ああ、赤ずきんちゃん。
第2話「赤ずきんちゃんの逃避劇」
赤ずきんたちの前に現れた謎の人物。それは、森で動物たちの狩をしている狩人のおじさんでした。
赤ずきん「出たわね狩人のおじさん! このペドコン!」
オオカミ「赤ずきんちゃん、年頃の女の子がそんな言葉を使ってはいけません!」
狩人「ゲッヘッヘ、赤ずきんちゃんを狙って今年で6年。今日こそ君を俺のものにしてやるぜ〜!」
そう言うと狩人のおじさんは、ポケットにしまっていたスタンガンと小型ナイフを手に赤ずきんに近づいてきます。
オオカミ「うわ、装備がガチのそれだ!」
赤ずきん「逃げるわよオオカミさん! あいつの戦闘力は並みじゃないわ!」
オオカミ「う、うん!」
赤ずきんとオオカミは、狩人から一目散に逃げ出しました。
狩人は「逃がさないよ〜」と言って追いかけてきます。
赤ずきん「はぁっはぁっ。……これ、私がオオカミさんに背中に乗っかった方が速いんじゃない?」
オオカミ「無理だよそんなの。重たいもん」
赤ずきん「こいつっ! 私の2倍くらい背丈があるくせに何言ってるのよ!」
オオカミ「いやー普段からカミさんの尻に敷かれてるとはいえ、赤ずきんちゃんはほら、体重が痛ぇ!!」
赤ずきん「オラァッ!! 私の体重はリンゴ換算で測れっていつも言ってんだろコラァ!!」
オオカミ「ス、スイマセンッ!」
赤ずきんは、自分の体重が人より重いことを気にしていました。
オオカミ「し、しかしですね赤ずきんさん。ぼくはこれでも一応オオカミでして、その気になれば人間1人くらいなら倒せると思うのですが?」
赤ずきん「貴方、あの狩人のこと何も知らないのね。あのおじさんは今こそ只のロリコンのペドコンだけど、若い頃は王国最強の騎士団で活躍していた屈指の騎士だったのよ?」
オオカミ「何ですと!? そんな人が何でこんな森で狩人やってるのさ!」
赤ずきん「強制わいせつ罪」
オオカミ「………………」
赤ずきん「ほら、騎士団って面目が大事でしょ? いくら強くてもさすがに面倒見切れなくなって懲戒免職くらったそうよ」
オオカミ「それで、何故狩人?」
赤ずきん「うーーん、なんか私に一目惚れしたからって昔言ってたけど、本当かどうかは分からないわね。まあいくら何でも冗談だと思うけど」
狩人「ギャッハハハハ! 待ってくれよ赤ずきんちゃ〜ん、俺の愛しの天使よ〜!」
オオカミ「……あながち冗談じゃないかもしれないな」
そうして、2人がどんどん森の中を駆け抜けて行くと別れ道まで辿り着きました。
右が、お婆ちゃんの家があるきのこ山への道。そして左が、たくさんのリンゴが実っているリンゴ園があると、赤ずきんは覚えています。
赤ずきん「よし、左よ!」
オオカミ「リンゴを食べに行っている場合じゃないと思うけど」
赤ずきん「違う! リンゴ園にはお爺ちゃんが働いているはずだわ。お爺ちゃんに匿ってもらえれば、何とかなるかもしれない!」
赤ずきんのお爺ちゃんはリンゴ園の責任者でした。赤ずきんは、毎日朝早くからリンゴの世話をしているお爺ちゃんなら、きっと今もリンゴ園で働いていると考えたのです。
オオカミ「なるほど! まあ病気のお婆ちゃんの家に行くよりも、そっちの方が安全だろうしね!」
オオカミもそれに賛成して、2人は左の道を走ります。
左の道を走って行くと、リンゴ園が見えてきました。リンゴ園の入り口には門があって、そこには張り紙が貼られていました。
『本日、リンゴ園は休業。家で寝ている婆さんの代わりに、きのこ山でトリュフ狩りをしに行きます。リンゴ園責任者・お爺ちゃん』
と、張り紙に書かれていました。
赤ずきん「ガッデム!!」
オオカミ「えーお爺ちゃん居ないみたいだよ!? どうするの赤ずきんちゃん!」
赤ずきん「くそっ、鍵まで掛かってる! いつも盗み食いしに来る時は開いてるのに何でこんな日に限って!」
オオカミ「こらこら盗み食いは辞めなさい」
赤ずきん「いや、今はそれどころじゃないか。……こうなったら仕方ない。オオカミさん、ちょっとそこの木の根元に立ってて」
オオカミ「え、ここ?」
オオカミは赤ずきんの言われた通りに木の根元に立ちます。
すると、赤ずきんは突然、その木をよいしょよいしょと登り始めたではありませんか。
赤ずきん「パンツ見ないでよ!」
オオカミ「見ないよ! いや、ていうか何やってるの?」
赤ずきん「良いから! オオカミさんはそこに立って、狩人のおじさんを引きつけてて!」
そう言って赤ずきんは木を登りきり、太い枝の上に立ってじっと狩人が来るのを待ちました。
しばらくして狩人が追いついてきました。
狩人「あれ、赤ずきんちゃんは?」
オオカミ「ああ、えっとぉ〜。お婆ちゃんの家に向かったからここには居ないよ?」
狩人「嘘を吐くな。俺は赤ずきんちゃんの匂いなら100億マイル離れた距離からでも嗅ぎわけられるんだ。嘘だけど」
オオカミ「そりゃそうだ」
狩人「だがこっちに赤ずきんちゃんが逃げたのは間違いない。どこへ隠した?」
オオカミ「それは……」
赤ずきん「お前の頭上だぁぁ!!」
その瞬間、狩人の真上から赤ずきんが飛び降り、狩人にのしかかりました。
狩人「プギャアッ!!」
狩人は小柄な少女が降ってきただけにも関わらず、とてつもない衝撃を受けたように悲鳴を上げます。
そして、押し潰された狩人はそのまま気絶してしまいました。
赤ずきん「……ふぅ。これで一安心ね」
オオカミ「おおっ! 赤ずきんちゃんの異様に重い体重のおかげで見事に狩人を倒し痛いッッ!!」
赤ずきん「それ以上そのデカイ口で戯言ほざくなら今すぐこの場でテメェの顎引き千切るぞコラァッ!!」
オオカミ「ス、スイマセンッッ!!」
……さて、軽いトラブルは起きたものの、何とか狩人の魔の手から逃れることが出来た赤ずきんとオオカミ。2人は元きた道を戻り、今度は別れ道で右の道を進みます。
そしてようやく、お婆ちゃんの家に辿り着くのでした。
次回、第3話「赤ずきんちゃんとプリン」。ご期待ください。
赤ずきん「出たわね狩人のおじさん! このペドコン!」
オオカミ「赤ずきんちゃん、年頃の女の子がそんな言葉を使ってはいけません!」
狩人「ゲッヘッヘ、赤ずきんちゃんを狙って今年で6年。今日こそ君を俺のものにしてやるぜ〜!」
そう言うと狩人のおじさんは、ポケットにしまっていたスタンガンと小型ナイフを手に赤ずきんに近づいてきます。
オオカミ「うわ、装備がガチのそれだ!」
赤ずきん「逃げるわよオオカミさん! あいつの戦闘力は並みじゃないわ!」
オオカミ「う、うん!」
赤ずきんとオオカミは、狩人から一目散に逃げ出しました。
狩人は「逃がさないよ〜」と言って追いかけてきます。
赤ずきん「はぁっはぁっ。……これ、私がオオカミさんに背中に乗っかった方が速いんじゃない?」
オオカミ「無理だよそんなの。重たいもん」
赤ずきん「こいつっ! 私の2倍くらい背丈があるくせに何言ってるのよ!」
オオカミ「いやー普段からカミさんの尻に敷かれてるとはいえ、赤ずきんちゃんはほら、体重が痛ぇ!!」
赤ずきん「オラァッ!! 私の体重はリンゴ換算で測れっていつも言ってんだろコラァ!!」
オオカミ「ス、スイマセンッ!」
赤ずきんは、自分の体重が人より重いことを気にしていました。
オオカミ「し、しかしですね赤ずきんさん。ぼくはこれでも一応オオカミでして、その気になれば人間1人くらいなら倒せると思うのですが?」
赤ずきん「貴方、あの狩人のこと何も知らないのね。あのおじさんは今こそ只のロリコンのペドコンだけど、若い頃は王国最強の騎士団で活躍していた屈指の騎士だったのよ?」
オオカミ「何ですと!? そんな人が何でこんな森で狩人やってるのさ!」
赤ずきん「強制わいせつ罪」
オオカミ「………………」
赤ずきん「ほら、騎士団って面目が大事でしょ? いくら強くてもさすがに面倒見切れなくなって懲戒免職くらったそうよ」
オオカミ「それで、何故狩人?」
赤ずきん「うーーん、なんか私に一目惚れしたからって昔言ってたけど、本当かどうかは分からないわね。まあいくら何でも冗談だと思うけど」
狩人「ギャッハハハハ! 待ってくれよ赤ずきんちゃ〜ん、俺の愛しの天使よ〜!」
オオカミ「……あながち冗談じゃないかもしれないな」
そうして、2人がどんどん森の中を駆け抜けて行くと別れ道まで辿り着きました。
右が、お婆ちゃんの家があるきのこ山への道。そして左が、たくさんのリンゴが実っているリンゴ園があると、赤ずきんは覚えています。
赤ずきん「よし、左よ!」
オオカミ「リンゴを食べに行っている場合じゃないと思うけど」
赤ずきん「違う! リンゴ園にはお爺ちゃんが働いているはずだわ。お爺ちゃんに匿ってもらえれば、何とかなるかもしれない!」
赤ずきんのお爺ちゃんはリンゴ園の責任者でした。赤ずきんは、毎日朝早くからリンゴの世話をしているお爺ちゃんなら、きっと今もリンゴ園で働いていると考えたのです。
オオカミ「なるほど! まあ病気のお婆ちゃんの家に行くよりも、そっちの方が安全だろうしね!」
オオカミもそれに賛成して、2人は左の道を走ります。
左の道を走って行くと、リンゴ園が見えてきました。リンゴ園の入り口には門があって、そこには張り紙が貼られていました。
『本日、リンゴ園は休業。家で寝ている婆さんの代わりに、きのこ山でトリュフ狩りをしに行きます。リンゴ園責任者・お爺ちゃん』
と、張り紙に書かれていました。
赤ずきん「ガッデム!!」
オオカミ「えーお爺ちゃん居ないみたいだよ!? どうするの赤ずきんちゃん!」
赤ずきん「くそっ、鍵まで掛かってる! いつも盗み食いしに来る時は開いてるのに何でこんな日に限って!」
オオカミ「こらこら盗み食いは辞めなさい」
赤ずきん「いや、今はそれどころじゃないか。……こうなったら仕方ない。オオカミさん、ちょっとそこの木の根元に立ってて」
オオカミ「え、ここ?」
オオカミは赤ずきんの言われた通りに木の根元に立ちます。
すると、赤ずきんは突然、その木をよいしょよいしょと登り始めたではありませんか。
赤ずきん「パンツ見ないでよ!」
オオカミ「見ないよ! いや、ていうか何やってるの?」
赤ずきん「良いから! オオカミさんはそこに立って、狩人のおじさんを引きつけてて!」
そう言って赤ずきんは木を登りきり、太い枝の上に立ってじっと狩人が来るのを待ちました。
しばらくして狩人が追いついてきました。
狩人「あれ、赤ずきんちゃんは?」
オオカミ「ああ、えっとぉ〜。お婆ちゃんの家に向かったからここには居ないよ?」
狩人「嘘を吐くな。俺は赤ずきんちゃんの匂いなら100億マイル離れた距離からでも嗅ぎわけられるんだ。嘘だけど」
オオカミ「そりゃそうだ」
狩人「だがこっちに赤ずきんちゃんが逃げたのは間違いない。どこへ隠した?」
オオカミ「それは……」
赤ずきん「お前の頭上だぁぁ!!」
その瞬間、狩人の真上から赤ずきんが飛び降り、狩人にのしかかりました。
狩人「プギャアッ!!」
狩人は小柄な少女が降ってきただけにも関わらず、とてつもない衝撃を受けたように悲鳴を上げます。
そして、押し潰された狩人はそのまま気絶してしまいました。
赤ずきん「……ふぅ。これで一安心ね」
オオカミ「おおっ! 赤ずきんちゃんの異様に重い体重のおかげで見事に狩人を倒し痛いッッ!!」
赤ずきん「それ以上そのデカイ口で戯言ほざくなら今すぐこの場でテメェの顎引き千切るぞコラァッ!!」
オオカミ「ス、スイマセンッッ!!」
……さて、軽いトラブルは起きたものの、何とか狩人の魔の手から逃れることが出来た赤ずきんとオオカミ。2人は元きた道を戻り、今度は別れ道で右の道を進みます。
そしてようやく、お婆ちゃんの家に辿り着くのでした。
次回、第3話「赤ずきんちゃんとプリン」。ご期待ください。
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