ヘタレ魔法学生の俺に、四人も美少女が寄ってくるなんてあり得ない!
検定試験は必死で勉強しないと痛い目見る
八月二十八日。
夏休みも今日で終わり。魔導学園は長期休み中の課題というものが無いが、何となく俺は『魔法基礎理論』の教科書を流し読みしていた。
「十二月に魔法検定あるからな。今のうちからやっとかないと」
魔導学園では、定期テストが存在しない。
そのかわり、進級に必要な単位は、日々の授業態度、出席日数、そして、在籍学年において取得出来る資格を一つ以上取得する事で獲得出来る。
ぶっちゃけ、魔導学園の検定試験は、普通の高校みたいに『取らなくても良いけど取った方が良い』のではなく、『取らないと進級出来ない』のだ。
「一年生で検定に落ちるってことは、留年決定って事だもんな」
だって取得出来る資格が一つしか無いもん。
「大丈夫だ。授業ちゃんと受けたし、『魔法基礎理論』の科目は大丈夫」
しかし、『魔法認識学』がまるで分からん。
確か……魔法によって個人世界の認識を一時的に変えた場合の影響がどうとか……だったっけ?
「最悪全部切って、得意分野で攻めるっていうのもアリだけど……」
それだと苦手分野の問題が多めのときに手の施しようが無くなるからな……。
「『魔法認識学』の教科書どこやったっけ……」
俺が通学カバンを漁っていると、
「暁ー!ご飯出来たわよー?」
母さんの間延びした声が聞こえてきた。
俺は部屋を出て、階段を下り、一階へ向かった。
「見て暁!うちの吹奏楽部が!」
姉さんが持っていたスマホに写し出されていたのは、
『魔導学園関東高校吹奏楽部、二年連続の全国大会出場』
うちの吹奏楽部が全国大会に出たという記事だった。
「全国大会って事は……すごいんだな」
「二年連続だから……余程演奏上手くないと出れないんだよね」
多分ね。っていうか吹奏楽に大会なんてあったのか……。
「なんか良いにおいがする……」
「……ご飯……」
鼻をヒクヒクさせたケイトと、眠そうな目の華がはいってきた。
「あら、二人とも。ご飯出来てるわよ?」
「パンケーキだ!ハチミツかけて良いの!?」
「ええ。かけて良いわよ。……太らない範囲でね?」
うわ。さりげなく釘刺してきたぞ。
「うう……。ちょっとにしとこ……」
「私も……」
自由にかけて良いんだぞ?
「バターってある?私バター派なんだ」
「あるわよ。持ってこようか?」
「お願い」
バターを取りに席を立つ母さん。へえ、姉さんバター派なのか。
「暁、何もかけないの?」
「一枚目は何もかけないで食べるの」
二枚目はハチミツかけて食べるけどね。
一枚目のパンケーキをペロッと平らげ、二枚目のパンケーキにハチミツをぶっかけてかぶりついた。
華とケイトが物欲しそうな目で見てきたが、(罪悪感で胸がいっぱいになったが)気にせずに食べる。
「(美味いな、これ。ちょっとおかわりしよ)」
二枚目を平らげた俺は、母さんにおかわりを要求していた。
夏休みも今日で終わり。魔導学園は長期休み中の課題というものが無いが、何となく俺は『魔法基礎理論』の教科書を流し読みしていた。
「十二月に魔法検定あるからな。今のうちからやっとかないと」
魔導学園では、定期テストが存在しない。
そのかわり、進級に必要な単位は、日々の授業態度、出席日数、そして、在籍学年において取得出来る資格を一つ以上取得する事で獲得出来る。
ぶっちゃけ、魔導学園の検定試験は、普通の高校みたいに『取らなくても良いけど取った方が良い』のではなく、『取らないと進級出来ない』のだ。
「一年生で検定に落ちるってことは、留年決定って事だもんな」
だって取得出来る資格が一つしか無いもん。
「大丈夫だ。授業ちゃんと受けたし、『魔法基礎理論』の科目は大丈夫」
しかし、『魔法認識学』がまるで分からん。
確か……魔法によって個人世界の認識を一時的に変えた場合の影響がどうとか……だったっけ?
「最悪全部切って、得意分野で攻めるっていうのもアリだけど……」
それだと苦手分野の問題が多めのときに手の施しようが無くなるからな……。
「『魔法認識学』の教科書どこやったっけ……」
俺が通学カバンを漁っていると、
「暁ー!ご飯出来たわよー?」
母さんの間延びした声が聞こえてきた。
俺は部屋を出て、階段を下り、一階へ向かった。
「見て暁!うちの吹奏楽部が!」
姉さんが持っていたスマホに写し出されていたのは、
『魔導学園関東高校吹奏楽部、二年連続の全国大会出場』
うちの吹奏楽部が全国大会に出たという記事だった。
「全国大会って事は……すごいんだな」
「二年連続だから……余程演奏上手くないと出れないんだよね」
多分ね。っていうか吹奏楽に大会なんてあったのか……。
「なんか良いにおいがする……」
「……ご飯……」
鼻をヒクヒクさせたケイトと、眠そうな目の華がはいってきた。
「あら、二人とも。ご飯出来てるわよ?」
「パンケーキだ!ハチミツかけて良いの!?」
「ええ。かけて良いわよ。……太らない範囲でね?」
うわ。さりげなく釘刺してきたぞ。
「うう……。ちょっとにしとこ……」
「私も……」
自由にかけて良いんだぞ?
「バターってある?私バター派なんだ」
「あるわよ。持ってこようか?」
「お願い」
バターを取りに席を立つ母さん。へえ、姉さんバター派なのか。
「暁、何もかけないの?」
「一枚目は何もかけないで食べるの」
二枚目はハチミツかけて食べるけどね。
一枚目のパンケーキをペロッと平らげ、二枚目のパンケーキにハチミツをぶっかけてかぶりついた。
華とケイトが物欲しそうな目で見てきたが、(罪悪感で胸がいっぱいになったが)気にせずに食べる。
「(美味いな、これ。ちょっとおかわりしよ)」
二枚目を平らげた俺は、母さんにおかわりを要求していた。
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