれてこの方超真面目
 娯楽の一切を捨ててエリート街道まっしぐらの天正さんですよ!?

そう、この天正という男は1に勉強2に部活3にボランティアという模範的な学生なのだ
生まれてこのかたゲームはいざ知らず
 まるで何十年も生きたサラリーマンの如く毎日のルーチンワークを淡々と過ごすだけの男なのだ

 そんなスーパーエリート人と俺達がなぜ友達かって?俺にもわからん

「ちなみに何のゲームやってるんだ!?」
 「BGOってゲームでさ・・・」
 「「なんだって!?」」

またふるやんと声がダブる

「まじで?俺達もBGOやってるんだけど天正ヘッドギアから買ったのか?すごいな」
 「流石にびっくりやね・・・ちなみにゲーム内の名前はなんなん?」
 「天に翔って書いて天翔だけど」
 「え?普通にそのままの名前・・・?てかもしかしてキャラもリアルのままじゃ・・・」
 「そうだけど?」
 「おっま・・・」

そこまで話していたふるやんがはっとした顔をする

「どうしたふるやん!?」
 「思い出した・・・まさか現実そのままとは思わんかったから気づかんかった・・・」

どうやらふるやんはBGO内で見覚えがあるらしい
学校に到着したが相変わらずBGOの話題で盛り上がる
 校門では生徒達がざわついているが気にせずBGOの話題を続ける

 「へーどこで会ったんだ?」
 「初心者の草原・・・ほら・・・アズと一緒に初心者狩り倒したところよ・・・」

あったなぁそんな事、あの時いたやつと言えば

「え?天正初心者狩りとかしてんの?」
 「そっちやないわい!どう見ても別人やん!?」

あの時の記憶は正直チンピラ二人しかないんだよなぁ・・・
初心者の顔も遠目と戦闘中でほぼ見てなかったし・・・

 そんな事を考えながら教室に入ったところで
早くに来て準備していた先生が近づいてくる
 ・・・?特に校則違反はしてないはずだが?

 「あの・・・君?初等部はあっちだよ?」

ああ!話に夢中で忘れてた!
かくして職員室まで連れてこられた俺はこうなった原因を説明しながらウンウン頷く
頷きに同調して青い髪がぴょんぴょん跳ねる

「つまりですね・・・ゲームをしてたら縮んで元に戻らなくなったんですよ!」

その台詞に教師陣が頭を悩ませる

『何言ってんだあいつ?』
 『ついに暑さで頭がおかしくなった子が現れたか』
 『あの子の血縁者は総じて頭おかしいからなぁ』
 『でも可愛いから良いじゃないか?』
 『校長、自重してください』

 容易に想像ができた展開だったが一部おかしくなかったか?
 このままいけば俺は家に送り返される事だろう
 ふるやんは無言で頭を悩ませ健司は校長に直訴してくれている

「しかしだねぇ・・・そんな事言われても」

むぅ・・・この上なくわかりやすく正確に言ったのだが担任の先生は顔を顰めている
 そんな様子を見てふるやんが頭をかきながら言う

「やっぱ無理があるで大和・・・」

 当初こうなった時は俺も今の教師陣と同じ事を思ったし悩んだ
 だが姉の断固として変わらない俺の扱いにもう考えるのはやめたのである
 というかふるやんのやつまさか俺が別人だと思ってないだろうな?
 疑惑の目を向けるとふるやんが肩をすくめ笑う

「わいの個人情報がそこらのちびっ子にダダ漏れってほうが洒落にならんよ」
 「確かにロリコンには致命的だな」
 「なぁ大和・・・なんかおかしない?」

しかしどうしたものかと悩んでいると健司と話していた校長が近寄って来る

「まぁまぁみなさん良いじゃないですか」
 「こ!校長!?」

 担任が驚きの声をあげて教師陣がざわめく

『なにいってんだあのハゲ?』
 『ついにあつさで頭がおかしくなったハゲが現れたか』
 『校長!自重してください!』

どういうわけか校長はこちらの味方についたらしい!

 「しかしですよ校長!」

 尚も食い下がる担任に校長が優しく微笑む

「ならば今日は夏休みに授業の見学に来た初等部の子として扱いましょう」

ん?なんかおかしくないか・・・?というか

「校長!それじゃあ出席日数はどうなるんですか?」
 「改めて君が然るべき場所で本人と特定されれば出席日数に加算するとしましょう」

 優しく微笑む校長の顔にはまぁそれはないだろうけどね!とありありと書かれている
校長の無理難題に担任は溜息をついている
納得はいかないが正直この辺りが落としどころだろう
 ふるやんも首を横に振ってストップをかけてくる

 この校長・・・実はやりてなのかもしれない・・・
睨む俺を校長が頭を撫でながら呟く

「それにしても可愛い子ですねぇ」

 『『『通報しました』』』


------------------------------------------------------------------
パトカー周辺
 「この一見平和そうな学校で・・一体何が!?」
 「先輩!」
 「証言は集まったか?」
 「それが・・・皆一様に天使のような子の頭をハゲが撫でたとしか!」
 「一体何が起きたというのだ・・・!

「BioGraphyOnline」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「SF」の人気作品

コメント

コメントを書く