現実逃避から始まるメンヘラ狂騒曲

片山樹

7

 ドリンクバー。
それは子供にとって普段はジュースを二本開けてはいけない(炭酸を開けてしまったら早めに飲まないと抜けるから)という家庭に生まれた者にとっては贅沢な場所である。だから勿論俺はジュースを混ぜ混ぜして、新たなジュースを制作しているのだ。これは別に美味くなくても不味くてもどちらでもいいのだ。自分の未知なる欲求心を満たす、ただそれだけでいいのだ。
これとこれを混ぜたらどうなるのかなぁ〜という思い付きで行うだけなのだ。だから誰かにとやかく言われる筋合いは無いのだ。

「ねぇ〜悠斗。何してるの?」

「ふっ、何をしてるって。未知なるロマンを求めてかな」

「み、未知なるロマン!?」
 大きな声を出す美穂。
もとい、俺と美穂に客達の目が集まる。

「未知なるロマンですって」
「未知なるロマン……ぷぷっ」
 嘲笑の目で見つめられる。

「おい、美穂。適当にジュース注いで戻るぞ。はやく」
 俺と美穂は無難にジュースを選び、自分達の席へと戻った。それからすぐに頼んだものは来た。
かつとじ定食の美味さは格別だった。
それは他の誰かと一緒に食べたからなのかもしれない。

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「ねぇー悠斗。もうさ、あの女のこと忘れてくれた?」

 あの女――桐桜先輩のことだろう。

 ズボンを脱がされ、後はパンツだけとなる。
俺は必死に抵抗し、ガムテープの隙間から声を出す。

「やめろ――やめてくれ。やめてくれ」

 しかし彼女は俺の反抗する態度が気に食わなかったみたいでガムテープを勢い良く剥がす。
 そしてカッターを俺の首に向けて、叫ぶ。

「忘れたって言え! 忘れたって言え! 言わないと殺す! 言わないと殺す! 殺す!」

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