現実逃避から始まるメンヘラ狂騒曲

片山樹

プロローグ

 皆様方、読者諸君はTwitterというものをご存知だろうか?
と、俺がそんな質問をこの文章として書き記したとしても返事が聞こえてくることは無いだろう。
だが読者の頭の中や口に出してポンポンとこんなものだろうという風に思ってくれるとありがたい。
もしも読んでいる諸君が電車の中や職場、学校という環境にいる場合は口に出さないことをオススメする。
こんな小説まがいの文章。俺の自己満足。
俺の捻くれ文を読んでいる諸君には申し訳無いが、先に言わなかったことだけは謝っておこう。
申し訳ない・・・・・
君達はオカシイ人だと思われるはずだ。
だが残念なことに俺は責任を取るつもりも無ければ、取ることもできないが、もしも口に出してしまった人は安心してくれ。こういう時の対処法を考えた。
とりあえずこの小説まがいの自己満足捻くれ文を周りの奴等にも広めてほしい。勿論、口に出さなかった奴でも広めてもらっていいが、金は出ないぞ。
そしてこう言うのだ。
『この小説に口に出して読めって書いてあったんだ』と。そうすれば周りの奴等が優しい人ならば理解してくれるはずだ。安心してくれ!

 というわけで(何がというわけでだ!)、話を戻すとしよう。知っているという人はここからの文章は別に要らないと思うので読み飛ばしてくれ。
物好きなら読んでくれると嬉しいものだ。
で、分からなかった奴。
Twitterツイッターは、140文字以内の短文「ツイート」の投稿を共有するウェブ上の情報サービスである。
(これはウィキペディア様々から一部抜粋)
分かりやすい説明だっただろう?
えっ? 分からない?
そんな奴は知らん。自分で詳しく調べろ。
現代っ子の君たち諸君なら意図も簡単にグーグル様々でググれるだろう。さぁー頑張ってくれ。
さてさて、では読む準備ができた所だろう。
ここから先の話はTwitterというものを少しでも分かる状態で無ければ分からないと思うので先を読みたい奴はTwitterというものを少しでも理解して読んでくれ。別に理解できなくても読みたいぜって奴も読んでほしい。
ではでは、こんなクソつまらないプロローグ的な文章稼ぎに付き合ってくれて今までありがとう。
本題に入るとしよう。

 ある日、Twitterをしてたらファボが来た。
その日のことを思い出すだけで身体が蒸し暑くなる程にそれはそれは暑い日だった。
クーラーがガンガン効いた部屋で一人扇風機に当たり涼しみながら棒アイスを食っていた。
と、まぁーそんな描写を入れつつ、最初に戻ろう。
専門用語が少し出てきたが、あまり気にするな。
俺も最初は知らなかった。あ、ちょっとアプリ紹介みたいになってきたけどそんなつもりは一切無い。
ファボが来るというのはTwitter経験者なら当たり前のことだ。それに来ると嬉しいものだ。
で、ファボが来たとなると普通は誰からファボが来たのだろうとそいつを調べてみるのだ。
これが一般的なのかは分からない。
ただ、俺はそいつがどんなツイートをしているのかとか調べてしまう。調べるって言っても、少しだけ除き見るだけだ。いやあーまぁ、見れば見るほど個人情報大公開だぜーって奴も居るが俺は悪用しないから安心して鍵をかけなくていい。そう、俺はな。
他のネット社会の住民は俺みたいに優しい人間(どうでもいいと思っている人)は少なからず居るが、逆も然りだ。注意して使ってほしい。
で、俺の習慣病がそこで発生して確認してみるとそいつは俺のフォロワーでは無かった。
ここで普通思わなければならないことはファボがフォロワー外から来るということはオカシイということだ。
そのツイートがRTなどされているならまだしも何もされていないツイートにファボが来る、ましてやフォロワー外から来るというのは少しでもオカシイと気づくべきだ。あ、でも面白いツイートとかをしていたらそういうことは起きるよ。本当にたまに。たまにだけど。
(俺に起きることはたまにしか無いが……)
まぁーここで普通にそういうこと起きるじゃね?
とか思う奴は多分だがフォロワーが沢山いて、それはそれは楽しい毎日を過ごしているのだろう。
それかパクツイ野郎か。
まぁーそんな奴こそ、この先を読んでほしい。
俺にファボをしてきた奴のアイコンは人の顔が血だらけになっている不気味な画像だった。
この段階で俺はこいつとは関わらない方がいい、本能的にそう思った。
小説風に言うのならば、背筋が途端に寒くなり、鳥肌が立ったとでも書くのだろう。
だけどやっぱり怖いがこの人がどんなツイートをしているのか見てみたいという興味が湧いた。
怖いのとか見たくないよぉーとか言いながら心霊特集とかを最終的には見てしまう的なアレだ。アレ。
そのアレ的な現象(これの正式名称があるのなら是非とも感想欄に書き込んでいてくれ)が起こり、呟きを確かめてみることにした。

 で、だ。話はここからトントンとまな板の上で切られる買ってから少し時間の経ったじゃがいものように進んでいく。

 そいつには固定しているツイートがあった。
内容は理解不能でぶっ飛んでいて、絵文字が大量にあった。だが意味がさっぱり分からない。
所々の単語単語は分かるのだが、それ以外は全く読み取ることができない。そんな感じである。

 ここで俺は気付くべきだったのだ。

 これは獲物の興味を誘う為の罠だったんだと。

 じゃがいもが発芽していたということを。

 ギャルがキャピキャピと日々の日常を絵文字で書き綴っている方がまだ分かりやすく、おまけの自撮り付きで心が癒やされるのでまだ良い。
そいつの文は全く理解ができないものだった。
理解しようとしても分からない……そのレベルの文である。自分の語彙力が無いせいでどんな文なのか分かりづらいと思うのは重々承知だ、すまない。
だがな、俺の語彙力では表せられない程に酷いものだったということだけ分かってくれるといい。
でさ、まぁーそんな強烈的な固定ツイートを目の当たりにしてしまったら、その人の他ツイートも見てみたいと思ってしまうのが一般人代表と言ってもいい程の凡人な俺は心の思うままに行動した。(なんかエロい表現だな)
 彼女のツイートを遡るに連れて、彼女のツイートに規則性があることに気づいた。
 それは……全てのツイートが二度か三度かツイートされているのだ。俺も一度は定期ツイートかなと思ったが、そういうわけでは無かった。同じツイートを少し時間を置いて、ツイートしているのだ。かといって、そのツイートは別段リンクも画像も貼られているわけでも無いので企業とか何かの為に使っているとは考えられなかった。本当に謎の文が呟かれるだけなのだ。
はっきり言って気持ち悪かった。

 それから数日後。
俺がその気持ち悪いアカウントを忘れようとしていた頃(ってか実際ほぼ忘れていた)、そいつからフォローされた。
正直かなり怖かった。何故、俺なのか。
そんな気持ちがあったが、そいつをブロックすることは無かった。ブロックしたと分かったら何をされるか分からない……そんな恐怖があったからだろう。
というか、俺はそいつのことを異常者としてこの段階からいや、最初にこいつからファボをされていた時には既にそう判断していたのだ。
だからこんな行動を取ってしまったのだ。
それにこちらからフォローさえしなければ何の害も無いだろうと考えていた。
それに何もしたわけではないのに、偏見だけでブロックするのはどうだろうと判断していまというのも当てはまる。

 何の害も無い。確かに害という害は無かった。
しかし、俺がツイートをする度にそいつからファボとRTされる様になった。それも毎回毎回されるのだ。
恐怖の対象でしか無かった。害では無いが、ありがた迷惑だ。だが、自分のツイートが認められている様な気がして少しだけ嬉しかった。

そんなある日。
俺は手が滑って、そいつをフォローしてしまう。
本当にしまったと思ったが、こいつからRTやファボが来ていたから別にいいかと許した。
だからなんとも思わなかった。
で、その夜。
時間はもう覚えていない。
そいつからDMダイレクトメールが来た。

「ケロけろけろけろっぴケロッピ」
普段のツイートと変わらず、意味が分からない文だった。でもとりあえずDMだ。
返すしか無いだろう。そう思い、適当に返事を返す。

『よろしくお願いします!』
必殺社交辞令を使ってやった。
これで相手が怯むだろうと思った。
それとおまけに『(^^♪』こんな顔文字まで付けたので鬼に金棒である。意外にもそいつからの返事は早かった。
俺のドキドキする時間を奪いやがってと悪態を付き、奴の返事を見る。

『( `・∀・´)ノヨロシク』
案外普通な返事だった。
リプが来た時にする対応そのものであった。
でもさ、二面性というかそういうのを持っている人ってめちゃくちゃ気持ち悪くないか?
いや、例えばの話だけど。
(少しばかり、俺の持論に付き合ってくれ)
突然笑いだしたと思ったら、突然冷静になる。
確かにアニメキャラとかにはそういう奴もいるよ。ってか、居るさ。でもそれはキャラとして、二次元だからこそ成り立つのであって、現実にはあってはいけないのだ。あってはいけない。
そうは言ったけど、最低限のマナー。
ネットにマナーというのが存在するのかどうか怪しいけど……少しの礼儀。いや道徳心があるのなら、そんな行動を取らないでほしい。
別に二面性がある奴、全てを否定しているわけでは無い。でもさ、人前では建前というかそんなものを持つべきでは無いだろうかと俺は思うのだ。
上司の前で君はタメ語で喋るか?
違うだろ。そんな感じだよ。
上司の前で悪口を言うか?
上司の居ない所で言うだろ。
世の中、そんなもんなんだよ。
そんなクソッタレな社会なんだよ。
でよ、極論。(別に極論では無いけど)
初対面の奴に変な文章を送りつけてきたこいつは異常だ。分かりやすい説明だろう。

で。
俺はそいつのDMを無視することにした。
だって社交辞令のよろしくタイムは終わった訳ですし、相手の趣味も分からない。おまけに変なやつと来た。
そんな奴にはこれが丁度いい距離感というものだ。それに相手も相手でグイグイ来られたら困るだろう。
俺はそう判断してそいつからのDMに返事を返すことはしなかった。

で。で。
それから数日が経った頃、そいつがあるツイートをしていた。それは今までの奇っ怪な文脈では無く、列記とした文だった。

『私は@一部省略(俺のリア垢ID)から無視されたよぉー。カレピッピは私を孕ませたのに……
#拡散希望 #孕ませ男』

 へっ?
そんな間抜けな声が出た。
まぁー出てもしょうがないさ。
すぐに俺はこいつにDMを送った。

『おい! お前、なんのつもりだ!』

『酷いよぉー。私を無視しちゃってさ、てへっ』
 なんだ? こいつ。
キモいよ。めちゃくちゃキモいよ。

『あ、そうだ。ねぇ、私と電話しようよ!』

『嫌だ。無理だ』

『へぇ〜そうなんだぁー。じゃあさ、個人情報ばらまいていい?』

 胸が一気に苦しくなる。
これって脅迫か?

『個人情報?』

『そう。個人情報。私ね、知ってるんだよ。山田君』

 名字を当てられた。
俺はすぐにこいつをブロックしたかった。
だけどブロックしたらこいつには……。
そんな恐怖が募る。

『どうやって? 俺の名前がわかった?』

『簡単だよ。分かるよ。あのね、山田君。Twitterをする時はサブ垢でしなきゃ。リア垢には鍵を付けようね。すぐに身バレするよ、ふふっ』

『本当に住所知ってんのかよ……?』

『う、うん。知ってるよ。それに学校名をバレてるから、学校にかけちゃえば余裕だね。あ、っていうか……家の電話にかけようか? そっちの方が良いよね?』

 家の電話番号がバレてる?
いや、そんなわけは無いだろ。

『今からかけるね……』
 大量のハート共にその言葉があった。

プルプルプルプル。
家の電話がなる。
身体を震わせる。
どうしよう。

『お、おい! 今、電話をかけてるか?』
 一応の為だ。確認しとかないと。

『うん。かけてるよ。出てよ』
 どうやら俺の家の電話番号はバレているらしい。
腹をくくるしかない。
こいつと喋るしかない。
受話器を掴み、言いたいことをぶちまける。

「気持ちわりぃーんだよ!」
 最初の一斉はそれだった。
その言葉と共に並べられる言葉はこれまた酷いもので到底呂律が回らない程にグチャグチャでベチャベチャと唾を鳴らしながら言ってやった。
勿論、何度も噛んだ。
だが、その言葉を文章で表すのは不可能だ。
だって俺も何を言ったか分からないから。

「ごめんなさい……」
 彼女が謝ってきた。声が少し震えていた。

何か罪悪感を感じてしまう。
俺は本当に他人に影響を受けやすいタイプだ。
本来ならば、一般人ならば、こんな時は「謝って済む問題じゃねぇーだろうが! バカヤロー!」と言うべきなのだ。そう、それが当然なのだ。
でも俺の口から出た言葉はそれとは反対のものだった。

「なんか……俺の方こそごめん。言い過ぎた……こんなつもりじゃなかったんだ……」

 本当に俺は馬鹿だ。

「ふふっ、別にいいよ。許してあげる」
 何故、彼女から許して貰わなければならないのか。
そんな疑問があったが、とやかく彼女の機嫌が口調から治ったみたいと読み取れた。
本当に良かった。

「ありがとう」

 俺がそういうと彼女は言った。

「愛してる」

 新しい合言葉か何かか。
それとも何かのおまじないか。
全く分からなかった。
でも相手から愛してると言われ、何も言わないのはおかしいだろう。

「愛してるよ、俺も」
 本当に何故こんな言葉が口から出たのか分からない。
でもこの言葉から俺の人生が狂い始めるとはまだ俺も彼女も理解してはいなかった。


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