公爵令嬢は結婚したくない!
とうとう結婚相手がいなくなりました!
妹のアリシアと喧嘩別れしてから一週間が経過していた。
私は、ひさしぶりに貴族学院に馬車で向かい校舎に入ると多くの学生から注目された。
卒業式まであと2カ月を切っているこの時期に問題ばかり起こしている私は、貴族学院ではもっとも注目されている一人だと思う。
しかも、王宮魔法師筆頭であり貴族学院の理事長でもあるから――。
「ユウティーシア様! 大丈夫でしたか?」
気分が落ち込んでいる私に声をかけてきたのは、メーナさんとクルミさんだった。
二人とも平民の出で、成績優秀者ということもあり5年前に入学された私の学友であり今では学生寮を取り仕切る寮長でもある。
「はい、もう大丈夫です。それよりも御二人とも何か困った事とかは有りませんでしたか?」
私は二人の様子を見ながらも、その雰囲気に何も変わり無い事から問題はないと思った。
何か問題があれは私を見たらすぐに言ってくれるだろうし。
「はい! 学園長様も妖精が住んでいる女子寮は気にかけてくださっているようで――」
「そうですか……それは良かったです」
私は両手を合わせながら微笑み返す。
もし学園長が問題を起こしていたら、御話をしないといけない所でした。
そう、私には守るべきモノがあるのだから、戦わないといけないんですよ。
それが貴族相手でも。
私のメンタルは、ルアちゃんの癒しにより回復していた。
アニマルセラピー効果はすごかった。
やっぱり動物効果はすごいものですね。
それでも――妹のアリシアとは中々仲直り出来ない事もあり少し落ち込んでいたりもする。
「そういえば残り2カ月で卒業ですけど、御二人とも進路は決まっているのですか?」
そういえば半年前には進路を決めないといけない時期があったと私は思い出し学友に聞く。
「はい! メーナは実家に戻ってチーズ工房を立ちあげると――」
「おお……」
私は思わず驚いてしまう。
この世界でチーズ工房を立ちあげても製品化そして販売ルート開拓はとても大変なのにそれをするなんてメーナさんはすごい。
「ちなみに私は、王城官僚に合格しました」
「えええー……」
クルミさんは、あんなに勉強が苦手だったのに官僚の試験に合格するなんてすごい。
きっと必死に努力したんでしょう。
「お、おめでとうございます」
私は驚いてしまい上手く気持ちを込められなかった。
そんな私をほほ笑みながら見ているクルミさんは。
「ユウティーシア様も驚くことがあるんですね」
ほほ笑みながら私に言葉を返してきた。
そして二人とも私を見た後に――。
「ユウティーシア様は、やはり将来は王妃ですか? 外交を担当されたり?」
――と、二人して私に質問してきた。
でも私にはその言葉に答える答えは持ち合わせてはいない。
何故なら――。
第1王位継承権を持っていたクラウス様は廃嫡。
第2王位継承権を持っていたエイル様はご病気で亡くなられたと言う事にされ毒を煽り死去。
第3王位継承権をもつマゼルダ王子は、まだ8歳のお子様。
よって私が結婚する男性はいないのだ。
そして問題ばかり起こしている私の事をどこの貴族家も嫌煙しており、はっきり言って嫁の貰い手がない。
まぁ私としては、そっちの方がよかったんだけどね。
それでも、女としての価値がないと安易に言われてしまうとやっぱり凹んでしまう訳で……。
乙女心というのは複雑怪奇だったりする。
「見聞の旅と言う事で、近々にでも海洋国家ルグニカに行く予定になっているんです」
「すごいです!」
「たしか、今年は王位簒奪レースがあるんですよね?」
クルミさんとメーナさんは興奮して私の話に乗ってきてくれるけど、はっきり言ってほとぼりが冷めるまでの体のいい厄介払いの側面が非常に強い。
それでも、一方的に喧嘩を売られて喧嘩中のアリシアと距離を取れるならその方がいい。
それに明日からは、実地訓練があるし……。
「そうですね、ですけど私は明日からも忙しいので」
「そうだったんですか」
「がんばってください!」
メーナさんとクルミさんは私にエールを送りながら離れていく。
私は廊下を歩いて行く二人の後ろ姿を見ながら溜息をついた。
最近の私は嘘ばかりついている。
本当にこんな事でいいのだろうか?
なんだが、自分がとてもいやしい人種に思えてしまう。
二人と別れた私は、明日からの実地訓練を考えながら、学園長室で学園長と明日から行われる実技訓練について話し合いを行い一日が過ぎ去っていった。
私は、ひさしぶりに貴族学院に馬車で向かい校舎に入ると多くの学生から注目された。
卒業式まであと2カ月を切っているこの時期に問題ばかり起こしている私は、貴族学院ではもっとも注目されている一人だと思う。
しかも、王宮魔法師筆頭であり貴族学院の理事長でもあるから――。
「ユウティーシア様! 大丈夫でしたか?」
気分が落ち込んでいる私に声をかけてきたのは、メーナさんとクルミさんだった。
二人とも平民の出で、成績優秀者ということもあり5年前に入学された私の学友であり今では学生寮を取り仕切る寮長でもある。
「はい、もう大丈夫です。それよりも御二人とも何か困った事とかは有りませんでしたか?」
私は二人の様子を見ながらも、その雰囲気に何も変わり無い事から問題はないと思った。
何か問題があれは私を見たらすぐに言ってくれるだろうし。
「はい! 学園長様も妖精が住んでいる女子寮は気にかけてくださっているようで――」
「そうですか……それは良かったです」
私は両手を合わせながら微笑み返す。
もし学園長が問題を起こしていたら、御話をしないといけない所でした。
そう、私には守るべきモノがあるのだから、戦わないといけないんですよ。
それが貴族相手でも。
私のメンタルは、ルアちゃんの癒しにより回復していた。
アニマルセラピー効果はすごかった。
やっぱり動物効果はすごいものですね。
それでも――妹のアリシアとは中々仲直り出来ない事もあり少し落ち込んでいたりもする。
「そういえば残り2カ月で卒業ですけど、御二人とも進路は決まっているのですか?」
そういえば半年前には進路を決めないといけない時期があったと私は思い出し学友に聞く。
「はい! メーナは実家に戻ってチーズ工房を立ちあげると――」
「おお……」
私は思わず驚いてしまう。
この世界でチーズ工房を立ちあげても製品化そして販売ルート開拓はとても大変なのにそれをするなんてメーナさんはすごい。
「ちなみに私は、王城官僚に合格しました」
「えええー……」
クルミさんは、あんなに勉強が苦手だったのに官僚の試験に合格するなんてすごい。
きっと必死に努力したんでしょう。
「お、おめでとうございます」
私は驚いてしまい上手く気持ちを込められなかった。
そんな私をほほ笑みながら見ているクルミさんは。
「ユウティーシア様も驚くことがあるんですね」
ほほ笑みながら私に言葉を返してきた。
そして二人とも私を見た後に――。
「ユウティーシア様は、やはり将来は王妃ですか? 外交を担当されたり?」
――と、二人して私に質問してきた。
でも私にはその言葉に答える答えは持ち合わせてはいない。
何故なら――。
第1王位継承権を持っていたクラウス様は廃嫡。
第2王位継承権を持っていたエイル様はご病気で亡くなられたと言う事にされ毒を煽り死去。
第3王位継承権をもつマゼルダ王子は、まだ8歳のお子様。
よって私が結婚する男性はいないのだ。
そして問題ばかり起こしている私の事をどこの貴族家も嫌煙しており、はっきり言って嫁の貰い手がない。
まぁ私としては、そっちの方がよかったんだけどね。
それでも、女としての価値がないと安易に言われてしまうとやっぱり凹んでしまう訳で……。
乙女心というのは複雑怪奇だったりする。
「見聞の旅と言う事で、近々にでも海洋国家ルグニカに行く予定になっているんです」
「すごいです!」
「たしか、今年は王位簒奪レースがあるんですよね?」
クルミさんとメーナさんは興奮して私の話に乗ってきてくれるけど、はっきり言ってほとぼりが冷めるまでの体のいい厄介払いの側面が非常に強い。
それでも、一方的に喧嘩を売られて喧嘩中のアリシアと距離を取れるならその方がいい。
それに明日からは、実地訓練があるし……。
「そうですね、ですけど私は明日からも忙しいので」
「そうだったんですか」
「がんばってください!」
メーナさんとクルミさんは私にエールを送りながら離れていく。
私は廊下を歩いて行く二人の後ろ姿を見ながら溜息をついた。
最近の私は嘘ばかりついている。
本当にこんな事でいいのだろうか?
なんだが、自分がとてもいやしい人種に思えてしまう。
二人と別れた私は、明日からの実地訓練を考えながら、学園長室で学園長と明日から行われる実技訓練について話し合いを行い一日が過ぎ去っていった。
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