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第二十一章 イベント前のメンテナンス


 目の前の有害人物を睨んでいるとブーメランパンツが大きな声で話出す

「おお!勇敢なるもの達よ!我はロギア!この迷宮都市の管理者にして三賢者の一人である!」

意外と大物だった、だが隙があれば一発殴ってしまってもかまわないのだろう?

「まずは初のダンジョン攻略おめでとう!そして今日はこの街に滞在するか?それとも元居た場所に帰るか?」

フーキが小声で捕捉する

「一日一回のダンジョンやからね、このまま無料で送り返してくれるサービスなんよ」

なるほど、見た目の割に良いやつじゃないか

「今日はもう遅いしここでおちて、また明日ダンジョンに挑むってのも手やで?」
「それもいいけどこの街って見所ある?」
「まだやるんか・・・ここはグラフと土地柄が全然違うから色々あると思うよ?」

なるほど、折角だし観光も良いな
俺がマップを開き観光ルートを模索していると
ポーンという音と共に新着メールが届く
どうやら運営からのメールのよつで
皆にも同じメールが届いたようだ

メッセージを開くとホログラムが浮かび上がる
ちなみに同一の場所で同時に開いた場合一人のメッセージが再生される

白い髪に白い目、長い髪は床までつくほどの長さで無表情の小学生くらいのサイズの美少女だ
少女は淡々とした口調で話しだす

「皆様初めまして、私は運営よりメッセージを伝える為作られた人工知能体、フィーと申します」

人口知能!
ってことはこの子は学習していくのか・・・
某ゲームのように変な知識を植え付けられないように心で祈る

「明後日より、グラフ街にてサービス開始イベントが開催されます、この度は申し訳ありませんが、明日、準備の為に一日メンテナンスを行います」

サービス開始イベント!
初のイベントにわくわくしていると隣のフーキも笑みをこぼしている

「でも明日一日メンテなんやね・・・」

フーキが笑みを消して悲しそうに呟いている

「それにしても今までとは違ったメンテ予告だな」
「それはあれやない?一応メンテの内容がイベントの準備やからやないん?」

それもあるだろう
だが俺にはこの美少女フィーに言わせる事で少しでもプレイヤーからの反感をやわらげようとしている風に思える
そういえば姉が静かだ、絶対フィーに対して何かしらの反応を見せるはずなのに
姉のほうを見るとキャラは棒立ちで虚空を見ている
寝落ちしたな、慣れてないから仕方ないか

「フーキ、やっぱ今日はおちるは、姉さんが寝落ちしたっぽい」
「ほんまやね・・・ヘッドギア外して寝んと明日肩いたなるしはよ外してあげてき」
「ルピーはどうするの?」
[お腹が空いて死にそうです]

そういえばボスクリアの時から言ってたな
戦闘ダメージ受けてないのに㏋が半分切ってる
とりあえずダンジョンで作った弁当を渡すとはじけんばかりの笑顔でがっついている
光らない所を見ると魅了のスキルは外したのか?
顔に出ていたのかフーキが小声で教えてくれる

「道端で倒れてる時ちょっとあったんよ・・・それで危ないから外すようわいが言っといたんや」

何があったかわからんがナイスだフーキ、お前はほんと出来る男だよ
ここは俺も出来る子アピールをしておこう
樫の杖から木精霊を抜き取り簡単なロープをつくると姉をロープでくくり魔法陣の上に投げ入れる

「鬼畜やわぁ・・・」

フーキがドン引きしているが気にしない
四人でグラフ街に戻り宿屋まで姉を土精霊で作った棺桶に入れて運ぶ
途中青姉さんぐらいわいが運ぶで?とフーキが言っていたがここは俺に任せろ!と断った
フーキが違う!そうじゃない!って目で見てた気がするが気のせいだろう

「じゃあ今日はおちる、お休みー」
「おやすー青姉さん大事にしーよ、まじで・・・」
[おやすみなさい]

ログアウトしてすぐに姉の部屋に行きヘッドギアを外部からログアウトさせる
外部からのログアウトは装着者が許諾するか、一定時間反応がないと強制的に行うことができる
その点グレイはどうやって回避しているのであろう、と疑問を浮かべながらヘッドギアを片付ける

ベッドで寝転んでやるよう教えていたので運ぶ手間が省ける
気持ちよさそうに寝息をたてる姉を見ていると自分も眠くなってきた

「んーひろールピーちゃんーむにゃむにゃ」

姉が抱き着いてくる、完全に不意打ちで避けれなかったが寝ているので簡単に引きはがせる
起きていたら腹に数発入れているところだ

2Fの自室に戻る途中兄の部屋から寝言らしきものが聞こえてくる

「っく!収まれ!我が従僕!このままでは世界が・・・スー」

世界がどうなるんだ!滅亡するのか!?

「ああ!なんということだ!我が盟約により世界が!スー」

お前の夢の中では世界がどうなっているんだ!
心の中で突っ込みをいれニヤニヤしながら部屋に戻る
それにしてもこの時間帯に寝るなんて珍しいな
いつもなら夜は我が領域とか言って無駄に夜更かししてるのに

部屋に戻る頃には眠たさがMAXになる
眠気眼でカロリーメイトを口に含み明日のイベントの詳細を確認する
なになに・・・グラフ城目掛けてドラゴン接近・・・冒険者は・・・全員で・・・
グラフ武闘会・・・天下一決定戦・・・

明後日のイベント楽しみにしながら寝落ちしてしまうのであった

コメント

  • ノベルバユーザー526602

    運営からのメールのよつで
    運営からのメールのようで
    では?

    0
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