『ザ・ウォリアー』 ~この世界を浸蝕するデスゲーム系の近未来SF&ラブコメディ~

チョーカー

VSメデューサ戦 開幕

 見上げればフワフワゆるゆると陽葵が飛んでいた。

 「お前、今まで何やってたんだ?」
 「何って酷いなぁ、常に一定数の距離を取ってカナタくんとルナちゃんの様子を窺っていたよ?」

 そういうと陽葵は不思議そうに小首を傾げた。 

 「それはひょっとしたら……ひょっとしなくてもストーキング行為なのでは?」
 「酷い!それじゃ私が、2人のデートを盗み見して楽しんでいたみたいじゃないかい」
 「語るにおちたな。なるほど、それが犯行の動機か」
 「いや、本当の事を言うとネタバレ防止目的だよ」
 「……え?なに?」

 なんて言った?コイツ?ネタバレ防止って……まさか、コイツ…いや、そこまで…… 

 「自分が参加できないクエストを真直で見てどうするんだい!復帰したら速攻参戦だよ!」
 「あーなんか、その理由が一番ガチぽいな」

 本気と書いてガチ的な意味ではなく、お前らしいガチ廃人ぽい意見だな。
 そういう意味だ。

 「裏ボスが登場してデスゲーム化しても2人共、逃げる様子がないどころか、戦おうとしてるんだもん。流石の陽葵さんも、こりゃマジ!ヤバい!って駆けつけてきたわけですよ」
 「うん、まぁ、今まで、お前のへの償いとか―――まぁ、いいや!」

 兎にも角にも空中向かって、独り言を放つ俺に対してルナさんの視線がヤバい。
 俺は声のボリュームを落として―――

 「陽葵、司令塔コマンダーは頼むぞ」

 陽葵は片手でOKのジェスチャーをした。

 「それじゃ―――ルナさん!いつも通りに前衛は任せます。やりましょう!」

 ルナさんは頷き、駆けだした。
 俺も、その後を追いかけ戦闘開始範囲へ。


 ・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・

 やはり対峙すると、メドューサの大きさが如実にわかる。

 「陽葵、お前ならどうする?」
 「私なら?私だったら後ろに回り込んで遠距離射撃で、Backバック attackアタックをキープしながら、弱点を探して精密射撃でweakpointウィークポイントbonusボーナスに連続射撃でComboコンボを繋げて、ダメージの倍々ゲームかな?」
 「えげつないほど効率的な戦い方だな。いや、別に褒めてないぞ」

 少なくとも、今の俺たちには、陽葵の言う効率的戦法は取れない。
 陽葵の武器『キャノン砲』はあるが、陽葵と同レベルで扱うほどの腕前を俺は持っていない。

 「なら―――」
 「まぁ、基本戦術だよね」

 ルナさんが前に出てメデューサに攻撃。
 ヘイト値を奪い取る。よくよく、見れば装備が変わっている。
 新装備だ。つい先ほど手に入れたクエスト報酬『黄金の剣』をメデューサに突き刺した。
 『黄金の剣』がメデューサの子供という神話を考えれば、中々、シュールな光景だが、気にしない事にする。
 そして、その効果は?

 「いいね。メデューサの下半身、実は蛇の鱗はシステム的に防御力が2割増しって仕様だけど、キッチリとダメージが入ってる。もしかしたら対メドューサ用に追加ダメが入るかもね」

 陽葵の解説。僅か数秒の早口。
 それが正しかったらしい。裏ボス特有のHPゲージは3本。
 そのうち1本の減少は若干、多めだった。
 一気にメデューサのヘイト値はルナさんに向かう。
 見た目から、ありえそうな攻撃は―――

 尻尾の振り回し、両手の爪を利用した攻撃。髪の蛇―――
 そして、魔眼。

 おそらく、魔眼はHPゲージの一定消費から行われる裏ボス独特オリジナルの特殊攻撃だろう。
 だから、ルナさんは接近戦インファイトの位置をキープ。
 俺は一度、二度、その場で軽く飛び、ジャンプで飛び出すタイミングを計る。
 しかし、メデューサの攻撃は予想と違っていた。

 「「あっ!」」 

 俺と陽葵は声を揃えて、視線を空へ―――メデューサを追った。
 なぜ、失念していたのだろうか? このメデューサは空を飛ぶ。

 一気に宙に舞ったかと思うと―――

 「いきなり、ヘイト無視のランダム攻撃だと!」

 最初に見せた攻撃、空からの爆撃が如く落下しては舞い上がる連続攻撃。
 その威力は、その巨体もあって、まるでモンスターモシロフのジャイアント・プレス。
 巨大な落下物。それは原始的な恐怖を思い出される。

 「くそっ!綺麗な空中姿勢を取りやがって!」 

 逃げてるばかりじゃ勝てない。俺はルナさんみたいにメデューサを受け止める事はできない。
 そして、前衛のルナさんと距離を取り過ぎたのが失敗だった。
 彼女のフォローは間に合わない。そう判断した俺は狙いをカウンターに狙いを絞る。
 空へ舞い上がっていくメデューサ。
 そして、落下。

 「ここだ!」

 双剣を2本連続で投擲。そのまま、狙い通りにHITだ。
 だが―――

 キーンと弾かれたような音がした。

 「いっいいぃ!無敵の付加効果だと!」

 そのまま、落下してきたメデューサを地面を転がり、ローリング回避。
 そして、立ち上がると―――無手の状態でメデューサを相対する事になった。
 落下攻撃の直後、ターゲットが近くにいると接近戦に切り替わるのだろう。
 左右の爪を躱したと思った瞬間、頭から蛇の群れが振ってくる。
 素手の俺は蛇の攻撃をパンチで撃墜。

 ジャブ、ジャブ、ジャブ―――

 左ジャブの連打で全てを撃ち落とした。 
 だが、メデューサの攻撃は終わらない。
 その巨体には似合わず素早く、俺に背中を見せつけてくる。
 遠心力をつけた裏拳打ちバックハンドブロー? いや、腕じゃない尻尾だ。
 俺はその場で飛び上がり、尻尾攻撃を回避。まるで超大縄跳び。
 着地と同時に自動で戻ってきた双剣をメデューサに突き立てる。

 CounterカウンターAttackアタック

 ボーナスダメージがついた攻撃も微小のものだった。
 ここでルナさんが合流。Backバック attackアタックでヘイトを取り戻す。
 加えて、盾でメデューサを弾き、距離を保つ。

 「やり難い相手ですね」とルナさん。
 そう言えば、不死鳥戦でも空を飛ぶ敵に苦戦してた。苦手意識があるのかもしれない。
 ならば、と俺は―――

 「考えがあります」

 作戦提案をした。


「『ザ・ウォリアー』 ~この世界を浸蝕するデスゲーム系の近未来SF&ラブコメディ~」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「SF」の人気作品

コメント

コメントを書く