異世界召喚!?ゲーム気分で目指すはスローライフ~加減知らずと幼馴染の異世界生活~

梅谷シウア

4-6.5私だって美味しく作れるも〜ん

side マイカ
「今日は、昨日寝かしておいたクッキーの生地を切って焼くだけですよ。」
「完成するんだね〜、上手く出来るといいな〜。」
「まだ、作業は終わってないですよ。しっかり切ってください、厚すぎても、薄すぎてもダメですよ。」
「これくらいでいいんでしょ〜。」
「ほんの少し厚い気もしますが、許容範囲です。」
「もう少し薄くてもいいんだね〜。」
「さて、私の方もやっていきますか。」
「おぉ、すご〜い。厚さがみんな一緒だ。それに、はや〜い。」
「まぁ、普段から料理してますから。あとはバターを塗って焼きますよ。」
「は〜い。分かりました。ニカ先生。」
「先生って呼ばれると気恥ずかしいです。」
照れてるニカって普段より更に可愛いな〜。本当に先生って思ってるんだけどね〜。
「ところで、マイカはご主人の幼馴染なんですよね。大変じゃなかったんですか?あんなにハイスペックだと。」
「そうだね〜。元の世界は魔法とかなかったけど、かなりのハイスペックは変わらなかったし、隣にいるのに苦労したよ〜。今も頑張ってるんだけどね〜、ユウくんって私の考えなんかが及ばないようなところまでいるみたいな感じだし〜、これからもずっと背伸びしてユウくんの隣にいるんだと思うの。」
「やっぱり、大変なんですね。」
「そうなんだよ〜、向こうはそれにすら気づいてすらくれないのにさ〜。」
「まぁ、そういうものだって割り切ったりしないとご主人の隣にはいられない気がします。」
「そうなんだってわかってはいるんだけどね〜。よし、バター塗り終わったよ〜。」
「じゃあ、焼きましょうか。」
オーブンで1番高い温度で焼くんだよね〜。焼けないといけないからしっかりと〜。
「何してるんですか、マイカ。」
「えっ、オーブンで焼こうとしてるんだよ〜。」
「なんで1番高い温度なんですか、これくらいで十分ですよ。もしかして、失敗した時もそうしましたか?」
「そうだけど、なんで?しっかり焼けないと大変じゃ〜ん。」
「このくらいのと温度じゃないと焦げて炭になりますよ。」
えっ、じゃあ、あのクッキーがやたら黒かったのってビターチョコのせいじゃなくて焦げてたからなの〜。

*****

「いい匂いが、なんか作ってるのー?」
「ミーシャも食べる〜?私がニカに教えてもらいながら作ったクッキーなんだけど〜。」
「2人が毒、味見して美味しかったら食べるよ。」
私の料理は毒なのかな〜。酷いな〜。前に失敗したのはユウくんが好きってものをなんでも入れたのと、焼き過ぎたのが原因だったんだから今回は失敗しないはず。
「もう焼けたみたいですよ。お茶と一緒に持ってきます。」
「私も手伝うよ〜、私が作ったんだし〜。」
「ただいまー。」
「ただいまです。」
「ただいま帰りました。」
「ただいま。」
「あっ、帰ってきた。」
外に出かけてたみんなが帰ってきた〜、みんな食べてくれるかな?
「いい匂いがしますね。」
「みんな帰ってきたみたいですし、みんなの分のお茶を用意しなくてはですね。」
1つだけ先に味見しておこっと、なんかあったら大変だしね〜。
「なに、つまみ食いしてるんですか、マイカ?」
うぅ、バレた〜。なんであっち向いてるのにわかるのさ〜?
「どうでしたか?自分で作ったクッキーの味は。」
「私が作ったとは思えないくらいに美味しかったよ〜。」
「そうですか。じゃあお皿に盛り付けておいてくださいよ。」
「うん、分かってるよ〜。」
「ねぇ、何してきたのー?」
「私とミアちゃんはお散歩に行って来たんですよ。」
「ミレナと私は、昨日注文してた服がもうできてるらしいから取りに行ってたのよ。」
「できた〜。完成だよ。」
「お茶もはいりましたし、少し早めですがおやつにしますか。」
「今回のは美味しいし、安全だよ〜。」
「安全ってなんですか…」
「サクサクで美味しいです。お茶に合うです。」
「甘すぎなくて、いくらでも食べらるわね。紅茶にも合うし。今度私にも作り方教えてください。」
「別にそれくらいはいいですよ。」
「おいしー。」
「本当に、美味しいですよ。」
私が作ったものが美味しいって言って食べてもらえるとなんか嬉しいし、照れるな〜。

*****

「今日は私の話ですよね。」
「そうだね、ニカの話だよ〜。」
「オルト君との関係をしっかり話してもらうからね。」
「話しますから、ミレナは私の胸を揉まないでください。」
「大きかったからつい、ごめんごめん。」
セクハラだ〜、確かに大きいとは思うけどさ〜。
「えっと、ですね。この屋敷に来て少しした日に買い物に行ったら、迷子になってしまって、助けてくれたのがオルト君でした。その後の買い物も手伝ってくれて、いい人だなーって思ったんです。」
ニカさんが言ういい人はどうでもいい人じゃなくて本当の意味でのいい人なんだろうな〜。
「それからも食材を買いに行くと、何度か会うようになって、話も合うので仲良くなったんですよ。それで、気づいたら隣にいるのが当たり前になってたんです。そしたらこの間告白されて、今は付き合ってます。うぅ、自分のことを言うのって恥ずかしい。」
「純粋だ。純粋な恋愛だ。」
「なんというか、正しい恋愛って気はしますね。」
「なんだろう、純粋な小さな子の初恋みたい。」
「本当に正しい恋愛ってこういうんだろ〜ね〜。」
なんだか、伝えづらいけど純愛を感じるよ〜。いや、他のみんなが純愛じゃないってわけじゃないんだけどさ〜。
「明日の僕のハードル下がるどころか上がったよー。」
これが愛ってやつなのか〜。
「初々しさがすごいわね。」
「ニカは割と乙女だー。」
「ミーシャ、割とってどういうことですか?」
「初々しさ、フレッシュ、意図してつくれるものじゃないですから、なんとも言えない気分になるんだろうな〜。」
「それだ。」
「今までの話にはなかったものでしたね。」

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