公爵令嬢は結婚したくない!

なつめ猫

商工会議を設立しましょう!(9)

 鼻孔を、くずぐる良い匂いが部屋内に充満してくると、子供たちはレイルさんや兵士さん達が持ってきた大きめの鍋を見ている。

 私はホッと一息つく。

 そして兵士さんたちが隣の部屋に運び込んできたテーブルを見て驚く。
 テーブルは、リサちゃんのお姉さんであるリエナさん病で臥せったあと、リエナさんの病がうつった子供たちの寝る場所も確保するために一度、建物の外に出したとリサちゃんに聞いた。

 そのテーブルの形が、私が見たときよりも少し変わっている。

 厳密に言えば、テーブルの4隅の脚の部分が短く切られていた。

「あの……こ、これって?」

 私は、子供たちの反応と見たあと、レイルさんの方へ顔を向ける。

「――んっ? ……ああ、テーブルのことか?」
「はい、テーブルの隅を支える脚を切られたのですか?」
「ああ。椅子が無いからな、立ったまま食事をさせるよりはいいだろう?」
「……え、えっと……」

 私は良いとも悪いとも言えない。
 たしかに、効率を重視するならテーブルの脚を切って座って食事が出来るようにした方がいいと思う。
 でも、あのテーブルはリサちゃんのお姉さんであるリエナさんが子供たちと一緒に購入しに行った物と聞いた。
 それは、リエナさんと子供たちの思い出の物なのに……子供たちの許可を取らずに勝手に、脚を切ってしまうのは……ダメだと思う。

 私はチラッと、子供達の反応を見る。
 子供たちはテーブルは料理を見ていてテーブルを殆ど見てない!?
 私は、少し神経質すぎたのかな?
 私は小さくため息をつく。
 そして、兵士さんたちは、私は見てる前でテーブルをリビングと私が決めた部屋内に入れると部屋の中央に置いたあとに、レイルさんの指示で料理が置かれていく。
 料理の内容は薄いスープらしき物と、私が市場で購入してきたパンに野菜を挟んだ物。
 あとは、湯気が上がっていることから全員分のコップには白湯が注がれているのが分かる。
 私はテーブルに手を這わせる。
 ブラウニーさんが掃除した時は、よく分からない妖精ぽい力で掃除をすることからキレイに磨かれているんだけど、テーブルまでは手が回っていないのか、綺麗に拭かれてはいるけど、テーブルの清掃をしたのは兵士の方というのが分かる。

「さあ! みんな、テーブルの前に座って、お食事にしましょう」

 私は、子供たちに語りかけたあと、レイルさんを見る。
 レイルさんは、自分自身を指さして俺もいいのか? と言う眼で見てくる。
 そんな彼の様子に私は少しだけ微笑む。

「ご飯は、みんなで食べた方がおいしいですから」

 そして――食事が始まり私は、初めての危機に直面していた。
 それは、6歳になったばかりのウィル君がスープの中に手を入れようとしたから。
 私は、心臓が止まるような場面を見て、【身体強化】の魔法を発動させて子供に近寄ると抱き寄せる。
 抱き寄せられた子供と、他の子供たちに兵士の方々とレイルさんには、私が瞬間移動したように見えたのか、口を開けて呆けて私を見ている。
 でも、私には……そんな事は今はどうでもいい。

 私はウィル君を抱きしめたまま「スープは熱いから火傷をするから素手では触ったらいけませんよ」と、教える。

 でも……理解してくれない。
 仕方なく、私は自分の膝の上にウィル君を座らせると食べ方のマナーを教えることにした。
 そのあとは、阿鼻叫喚であった。
 子供たちは、私に次から次へと甘えてくるから……。
 きっと、エリナさんが亡くなられて、愛情が不足していると思う。

 

 ――1時間後。

 食事が終わったあとにすることと言えば、子供たちの体を拭く事! 
 せっかくレイルさんたちが新しい服とベット一式を持ってきてくれたのですから、きちんとしないといけないです、
 お湯を沸かしてタオルをお湯で浸したあとに絞る。

 そして子供たち全員の体を拭き終えた時には、子供たちは皆ベッドの上で寝ていた。

 私は、子供たちの寝顔を見た後、建物から出ていくレイルさんたちの姿を偶然見ていまう。
 レイルさんや兵士さんが建物から出た後に、私はすぐに兵士さんやレイルさんを追う。
 すると建物を出た所のところでレイルさんは私を見てくる。

「またな!」

 それだけレイルさんは言うと、兵士の方々を連れて路地へと姿を消した。


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