俺の隣の席の人が毎日違うのですが?

Fuu

水曜日〜カレン③〜最後までカレンがだけだと思った?残念、○○も出てきます。

水曜、今日はカレンが来る日で5月最後の日である。あぁ、長かった。思えばこの関係は今月からの始まりだったんだよな。俺にだけ彼女達の姿が見えていた。今思ってみるととても不思議である。幸い、今日は自称ヘレン並みにまともな人と豪語するカレンが来ているから少し聞いてみることにした。

「ーーてなわけで、なんで俺には幻影が効かないのか知りたいわけだよ」

「なら、実験してみる?」

その一言がきっかけで放課後屋上に集まることになった。






「ある程度の仮説はあるの。まず一つは魔眼か何かの効果。これに関しては魔力を操れないと発動しない、結城は操れないからこれは無しね」

「まぁ、そうなるよな」

「二つ目は結城自身に一切魔力系の物が効かないと言うもの。これに関して言えば99.9%ないでしょうね」

99.9%にしたのは本当に万が一の可能性が捨てきれないからなのかもな。

「三つ目で最後なんだけど、一番有力じゃないかと私は思ってるの」

「一体どんなのなんだ?」

「これもかなり珍しいものなんだけど魔力自体見ることが出来ない人が居るの。だから結城もそこに入ると思うのだけど」

「ん?それってカレン達がいた世界での事じゃないのか?」

「それがまた複雑な話なのよね。何故か私達のいた世界とこの世界の法則というか概念はかなり近いものなの」

「つ、つまり?」

「向こうの世界で言えたことはこちらの世界でも言える、という事なの。まぁ、世界が違うわけだから違いはまぁ、あるのでしょうけど」

まぁ、それなら納得がいくかな?けど、幻影魔法が効かないのとその魔力が見えないのの関係性はなんだろうか?

「なら、なんで俺は幻影が効かなかったんだ?」

「幻影魔法は魔力を練って違う人をコピーする魔法と言ったところかしらね。つまり、魔力と言う本質事態が変わってるわけじゃないの」

なるほど。つまり魔力自体は見えなくても魔力を別の物に変換したり魔力から派生したものは見えるという訳か、やっと納得いった。

「納得出来たかしら?」

「あぁ、納得出来たよ。だけど本当にカレンってまともなタイプの人なんだな」

「なによその私がまともじゃないみたいな言い方!私の一番がアリスなだけよ!アリスの笑顔があれば私は何時までも戦っていられるわ!」

「それが十分まともじゃない要素になるんだけどね」

俺は少し乾いた笑みを浮かべるしかなかったのであった。その後カレンと少し駄弁って帰路につくのだった。









場所が変わり伊藤家 

ヘレンは伊藤家にある自分用の部屋のベットの上で寝転がっていた。腕の中には月曜日にから毎晩抱き枕にしている(´・ω・`)のクッションを抱えていた。

「眠い筈なのに、寝れないわね」

ヘレンは一人呟く。現在23時ちょい過ぎの時間で伊藤家でまだ起きているのがヘレンだけとなっていた。ヘレンは寝れないのならば何か飲もうと思い一階に向かう。
台所の電気を付けジュースを取り出しテーブルの上に置いたところであるモノに気づく。それは共有のスマホである。それを見たヘレンはスマホを手に取り電源をつける。そして登録してある番号へ一瞬迷うが連絡する。起きていなければそれでいいかな程度の気持ちで....



「あー、やっと終わったー。くっそ、数学のあのハゲの野郎こんなに宿題出しやがって。もうこんな時間かよ」

時刻は23時ちょい過ぎをさしていた。道理で眠いわけだ。俺が寝るために布団に入ろうとした時にちょうどスマホが着信を告げる。
相手を見ると伊藤と言う文字、俺は躊躇無く電話に出る

『もしもし、ヘレンだけど今大丈夫?』

電話の相手はヘレンからだった。珍しい相手だな。

「問題ないよ、宿題を今さっき片付けたところだったから。ところで何かようか?」

『少し、寝れなくてね。みんな寝ていて話し相手が居なかったの、大丈夫かしら?」

少し言いづらそうにしていたがその程度なら問題はないな

「大丈夫だぞ。なら何から話すか」



それからはお互いに他愛もない雑談を続ける事10分。お互いに口数も減ってきて話さない時間も出来てきたのでそろそろ電話を切るために口を開けようとしたのをヘレンに止められてしまう。

『ところで結城!」

「ん?どうした?」

『いや、その。あのだな。す、好きな........の?」

「最後の方聞こえなかったんだけど、何か言ったか?」

『い、いや!別になんでもないの!そろそろ眠くなってきたから切るわね!じゃあ!』

「え!ちょーー」

一方的に切られてしまったのだが...まぁいいか。眠いし寝るとするか。
この時の俺には彼女達とどんな関係になっていくか分からないなりに努力していたのだが、まさかあんな関係になるなどと今の俺には見当も付いていなかった。

こうして水曜日は何処か物足りないような静けさの中過ぎていく。


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