異世界召喚!?ゲーム気分で目指すはスローライフ~加減知らずと幼馴染の異世界生活~

梅谷シウア

2-5奴隷を買おう

 ユウトとマイカ、エリザベートの3人は、路地裏の雑貨屋に来ていた。
「いらっしゃいませ、本日は何をお求めでしょうか?」
 ユウトは素直に話を切り出す。
「裏で売っているもんが欲しいんだけど」
「貴様のような貧乏冒険者が手を出せるものはないと思うが?」
 すると店員は、ユウトとマイカの身なりを見て、嘲笑う。
「うぅ、腹立つな~」
 ユウトもマイカと同じことを思ったが、口に出すことはしなかった。それから数秒、店員声を聞いてか奥から店長らしき人が現れる。
「おい、ジョン貴様何をやっている」
 店長らしき人は、店員に怒号を上げ蹴り飛ばす。
「このクソが、大変失礼しました。本日はどのようなものを、お探しでしょうか」
 ユウトとマイカは、その光景を見て一瞬固まった。
「料理ができるものがいいな、少し見せてもらえるか?」
 ユウトはすぐに店長らしき人の言葉に返事をする。
「任せてください、すぐに見繕ってもってこい。いいか、ジョン」
「はっ、はい。今すぐ」
 店長らしき人は先ほどの店員に指示を出すと、ユウトたちに頭を下げながら、椅子を持ってく。
「先程からお見苦しいところばかりみせてしまい、誠に申し訳ございません。どうぞごゆっくり」
 ユウトたちは椅子に座り、話しながら時間をつぶす。
「なぁ、エリさん俺って有名なのか?」
「さぁ、分かりません。けど、こういった商売をする店なんてのはお金がある人を紙にまとめてるみたいですよ。」
「なるほど」
「私たちデュラハン討伐の報酬金貰ってるから、お金持ちリストに載ってたのか~」
 マイカとユウトは納得がいったようでうんうんと頷く。数分後、ようやくやって来た店員は何人かの奴隷を連れてきた。
「お待たせしました。このくらいになりますが」
 連れてこられた奴隷は5人いたが、ユウトが目を付けたのはその中で男ではない3人だった。1人目はユウトと同い年くらいの少女。見た目はツンデレを想像させるような金髪ツインテール美少女。2人目は、エリザベートと同じ年くらいの美人。茶髪のロングで、見るからにおしとやかで清楚なイメージだ。最後、3人目は小学生くらいの小さな子。しかし頭の上には猫のような耳があり、お尻のあたりからはしっぽが生えていた。
「どうするべきだと思う?」
 ユウトは2人に問うが、2人とも考え込んでいるようで返事は一向にない。するとユウトは何か思い出したようで、買うか悩んでいた3人全員を指さして店員に言う。
「3人とも買おう」
「はい、3人ですね。って3人?」
「あぁ3人だ。金はあるが、問題はあるか?」
「いえ、いえお金さえ払ってもらえれば、何一つ問題ありません」
 ようやく考え事が終わった2人はユウトの購入を全力で否定する。
「なんでですか? なんで3人もそれもみんな女の人を」
「ユウくん、お金の無駄遣いダメ、絶対に」
「この子には、動きやすい服装を。他2人にはメイド服を。」
 ユウトは2人の言葉を無視すると、店員に服装を整えさせるように言う。
「分かりました、すぐに用意します」
「まさか、ユウくんはメイド好きなの~?」
「メイドコスであんなことや、そんなことを」
 店員が奴隷たちを連れて奥へと戻るとマイカとエリザベートはユウトの服のチョイスについて話しだす。ユウトは誤解を解くべく、2人をメイド服にした理由を話す。
「言っとくけど2人の言っているようなことじゃないからな。このあいだ、デュラハン倒しただろ? そん時に領主さんから、屋敷をもらってるんだよ。だからあの2人には屋敷専属のメイドをやってもらおうと思ってるんだ」
 すると2人とも納得がいったようで、安堵の息をつく。
「よかった~。ユウくんにも考えがあってなんだね~」
「もし、メイドコスがご希望なら、私しますよ」
 エリさんなんで、そうなったかな。もっとまともな人だったよな? なんでこうなった?
 待つこと10数分。着替え終わった3人を連れ戻って来た店員は、ユウトに声を掛け会計を始める。
「お待たせしました、合計で34金貨になります」
「はい、じゃあこれで」
 ユウトは無限倉庫ストレージボックスから金貨をちょうど出すと店員に渡す。
「確かに、では契約させていただきます。契約主はあなたでよろしいでしょうか?」
「えっ、あぁ、俺でお願いします」
「では、血液を少しばかりこちらに」
 やっぱりこの世界での、個人にまつわる契約や書類は血液使うんだな。
「このくらいでいいか?」
 ユウトは置いてあった針に指を押し当て出血させると、そこから血液を10滴ほど垂らす。
「では契約します。」
 店員はユウトの血液に専用の液体を混ぜると、それを使い3人の背中に魔方陣を描き上げていく。
「契約は終わりました、またのお越しをお待ちしています。」
 ユウトたちは店の外に出るとそのまま屋敷に向かう。
「では」
 外に出て数歩ある行ったところで、ユウトの左腕にエリザベートが抱き着いてきて、ユウトの左腕は埋もれる。
「やめろ、歩きづらいから。あとマイカ、怖い」
 ユウトは照れながらもやめるように言うが、マイカも負けじと右腕に抱き着いてくる。そんな光景を見て奴隷たちは少しおびえた様子で話し合う。
「うぅ、私たちどうなるんだろ」
「不安です~」
「べっ、別にだっ、大丈夫でしょ」

コメント

  • 明日

    会話の感じがかわいくてテンポも良くていいですね!

    0
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