魔術がない世界で魔術を使って世界最強
これからの準備
現在弥一たちは王城の隣にある騎士団の訓練施設の大型練習場に集まっていた。今日から1週間勇者としての戦う訓練を行い戦争に向けてのステータスのレベルアップや経験を蓄える。
「それではまずは各職の系統ごとに分かれる。魔法系の職はバーリアに、戦士系の職の人間は私のところに集まるように。」
魔法系と戦士系に分かれそこでそれぞれに合った訓練をするようであり弥一、凛緒、彩、健の4人は
「そういえば弥一、俺たちステータスを詳しく見せたことなかったよな?」
「ん?あぁ、確かにそうだな。この機会に確認しとくか。」
「賛成賛成!」
そうして開示した4人のステータスはこれだ。
==============================
ーーー隠蔽前ーーー
《日伊月 弥一》 男
レベル:13
職業:魔術師
筋力:2600
体力:3010
俊敏:3490
耐性:2500
魔力:56000
〔契約精霊〕
・
スキル
言語・剣術・射撃・思考強化・縮地・魔力回復速度上昇
===============================
===============================
ーーー隠蔽後ーーー
《日伊月 弥一》 男
レベル:13
職業:魔術師
筋力:400
体力:400
俊敏:400
耐性:400
魔力:700
〔契約精霊〕
・
スキル
言語・剣術・思考強化・縮地・魔力回復速度上昇
===============================
===============================
《綾乃 凛緒》 女
レベル:12
職業:女神官
筋力:300
体力:350
俊敏:300
耐性:490
魔力:400
〔契約精霊〕
・水精霊『最上級:ミーラ』
・風精霊『上級:ミン』
・光精霊『上級:レーフ』
スキル
言語・料理・裁縫・解呪・回復魔法威力上昇・魔力回復速度上昇
================================
================================
《美波 彩》 女
レベル:13
職業:弓使い
筋力:360
体力:410
俊敏:320
耐性:300
魔力:320
〔契約精霊〕
・風精霊『最上級:ルオーフ』
・火精霊『上級:バーエル』
スキル
言語・精神統一・視力強化・連射・魔力耐性変換
================================
================================
《赤木 健》 男
レベル:13
職業:拳闘士
筋力:450
体力:490
俊敏:520
耐性:300
魔力:300
〔契約精霊〕
・土精霊『最上級:ドーム』
・火精霊『上級:ベーデ』
スキル
言語・縮地・豪脚・俊脚・筋力強化・体力強化
================================
これが現在4人のステータスである。弥一ステータスは隠蔽のままであり、凛緒は回復系統に適性がある最上級水精霊と契約しており職業女神官の効果で、回復や異常状態に強い。彩は弓道部のせいか職業は弓使いで効果は弓武器の威力上昇、そしてスキル【魔力耐性変換】は魔力を耐性パラメーター変換し耐性を上げるスキルである。健は職業拳闘士、効果は素手・蹴りの攻撃力上昇というものでサッカー部だった健にはピッタリかもしれない。
「やいくんそのステータスでよく二人を相手に勝つことができたね」
「ほんとだねぇ~。やっぱあれもなんかの魔術なの?」
「どうなんだ?弥一?」
「う、うん、まぁそんなとこだ」
「へぇ~すげーな弥一。てか地球に魔術なんてファンタジーがあるとは思わなかったぜ。
「魔術師は科学の発展と同時に裏の世界に追いやられて、今じゃあ魔術は表の世界においては淘汰の対象だからみんなには言えなかったんだ。」
「むー。私には教えてほしかったよ・・・」
「わ、悪かったって、俺が魔術師だと凛緒が知ってたら危険に巻き込まれる可能性もあったから言えなかったんだって。
「むー」
とそんなやり取りをしている間に騎士団側の準備が終わったらしく全員それぞれのところに集まり出した。
「ほらほら。お二人さんさっさと行くわよ。凛緒またあとでね」
「うん。あとでね彩ちゃん」
「よし行くか、弥一」
「おう」
凛緒は魔法使い組に弥一、健、彩は戦士組にそれぞれ分かれていった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「それではこれから戦士系の職を持つ君たちはアーセラム聖堂王国に伝わる国宝武具を選んでもらう。それぞれに適性のある武具を選んでもらいその武具は君たち専用のものとなる。それではひとりづつ前に来てくれ」
そうして奥から運ばれてきたのは剣、槍、弓、防具など数多くの武具だった。これらの武具はアーセラム聖堂王国に伝わる国宝武具でそれぞれが何かしらの効果や属性を持つ強力で、この武器を装備できるのは国から認められたものだけでありとても栄誉あるである。
「まず、相川雄也」
「はい。えっと・・・ん?うわっ!」
相川が前に出て武具を選ぼうとすると突然武具の中から一つの石の剣が宙に浮きあがり相川のほうに向かって飛んできた。相川は間一髪で剣の柄を掴みその剣を掲げた。
瞬間石の剣に光の輝きのひびが入り、砕け散ると同時に破片が集まり形成。
光が収まるとそこには全く別の剣が誕生していた。透明に輝く両刃の刀身、その刀身の腹にはまるでバラのように金がまとわりついている美しくも力強い剣だった。
「やはりそれが選んだかいや選ばれたか」
「ロジャー騎士団長この剣は?」
「その剣は【聖剣ルナエルーム】。かの英雄シンが使っていた剣でその剣は持ち主を自ら選ぶ。選ばれし者以外が扱ってもただの斬れない石の剣で、選ばれし者が持つことで真の姿になる。しかもその聖剣は使用者に協力な力を与えると聞く。」
「確かになんだかより力がみなぎってくる感じがします。」
「まぁこの結果は誰もが予想していてそんなに驚くようなものでもない。当然なことだ」
「はい。この聖剣をつかってよりいっそう強くなります!」
「ああ。期待している。それでは次!」
相川が聖剣に選ばれる出来事があったあとは順調に武具が決まっていた。選んだ武具はみなさまざまであり剣や槍、弓はもちろん防具や盾などを選んだ者もいた。男子はやはり武具などは憧れていたのかとても興奮している様子だった。
そして最後に弥一の番になったのだが、
「日伊月。お前は魔法組ではないのか?」
魔術師が職の弥一が戦士組のほうにいることに疑問を持ったロジャーが訪ねてくる。
「最初は俺も魔法組に行こうかと思ったんですが、俺には契約精霊がいないからこっちの精霊魔法が使えないのでこっちにしました。それに近接戦闘はできますし剣術スキルもあるので」
「たしかにマディアとジーク二人を同時に相手にして戦うお前に腕は相当なものだったし、お前の剣術は見たことないものだったが達人レベルのものだった。うむ、こちらでも問題はないな、それで武具は何にする?」
「いえ。俺にはこれがあるんで」
そういって先ほどブレザーから取り出しておいた【蒼羽】の鍔を鳴らす。
「その剣でいいのか?」
「ええ、これは自分自ら作った武器で長年使ってきたものなので一番信頼できます。武器は命を預けるもの、一番信用できるものに限りますから」
「うむ。確かにそうだな、わたしも自分のこの剣以上に信用できる武器などないからな。」
こうして戦士系全員の武具が決定し、いよいよ訓練である。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
武具を選んだ後、動きやすい服装に着替えもう一度集まったあと基礎体力や反射神経を鍛える訓練をこなし、メイドたちが持ってきてくれた弁当で昼食となった弥一はアーシアと一緒にみんなより離れた静かな木陰のベンチで昼食をとることにした。
「はい。どうぞ弥一様。」
「ありがとうアーシア。おっうまそう、アーシアもどう?」
お弁当から小さめのおにぎりを取り出しアーシアの口のほうに持っていく
「え!?え、ええ!?そ、それは弥一様のですから!私は大丈夫です!」
そんな弥一の提案に顔を真っ赤にしアーシアは遠慮して顔をそむける
「いいからいいから。アーシアにはいつもお世話になってるし。はい、あーん」
遠慮して譲らないアーシアに弥一は頬に手を当てて顔をこちら側に向けさせる
「!?!?で、では・・・あ、あーん」
そんな弥一に今にも爆発しそうなほどさらに顔を真っ赤にしたアーシアは観念して差し出されたおにぎりを食べる
こうして昼食時間が過ぎていくなか一人の男が弥一たちに近づいてきた
「やぁ。ここいいかい?」
「ん?」
「!?へ、陛下!?」
そうその人物はこの国の国王であるヴィディルであった
「国王陛下。こんにちは、どうぞ空いてますので」
「そうかい、ありがとう」
ヴィディルはそのまま弥一の隣に腰掛ける。突然の来訪者がまさか国王だと思わずものすごく動揺しているアーシアと、そんな中でも気にしない弥一であった。
「どうされたのですか陛下?このようなところに?」
「なに、少し君に話が合ってね。あとそんなにかしこまらないでくれ、常にそのようにかしこまられてはこちらも窮屈でね。私のことは普通にヴィディルと呼んでくれ。」
「わかりましたヴィディルさん。それでどうして俺に?」
「この前の決闘、実に見事であった。あのような素晴らしい戦いぶりは久しぶりに見た。」
「ありがとうございます。」
「それに魔術というものはもちろん剣術も素晴らしかった。魔術というものはわからないが、剣術は私も少し心得があってね。見たことない剣術だったが君の剣はとても美しかった。」
「あの剣術は刀という反りのある片刃の剣を使う剣術で、俺たちが住んでいた地球の日本という国の伝統ある武術の一つなんです。」
「そうなのか。なるほど、世界というものはやはり広いものだな。」
それから弥一とヴィディルは地球のこと、この世界のことなどを話し続け、そうして気が付けば昼食休憩が終わる時間になろうとしていた。
「弥一様そろそろお時間ですよ」
「あっ。すいません。そろそろ俺行かないと。」
「そうか。いや実に楽しい時間だったよ、ありがとう。」
そういってヴィディルが差し出してきた手を弥一は握り返す
「こちらこそありがとうございました」
握手を交わした弥一はみんなのいる場所に向かおうとすると、ヴィディルが最後にと声を掛ける。
「弥一君はまだあの時本気を出してはいなかったのだろう?」
「!。わかりますか?」
「私も昔はそれなりの戦士だったからね。いつか君の本気が見られる時が楽しみだよ。」
「ええ。いつか必ずお見せしましょう。」
こうして昼食時間が過ぎて行った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
昼食を食べた弥一たちは先ほど選んだ国宝武具を持って集まっていた。
「それではこれから武具を使った訓練を開始する」
いよいよ待ちに待った武具を使っての訓練に皆浮き足立っていた。その瞬間
スドォオオオオオンーーーーー!!!
離れた練習場方からただことではない爆発と悲鳴が聞こえてきた。
「なんだ!?」
「いったいなんだ!?」
「おい!あっちの練習場って確か、魔法組の訓練場所っじゃないか!?」
そうその練習場所は魔法組が訓練に使っている場所であった。
(なにが起きた!!)
普通ではない異常事態に弥一はすぐさま【探査魔術】を発動。【探査魔術】で状況把握を行う。
(人間の魔力ではない魔力が16体。この反応は大きさからみて魔物か)
地球にも”魔物”と呼ばれる魔力を宿した生物は生息している。魔力を宿しているため普通の生き物に比べ強く、とても狂暴である。しかし生息数は少なく魔物を見る機会は地球ではあまりないが、弥一は父親に付いていき魔物とも戦ったことがあるため魔力の反応から魔物と断定できた。
(しかし一体だけ強力な魔力反応があるこれはなんだ?まぁいい、とにかく)
「ロジャーさん!!魔法の練習場で魔物がいます!数は16!急いであとから来てください!!」
そう言い残し弥一は【加速魔術】と【重力魔術】を発動。足元に二重の蒼い魔術陣が出現し、それと同時に弥一は右足を踏み込み地面を蹴る。
瞬間弥一の足元が爆発。
【加速魔術】で自らの速度を加速させ、【重力魔術】によって重力の楔から解き放たれた弥一はまるで、一陣の矢のごとき速度で地面や壁、屋根を疾走する。その間戦闘服を換装、黒のコートをたなびかせさらに加速する。
するとあっというまに魔法組の練習場が見えてきた。
そして最後に大きくを踏み込み屋根を蹴って空中に身を投げ出す。
「見えた!!」
そこには今、狼型の魔物に襲われそうになっている凛緒、ヘンリ、メイが見えた。
「間に合ぇぇええええええええええーーー!!!!」
「それではまずは各職の系統ごとに分かれる。魔法系の職はバーリアに、戦士系の職の人間は私のところに集まるように。」
魔法系と戦士系に分かれそこでそれぞれに合った訓練をするようであり弥一、凛緒、彩、健の4人は
「そういえば弥一、俺たちステータスを詳しく見せたことなかったよな?」
「ん?あぁ、確かにそうだな。この機会に確認しとくか。」
「賛成賛成!」
そうして開示した4人のステータスはこれだ。
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ーーー隠蔽前ーーー
《日伊月 弥一》 男
レベル:13
職業:魔術師
筋力:2600
体力:3010
俊敏:3490
耐性:2500
魔力:56000
〔契約精霊〕
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スキル
言語・剣術・射撃・思考強化・縮地・魔力回復速度上昇
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ーーー隠蔽後ーーー
《日伊月 弥一》 男
レベル:13
職業:魔術師
筋力:400
体力:400
俊敏:400
耐性:400
魔力:700
〔契約精霊〕
・
スキル
言語・剣術・思考強化・縮地・魔力回復速度上昇
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《綾乃 凛緒》 女
レベル:12
職業:女神官
筋力:300
体力:350
俊敏:300
耐性:490
魔力:400
〔契約精霊〕
・水精霊『最上級:ミーラ』
・風精霊『上級:ミン』
・光精霊『上級:レーフ』
スキル
言語・料理・裁縫・解呪・回復魔法威力上昇・魔力回復速度上昇
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《美波 彩》 女
レベル:13
職業:弓使い
筋力:360
体力:410
俊敏:320
耐性:300
魔力:320
〔契約精霊〕
・風精霊『最上級:ルオーフ』
・火精霊『上級:バーエル』
スキル
言語・精神統一・視力強化・連射・魔力耐性変換
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《赤木 健》 男
レベル:13
職業:拳闘士
筋力:450
体力:490
俊敏:520
耐性:300
魔力:300
〔契約精霊〕
・土精霊『最上級:ドーム』
・火精霊『上級:ベーデ』
スキル
言語・縮地・豪脚・俊脚・筋力強化・体力強化
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これが現在4人のステータスである。弥一ステータスは隠蔽のままであり、凛緒は回復系統に適性がある最上級水精霊と契約しており職業女神官の効果で、回復や異常状態に強い。彩は弓道部のせいか職業は弓使いで効果は弓武器の威力上昇、そしてスキル【魔力耐性変換】は魔力を耐性パラメーター変換し耐性を上げるスキルである。健は職業拳闘士、効果は素手・蹴りの攻撃力上昇というものでサッカー部だった健にはピッタリかもしれない。
「やいくんそのステータスでよく二人を相手に勝つことができたね」
「ほんとだねぇ~。やっぱあれもなんかの魔術なの?」
「どうなんだ?弥一?」
「う、うん、まぁそんなとこだ」
「へぇ~すげーな弥一。てか地球に魔術なんてファンタジーがあるとは思わなかったぜ。
「魔術師は科学の発展と同時に裏の世界に追いやられて、今じゃあ魔術は表の世界においては淘汰の対象だからみんなには言えなかったんだ。」
「むー。私には教えてほしかったよ・・・」
「わ、悪かったって、俺が魔術師だと凛緒が知ってたら危険に巻き込まれる可能性もあったから言えなかったんだって。
「むー」
とそんなやり取りをしている間に騎士団側の準備が終わったらしく全員それぞれのところに集まり出した。
「ほらほら。お二人さんさっさと行くわよ。凛緒またあとでね」
「うん。あとでね彩ちゃん」
「よし行くか、弥一」
「おう」
凛緒は魔法使い組に弥一、健、彩は戦士組にそれぞれ分かれていった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「それではこれから戦士系の職を持つ君たちはアーセラム聖堂王国に伝わる国宝武具を選んでもらう。それぞれに適性のある武具を選んでもらいその武具は君たち専用のものとなる。それではひとりづつ前に来てくれ」
そうして奥から運ばれてきたのは剣、槍、弓、防具など数多くの武具だった。これらの武具はアーセラム聖堂王国に伝わる国宝武具でそれぞれが何かしらの効果や属性を持つ強力で、この武器を装備できるのは国から認められたものだけでありとても栄誉あるである。
「まず、相川雄也」
「はい。えっと・・・ん?うわっ!」
相川が前に出て武具を選ぼうとすると突然武具の中から一つの石の剣が宙に浮きあがり相川のほうに向かって飛んできた。相川は間一髪で剣の柄を掴みその剣を掲げた。
瞬間石の剣に光の輝きのひびが入り、砕け散ると同時に破片が集まり形成。
光が収まるとそこには全く別の剣が誕生していた。透明に輝く両刃の刀身、その刀身の腹にはまるでバラのように金がまとわりついている美しくも力強い剣だった。
「やはりそれが選んだかいや選ばれたか」
「ロジャー騎士団長この剣は?」
「その剣は【聖剣ルナエルーム】。かの英雄シンが使っていた剣でその剣は持ち主を自ら選ぶ。選ばれし者以外が扱ってもただの斬れない石の剣で、選ばれし者が持つことで真の姿になる。しかもその聖剣は使用者に協力な力を与えると聞く。」
「確かになんだかより力がみなぎってくる感じがします。」
「まぁこの結果は誰もが予想していてそんなに驚くようなものでもない。当然なことだ」
「はい。この聖剣をつかってよりいっそう強くなります!」
「ああ。期待している。それでは次!」
相川が聖剣に選ばれる出来事があったあとは順調に武具が決まっていた。選んだ武具はみなさまざまであり剣や槍、弓はもちろん防具や盾などを選んだ者もいた。男子はやはり武具などは憧れていたのかとても興奮している様子だった。
そして最後に弥一の番になったのだが、
「日伊月。お前は魔法組ではないのか?」
魔術師が職の弥一が戦士組のほうにいることに疑問を持ったロジャーが訪ねてくる。
「最初は俺も魔法組に行こうかと思ったんですが、俺には契約精霊がいないからこっちの精霊魔法が使えないのでこっちにしました。それに近接戦闘はできますし剣術スキルもあるので」
「たしかにマディアとジーク二人を同時に相手にして戦うお前に腕は相当なものだったし、お前の剣術は見たことないものだったが達人レベルのものだった。うむ、こちらでも問題はないな、それで武具は何にする?」
「いえ。俺にはこれがあるんで」
そういって先ほどブレザーから取り出しておいた【蒼羽】の鍔を鳴らす。
「その剣でいいのか?」
「ええ、これは自分自ら作った武器で長年使ってきたものなので一番信頼できます。武器は命を預けるもの、一番信用できるものに限りますから」
「うむ。確かにそうだな、わたしも自分のこの剣以上に信用できる武器などないからな。」
こうして戦士系全員の武具が決定し、いよいよ訓練である。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
武具を選んだ後、動きやすい服装に着替えもう一度集まったあと基礎体力や反射神経を鍛える訓練をこなし、メイドたちが持ってきてくれた弁当で昼食となった弥一はアーシアと一緒にみんなより離れた静かな木陰のベンチで昼食をとることにした。
「はい。どうぞ弥一様。」
「ありがとうアーシア。おっうまそう、アーシアもどう?」
お弁当から小さめのおにぎりを取り出しアーシアの口のほうに持っていく
「え!?え、ええ!?そ、それは弥一様のですから!私は大丈夫です!」
そんな弥一の提案に顔を真っ赤にしアーシアは遠慮して顔をそむける
「いいからいいから。アーシアにはいつもお世話になってるし。はい、あーん」
遠慮して譲らないアーシアに弥一は頬に手を当てて顔をこちら側に向けさせる
「!?!?で、では・・・あ、あーん」
そんな弥一に今にも爆発しそうなほどさらに顔を真っ赤にしたアーシアは観念して差し出されたおにぎりを食べる
こうして昼食時間が過ぎていくなか一人の男が弥一たちに近づいてきた
「やぁ。ここいいかい?」
「ん?」
「!?へ、陛下!?」
そうその人物はこの国の国王であるヴィディルであった
「国王陛下。こんにちは、どうぞ空いてますので」
「そうかい、ありがとう」
ヴィディルはそのまま弥一の隣に腰掛ける。突然の来訪者がまさか国王だと思わずものすごく動揺しているアーシアと、そんな中でも気にしない弥一であった。
「どうされたのですか陛下?このようなところに?」
「なに、少し君に話が合ってね。あとそんなにかしこまらないでくれ、常にそのようにかしこまられてはこちらも窮屈でね。私のことは普通にヴィディルと呼んでくれ。」
「わかりましたヴィディルさん。それでどうして俺に?」
「この前の決闘、実に見事であった。あのような素晴らしい戦いぶりは久しぶりに見た。」
「ありがとうございます。」
「それに魔術というものはもちろん剣術も素晴らしかった。魔術というものはわからないが、剣術は私も少し心得があってね。見たことない剣術だったが君の剣はとても美しかった。」
「あの剣術は刀という反りのある片刃の剣を使う剣術で、俺たちが住んでいた地球の日本という国の伝統ある武術の一つなんです。」
「そうなのか。なるほど、世界というものはやはり広いものだな。」
それから弥一とヴィディルは地球のこと、この世界のことなどを話し続け、そうして気が付けば昼食休憩が終わる時間になろうとしていた。
「弥一様そろそろお時間ですよ」
「あっ。すいません。そろそろ俺行かないと。」
「そうか。いや実に楽しい時間だったよ、ありがとう。」
そういってヴィディルが差し出してきた手を弥一は握り返す
「こちらこそありがとうございました」
握手を交わした弥一はみんなのいる場所に向かおうとすると、ヴィディルが最後にと声を掛ける。
「弥一君はまだあの時本気を出してはいなかったのだろう?」
「!。わかりますか?」
「私も昔はそれなりの戦士だったからね。いつか君の本気が見られる時が楽しみだよ。」
「ええ。いつか必ずお見せしましょう。」
こうして昼食時間が過ぎて行った。
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昼食を食べた弥一たちは先ほど選んだ国宝武具を持って集まっていた。
「それではこれから武具を使った訓練を開始する」
いよいよ待ちに待った武具を使っての訓練に皆浮き足立っていた。その瞬間
スドォオオオオオンーーーーー!!!
離れた練習場方からただことではない爆発と悲鳴が聞こえてきた。
「なんだ!?」
「いったいなんだ!?」
「おい!あっちの練習場って確か、魔法組の訓練場所っじゃないか!?」
そうその練習場所は魔法組が訓練に使っている場所であった。
(なにが起きた!!)
普通ではない異常事態に弥一はすぐさま【探査魔術】を発動。【探査魔術】で状況把握を行う。
(人間の魔力ではない魔力が16体。この反応は大きさからみて魔物か)
地球にも”魔物”と呼ばれる魔力を宿した生物は生息している。魔力を宿しているため普通の生き物に比べ強く、とても狂暴である。しかし生息数は少なく魔物を見る機会は地球ではあまりないが、弥一は父親に付いていき魔物とも戦ったことがあるため魔力の反応から魔物と断定できた。
(しかし一体だけ強力な魔力反応があるこれはなんだ?まぁいい、とにかく)
「ロジャーさん!!魔法の練習場で魔物がいます!数は16!急いであとから来てください!!」
そう言い残し弥一は【加速魔術】と【重力魔術】を発動。足元に二重の蒼い魔術陣が出現し、それと同時に弥一は右足を踏み込み地面を蹴る。
瞬間弥一の足元が爆発。
【加速魔術】で自らの速度を加速させ、【重力魔術】によって重力の楔から解き放たれた弥一はまるで、一陣の矢のごとき速度で地面や壁、屋根を疾走する。その間戦闘服を換装、黒のコートをたなびかせさらに加速する。
するとあっというまに魔法組の練習場が見えてきた。
そして最後に大きくを踏み込み屋根を蹴って空中に身を投げ出す。
「見えた!!」
そこには今、狼型の魔物に襲われそうになっている凛緒、ヘンリ、メイが見えた。
「間に合ぇぇええええええええええーーー!!!!」
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