公爵令嬢は結婚したくない!
迷宮攻略(3)
「ううっ……魔石がー!」と、呟いているアクアリードさんを横目で見ながら私とメリッサさんは迷宮の中を歩く。
「それにしても、本当に魔物がいませんね……」
「「ですよねー」」
メリッサさんとアクアリードさんが床に散らばっている魔石を見ながら溜息交じりに私の言葉に答えてきた。
灰色の煉瓦が積まれて作られた縦横5メートルほどの道を歩くこと20分ほど。
「ユウティーシア様!」
アリアリードさんが、ユウティーシアとか! 残念な子! とか言っていた言葉を翻して様付けで私に語りかけてきた。
「どうかしたのですか?」
私は、さりげなくアリアリードさんが視線を向けている先を横目で見る。
そこには、とても立派な白塗りの弓が落ちていた。
どうやら、狩人兼魔法師な彼女としては、とても気になる一品らしい。
「あ、あそこに! ゆ、弓が!」
「そうですか……、ですが、私達は本道を歩いているわけで横道に反れている暇はないのです」
「あううっ……」
私の言葉に肩を落とすアクアリードさん。
少しだけ意地悪が過ぎたと想い、「武器だけですよ?」と、彼女に告げると、アクアリードさんは走っていき、弓を取ろうとした直前で床が崩れ地下へと落ちていった。
「ちょっ!」
床が崩れた場所へ急いで走っていく。
到着したときには、落下していくアクアリードさんの姿が豆粒みたいに小さくなっていくときで――。
「くっ!」
即、身体強化魔法を発動。
超大な魔力に物を言わせて飛び跳ねる。
そして天井を踏みつける。
強化された筋力で踏みつけられた天井にはひびが入り崩れていく。
「メリッサさん、外で待機していてください!」
私は、それだけ言うと天井を足場に蹴りつけると、崩れた床から見える巨大な空洞へ向かって飛び込む。
米粒のように見えていたアクアリードさんの姿が視界の中で大きくなっていく。
彼女は、落下中に悲鳴を上げていたけど、私の姿が確認できたのだろう。
その瞳は驚きのあまり大きく見開かれていた。
「ユウティーシア様!?」
「黙っていて!」
擦れ違う瞬間、彼女を抱きしめる。
そのときに、グヘッという声が聞こえてきて、体を私に預けてきた。
どうやら、かなりの速度で落下してきたようで、あっという間に床が見えてくる。
このまま、床に激突すれば、私はともかくアクアリードさんが大変なことになってしまう。
迷宮の床に左手を向ける。
そして、頭の中で魔法構成――事象を創造し発動。
「最上級上級風撃魔法サイクロン!」
発動させた魔法が、大気を操り巨大な暴風を起こす。
周囲の壁を粉砕し吹き荒れる暴風が石や砂や砕けた煉瓦を取り込み殺人的な威力を持つ巨大な地下台風を顕現させた。
「あー。これは……」
落下速度が落ちたのはいいけど、落下地点に歩いてきた巨大な黒竜が竜巻に巻き込まれて強靭な鱗が砕けていくのが見えた。
無事に、床に下りたときには30メートル近くはあろうかという黒竜が息絶えていた。
「・・・・・・なんというか……、いろいろと災難だったような……」
私が見ている前で黒竜は光になって消えると、そこには宝箱が置かれていた。
「これは、ゲームでいう報酬? よくは知らないけど……」
アクアリードさんを床に置いて箱を開けると中には、3つの武器が入っており。
1本は、緑色に遜色された美しい色のエルブンボウ。
1本は、赤い刀身を持つ剣。
そして最後の1個は、くすんだ色合いを持つナックルガードであった。
「もしかしたら、これは弓がアクアリードさんで、剣がメリッサさん? でも……最後の、もう一個が、私の? でも、ナックルガードっておかしくない?」
ちょっと黒竜の報酬に納得いかないのだけど!
溜息をつきながら、これからどうしようかと思ったところで周囲の風景が切り替わる。
「――え? あれ? ユウティーシア様?」
「え? メリッサさん? どうして……ここに?」
私に話かけてきたのは、メリッサさんで地面の上で気絶しているのはアクアリードさん。
さらには、それ以外の人間も私達の周りに倒れていた。
「この人ってカーネル・ド・ルグニカ?」
見知った顔があったことで、私は首を傾げる。
どうやら、迷宮をクリアしたことで無理やり迷宮から排出されたようだ。
「ユウティーシア様! カベル海将様がいらっしゃいます!」
一人、考えているとメリッサさんの私を呼ぶ声の後に、朗報とも言えるカベル海将発見の報が聞こえてきた。
「それにしても、本当に魔物がいませんね……」
「「ですよねー」」
メリッサさんとアクアリードさんが床に散らばっている魔石を見ながら溜息交じりに私の言葉に答えてきた。
灰色の煉瓦が積まれて作られた縦横5メートルほどの道を歩くこと20分ほど。
「ユウティーシア様!」
アリアリードさんが、ユウティーシアとか! 残念な子! とか言っていた言葉を翻して様付けで私に語りかけてきた。
「どうかしたのですか?」
私は、さりげなくアリアリードさんが視線を向けている先を横目で見る。
そこには、とても立派な白塗りの弓が落ちていた。
どうやら、狩人兼魔法師な彼女としては、とても気になる一品らしい。
「あ、あそこに! ゆ、弓が!」
「そうですか……、ですが、私達は本道を歩いているわけで横道に反れている暇はないのです」
「あううっ……」
私の言葉に肩を落とすアクアリードさん。
少しだけ意地悪が過ぎたと想い、「武器だけですよ?」と、彼女に告げると、アクアリードさんは走っていき、弓を取ろうとした直前で床が崩れ地下へと落ちていった。
「ちょっ!」
床が崩れた場所へ急いで走っていく。
到着したときには、落下していくアクアリードさんの姿が豆粒みたいに小さくなっていくときで――。
「くっ!」
即、身体強化魔法を発動。
超大な魔力に物を言わせて飛び跳ねる。
そして天井を踏みつける。
強化された筋力で踏みつけられた天井にはひびが入り崩れていく。
「メリッサさん、外で待機していてください!」
私は、それだけ言うと天井を足場に蹴りつけると、崩れた床から見える巨大な空洞へ向かって飛び込む。
米粒のように見えていたアクアリードさんの姿が視界の中で大きくなっていく。
彼女は、落下中に悲鳴を上げていたけど、私の姿が確認できたのだろう。
その瞳は驚きのあまり大きく見開かれていた。
「ユウティーシア様!?」
「黙っていて!」
擦れ違う瞬間、彼女を抱きしめる。
そのときに、グヘッという声が聞こえてきて、体を私に預けてきた。
どうやら、かなりの速度で落下してきたようで、あっという間に床が見えてくる。
このまま、床に激突すれば、私はともかくアクアリードさんが大変なことになってしまう。
迷宮の床に左手を向ける。
そして、頭の中で魔法構成――事象を創造し発動。
「最上級上級風撃魔法サイクロン!」
発動させた魔法が、大気を操り巨大な暴風を起こす。
周囲の壁を粉砕し吹き荒れる暴風が石や砂や砕けた煉瓦を取り込み殺人的な威力を持つ巨大な地下台風を顕現させた。
「あー。これは……」
落下速度が落ちたのはいいけど、落下地点に歩いてきた巨大な黒竜が竜巻に巻き込まれて強靭な鱗が砕けていくのが見えた。
無事に、床に下りたときには30メートル近くはあろうかという黒竜が息絶えていた。
「・・・・・・なんというか……、いろいろと災難だったような……」
私が見ている前で黒竜は光になって消えると、そこには宝箱が置かれていた。
「これは、ゲームでいう報酬? よくは知らないけど……」
アクアリードさんを床に置いて箱を開けると中には、3つの武器が入っており。
1本は、緑色に遜色された美しい色のエルブンボウ。
1本は、赤い刀身を持つ剣。
そして最後の1個は、くすんだ色合いを持つナックルガードであった。
「もしかしたら、これは弓がアクアリードさんで、剣がメリッサさん? でも……最後の、もう一個が、私の? でも、ナックルガードっておかしくない?」
ちょっと黒竜の報酬に納得いかないのだけど!
溜息をつきながら、これからどうしようかと思ったところで周囲の風景が切り替わる。
「――え? あれ? ユウティーシア様?」
「え? メリッサさん? どうして……ここに?」
私に話かけてきたのは、メリッサさんで地面の上で気絶しているのはアクアリードさん。
さらには、それ以外の人間も私達の周りに倒れていた。
「この人ってカーネル・ド・ルグニカ?」
見知った顔があったことで、私は首を傾げる。
どうやら、迷宮をクリアしたことで無理やり迷宮から排出されたようだ。
「ユウティーシア様! カベル海将様がいらっしゃいます!」
一人、考えているとメリッサさんの私を呼ぶ声の後に、朗報とも言えるカベル海将発見の報が聞こえてきた。
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