公爵令嬢は結婚したくない!
総督府崩壊! 人は水蒸気爆発という
衛星都市エルノの総督府、その建物内を現在、私達は物色もとい温泉というかお風呂を探してさまよっていた。
決して金目の物があったら、貰っておこうなどという不純な動機など、まったく! 一切! 全然! 無いと思う。きっと……たぶん――。
「ユウティーシア様、この陶器とか高く売れます!」
アクアリードさんが見せてきたのは白い陶磁器のような物で簡単に言えば西洋風の壷であった。
「……それは、少し大きいというか、私達は窃盗で来たわけではないのです。嵩張るとじゃなくて移動のときに色々と面倒じゃなくてお風呂を探しましょう」
「――はい……」
私の言葉に意気消沈してしまったアクアリードさんは、頷くと部屋から出ていった。
完全にアクアリードさんの気配が消えたのを確認する。
そして、執務室の机を装飾していた金を生活魔法の熱で溶かそうとしたところで「ユウティーシア様?」と声をかけられた。
「――フ、メリッサさん!?」
「――? どうかしましたか?」
「い、いいえ――」
私は、動揺を悟られないように微笑み返す。
「お風呂を見つけることが出来ました」
「――えっ!?」
「……?」
「な、何でもないです……。案内して頂けますか?」
「わかりました」
つい、出来心で金を取ろうとしてしまったけど、未遂だから大丈夫だよね……。
――と、小市民な自分を納得させた後、メリッサさんの後をついていく。
お風呂場というか浴場は、エルノ総督府の地下にあり私は、その大きさに溜息をついた。
お湯も水もないけど、そこは近代浴場施設に似通った設備が存在していたから。
「本当に、どんな世界なんだろう?」
自分の居る世界がファンタジー世界だとは自覚はあった。
何せ、転生や神や魔法や魔物などが存在している不思議ちゃん世界なのだったから。
でも、目の前に存在する中型規模の健康ランドと同規模の浴槽を見ると、その考えも揺らいできてしまう。
「どうかなさいましたか?」
メリッサさんが心配した表情で私に話しかけてくる。
どうかしたというか、どうかしないほうが私的には問題があるんだけど――。
「えっと、メリッサさん。こんな設備はあっちこっちいあるのですか?」
「いいえ、神代文明遺跡後だけです」
「神代文明?」
私は首を傾げる。
そんな歴史を、習ったことがない。
「はい、古代魔法文明の前の時代に栄えていた文明と冒険者ギルドで習いました」
「そうですか……」
「それよりも困りました……」
「どうかしたのですか?」
メリッサさんは困った様子で語りかけてきたので、すぐに私も聞き返した。
ここまで来て何か問題があったら困るから。
何せ、これからお風呂に入るのだ。
「お風呂の水が全部抜かれてます。さすがに井戸から水を汲んできたら時間が――」
「あーなるほど……」
私は、空中に魔法陣を描き水生成の魔法を発動。
巨大な浴槽を水で満たしたあと、ファイアーボールを数発打ち込む。
それと同時に地下が大爆発を起こした。
ガラガラと崩れる建物の残骸の中から私とメリッサさんとアクアリードさんは這い出た。
二人を見ると、洋服がボロボロにはなっているけど怪我は大したことがないみたい。
「……えっと回復魔法をかけますね」
私は細胞増殖の魔法を掛けて2人の傷を治していく、
「ユウティーシア様、左手が!」
「――えっ?」
アクアリードさんに指摘された私は自分の左手に視線を向ける。
すると自分の腕が折れていて、肉を貫き骨が出ている様が見て取れた。
】まったく痛みを感じない。
私は首を傾げながらもアドレナリンの大量分泌で痛みを感じないと結論付けて回復の魔法で左手を直す。
「それにしても……総督府が吹き飛んでますね――」
私は瓦礫の山となった総督府を見て溜息をつく。
これでお風呂に入れなくなってしまった。
「一体、誰が攻撃してきたんでしょうか?」
「カーネルの仕業の可能性もありますよね?」
メリッサさんがすごく怒っている。
きっとお風呂に入れると思って期待していたのに違いない。
私だって、とっても残念。
そしてアクアリードさんに至っては犯人はカーネル・ド・ルグニカで決まってしまっているようで――。
まぁ、疑われるのは日頃の行いが悪いからということで納得しておくことにしようっと。
「とりあえず、市場にいきましょうか」
二人は素直に頷く。
そして大爆発で集まってきた民衆を掻き分けて市場内に存在する大衆浴場で汗など諸々を洗い流した。
そこには、胸が大きいですね! という桃色女子トークなど皆無。
その理由は一週間もの強行軍で旅をしてきた疲れがあったから。
思わず溺死しかけたくらい疲れがたまっていた。
ホテルに到着したのは、深夜になってから。
今日は一日色々なことがあったと思いながら、私は床に就いた。
決して金目の物があったら、貰っておこうなどという不純な動機など、まったく! 一切! 全然! 無いと思う。きっと……たぶん――。
「ユウティーシア様、この陶器とか高く売れます!」
アクアリードさんが見せてきたのは白い陶磁器のような物で簡単に言えば西洋風の壷であった。
「……それは、少し大きいというか、私達は窃盗で来たわけではないのです。嵩張るとじゃなくて移動のときに色々と面倒じゃなくてお風呂を探しましょう」
「――はい……」
私の言葉に意気消沈してしまったアクアリードさんは、頷くと部屋から出ていった。
完全にアクアリードさんの気配が消えたのを確認する。
そして、執務室の机を装飾していた金を生活魔法の熱で溶かそうとしたところで「ユウティーシア様?」と声をかけられた。
「――フ、メリッサさん!?」
「――? どうかしましたか?」
「い、いいえ――」
私は、動揺を悟られないように微笑み返す。
「お風呂を見つけることが出来ました」
「――えっ!?」
「……?」
「な、何でもないです……。案内して頂けますか?」
「わかりました」
つい、出来心で金を取ろうとしてしまったけど、未遂だから大丈夫だよね……。
――と、小市民な自分を納得させた後、メリッサさんの後をついていく。
お風呂場というか浴場は、エルノ総督府の地下にあり私は、その大きさに溜息をついた。
お湯も水もないけど、そこは近代浴場施設に似通った設備が存在していたから。
「本当に、どんな世界なんだろう?」
自分の居る世界がファンタジー世界だとは自覚はあった。
何せ、転生や神や魔法や魔物などが存在している不思議ちゃん世界なのだったから。
でも、目の前に存在する中型規模の健康ランドと同規模の浴槽を見ると、その考えも揺らいできてしまう。
「どうかなさいましたか?」
メリッサさんが心配した表情で私に話しかけてくる。
どうかしたというか、どうかしないほうが私的には問題があるんだけど――。
「えっと、メリッサさん。こんな設備はあっちこっちいあるのですか?」
「いいえ、神代文明遺跡後だけです」
「神代文明?」
私は首を傾げる。
そんな歴史を、習ったことがない。
「はい、古代魔法文明の前の時代に栄えていた文明と冒険者ギルドで習いました」
「そうですか……」
「それよりも困りました……」
「どうかしたのですか?」
メリッサさんは困った様子で語りかけてきたので、すぐに私も聞き返した。
ここまで来て何か問題があったら困るから。
何せ、これからお風呂に入るのだ。
「お風呂の水が全部抜かれてます。さすがに井戸から水を汲んできたら時間が――」
「あーなるほど……」
私は、空中に魔法陣を描き水生成の魔法を発動。
巨大な浴槽を水で満たしたあと、ファイアーボールを数発打ち込む。
それと同時に地下が大爆発を起こした。
ガラガラと崩れる建物の残骸の中から私とメリッサさんとアクアリードさんは這い出た。
二人を見ると、洋服がボロボロにはなっているけど怪我は大したことがないみたい。
「……えっと回復魔法をかけますね」
私は細胞増殖の魔法を掛けて2人の傷を治していく、
「ユウティーシア様、左手が!」
「――えっ?」
アクアリードさんに指摘された私は自分の左手に視線を向ける。
すると自分の腕が折れていて、肉を貫き骨が出ている様が見て取れた。
】まったく痛みを感じない。
私は首を傾げながらもアドレナリンの大量分泌で痛みを感じないと結論付けて回復の魔法で左手を直す。
「それにしても……総督府が吹き飛んでますね――」
私は瓦礫の山となった総督府を見て溜息をつく。
これでお風呂に入れなくなってしまった。
「一体、誰が攻撃してきたんでしょうか?」
「カーネルの仕業の可能性もありますよね?」
メリッサさんがすごく怒っている。
きっとお風呂に入れると思って期待していたのに違いない。
私だって、とっても残念。
そしてアクアリードさんに至っては犯人はカーネル・ド・ルグニカで決まってしまっているようで――。
まぁ、疑われるのは日頃の行いが悪いからということで納得しておくことにしようっと。
「とりあえず、市場にいきましょうか」
二人は素直に頷く。
そして大爆発で集まってきた民衆を掻き分けて市場内に存在する大衆浴場で汗など諸々を洗い流した。
そこには、胸が大きいですね! という桃色女子トークなど皆無。
その理由は一週間もの強行軍で旅をしてきた疲れがあったから。
思わず溺死しかけたくらい疲れがたまっていた。
ホテルに到着したのは、深夜になってから。
今日は一日色々なことがあったと思いながら、私は床に就いた。
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コメント
ノベルバユーザー282941
笑