『ザ・ウォリアー』 ~この世界を浸蝕するデスゲーム系の近未来SF&ラブコメディ~

チョーカー

VS不死鳥戦

 軽装の鎧。短剣2つの双剣を装備する。
 空を旋回していた不死鳥が地面へ着地した。
 『ドラゴンアーマー』―――ルナさんとの戦いで受けたダメージの回復を終えたらしい。
 戦闘が開始される。

 『威圧の咆哮』

 怪鳥の鳴き声が周囲に広がっていく。
 ボス戦ではお馴染み開幕のデパフ攻撃の『威圧の咆哮』。
 不死鳥の周囲に半透明の壁が広がっていく。
 あれに触れると、攻撃力減少や防御力減少の効果を受けてしまう。
 だが、半透明の壁――― 不死鳥のデバフ攻撃は自身を中心に四方八方へ広がっていく。

 (どうやって避けるのが正解だ?)

 通常、背後から囁いてくれる陽葵のヒントもなしだ。
 どうやら、彼女に取っても初見のデバフ攻撃。
 横に避けるスペースはなし。
 上は?ダメだ。2メートルほど高さがある。高所でもあれば別何だろうが……
 ならば―――

 俺は恥も外聞もなくかなぐり捨てて敵に背を向ける。

 「敵前逃亡だ!」

 そのまま、逃げるように全力疾走を開始する。

 (やはり!これが正解だ)

 背後を振り向けば、デバフ攻撃は広がりが止まり消滅した。
 しかし―――

 目前には不死鳥が接近していた。

 「おい!咆哮直後の膠着時間はなしかよ!」 

 俺に許されたのは悪態をつく程度の時間のみ。
 不死鳥の体は宙に浮かんでいたホバーリング。そのまま、嘴と爪の3つで攻撃してくる。
 接近戦インファイトが始まり、不死鳥の連続攻撃を短剣を振るって防ぐ。
 不死鳥の激しいラッシュだが、それを受けるたびに空中には―――

 CounterカウンターAttackアタック

 Comboコンボbonusボーナス

 2つの文字が浮かんでダメージ増加を教えてくれる。

 (これは、もしかして……)

 俺よりも上位プレイヤーであるルナさんが苦戦して、そのまま敗北したのは単純に相性差じゃないだろうか?それに俺の装備がボス特化武器っていうのもあるかもしれない。
 不死鳥の攻撃を捌いているだけで、不死鳥はダメージを受けていく。
 いくら、不死鳥の基本HPが尋常でない多さで、かつ自己回復能力持ちとは言え―――
 俺が防御して捌き続ければ、勝手に倒れるのではないか?

 一瞬、バグすら疑ったが、流石にこのまま楽に勝たせてくれない。
 接近戦の不利を悟ったのか、不死鳥は大きく後方へ―――
 接近戦インファイトから中距離戦ミドルレンジへ。

 その翼から羽を飛ばしてくる。
 いや、攻撃パターンはそれだけではないみたいだ。
 不死鳥の嘴の周り、薄青い魔法陣が浮かび上がる。
 不死鳥が嘴を開くタイミングで魔法攻撃が発動。
 火球が襲い掛かってくる。

 (これは……この距離では不利か)

 俺の得意な距離は接近戦。相手が離れていくと攻撃方法が限定的になってしまう。
 一方で不死鳥の攻撃は―――
 絶え間なく、飛ばされてくる羽の攻撃を避け続ける。
 そして一定間隔で、火球が回避のタイミングを狂わしてくる。
 それ、ならば―――

 不死鳥の嘴、魔法陣に狙いを定めて、短剣を投擲した。

 Hitの文字が見えると魔法陣は消滅していた。
 魔法使用中にダメージを受けて攻撃がキャンセルされた。
 更に残った1本も投擲。これもHit

 一定時間、不死鳥の攻撃を躱し続けていくと、不死鳥に刺さった短剣が自動的に手元へ帰ってきた。
 不死鳥が魔法攻撃を仕掛けようとすると投擲。
 勝ちパターンが見えてきた。
 しかし、そう簡単にいかないのがボス戦だ。
 不死鳥の体から炎が激しく立ち昇っていく。

 『バーサーカーモード』

 一気に空へ―――上昇していく。

 (ルナさんの戦いで見せた広範囲攻撃か)

 巨大な魔法陣が不死鳥の背後に浮かび―――
 一気に放射された。

 「だが、それは既に見せてもらっている」

 隕石のように次々と降り注いでくる火球を悠々と避ける。

 (楽に避けれるようになったのはスタミナ増加とペース配分が考えれるようになったからかな?)

 感情のないはずの不死鳥から焦燥感から見える。
 そのまま魔法を止めると俺を狙って急降下を―――

  CounterカウンターAttackアタック

 短剣のカウンターが決まる。
 もう、負ける要素はない。後は―――

 作業的な処理だ。

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