公爵令嬢は結婚したくない!

なつめ猫

学園長室に呼び出されました。

 教室に入ると、全員の視線が私に向けられてきた。
 私は溜息をつきながら席に座る――

「ユウティーシアさん! あなた、アンネローゼさんに何をされたの?」
 ――と。話しかけられた。
 声をかけた本人を見ると、アンネローゼの取り巻きの少女だったような記憶があるような。

「私に言われても分かりませんわ」
 そう、聞かれても何が何だが分からない。
 だいたい学生が通う場所に王都警備隊ではなく、王宮騎士団が来る時点でおかしい。
 王都警備隊は、王族問題以外を対応する場合の組織であり、王族関係者の場合の時だけ王宮騎士団が動く。

 つまり……アンネローゼが王宮騎士団に連れて行かれた時点で、問題はかなりの大事になっていることになる。
 これは、かなりメンドクサイことになってきそう。

「うそよ! 皆知っているのよ? リースノット王家と3大公爵家は高純度の魔宝石で爆大な利益を得ているって!
アンネローゼさんの家は魔力石の取引をしていたから邪魔になったのね?」
 魔力石の取引?
 今、リースノット王国内で販売されている魔力石の99%は、私が作りだした白色魔宝石が原料となっていろいろと加工されている。
 邪魔になるもなにも、その1%ごときで本気になる訳が無いのに……。

「そう言われても……」
 本当に困ってしまう。
 しかもクラスの人達は、私とアンネローゼの取り巻きの話を興味深く聞いているだけで何か干渉しようなどと考えてはいないみたいだし。

「メイヤー家と言えば分かりますか?」
 メイヤー家……どこかで聞いたような名前ですね。
 たしか……って!?

「え? アンネローゼさんは、メイヤー家の令嬢だったんですか?」
 私は驚いてしまう。
 ここ数年の間に、私とウラヌス卿が作った魔力石を購入する会社と契約する貴族家や商人は多かったけど、一番数を納めてきているのはメイヤー家だった。
 そのメイヤー家が何か問題を起こしたとなれば、魔力石の供給率が下がってしまう。
 5年分くらいは在庫あるけど……。
 それでも、海洋国家ルグニカにある迷宮から独自のルートを使い魔力石を、供給してくれていたのは、かなり助かっている。
 その貴族家が問題を起こしたとなると、経済に与える影響は大きい。

「白々しいですわ!」
 私は、ヒートアップしている彼女を放置したまま、考える。
 そうすると新しく魔力石の供給ルートを確保する必要が今後でてくる。
 一度、ウラヌス卿と話しあって今後の相談をする可能性があるかもしれない。

「さてと……」
 私は席から立ち上がる。
 どうせ、王宮騎士団が授業中に来たと言う事は、今日は授業をする可能性は限りなく低いでしょう。
 きっと自習か帰宅になる可能性が高いと思う。

「お前ら、席につけ! 今日はゴタゴタしているが授業を始めるぞ!」
 担任のタフネス先生が教室に入ってくるなり大声で話してきた。
 どうやら、授業はするみたいですね。
 でも丁度、良かったです。
 アンネローゼの取り巻きが席についたのですから。

 その後は、よく分かる今の魔法を中心に勉強をした。
 もう今更という感じでしたけど、周りの同学年の方々がどのくらい魔法を使えるのか分っただけでも収穫でしたね。

 貴族は基本、全員が魔法を使えると思っていましたが、生活魔法すら使えないのは、かなり以外でした。
 全ての授業が終わり、教壇からタフネス先生が下りると――。

「ユウティーシア、あとで学園長室まで来るように」
 ――私に話しかけてきた。

「わかりましたわ」
 私は先生の言葉に即答する。
 どちらにしても、私も学園長に用事があったから。

 すぐにカバンに教材などを詰めて両手で持つと席から立ち上がる。
 すると取り巻きが近づいてくる。

「ユウティーシアさん、いいかしら?」
 私は正直、うんざりしてきていた。

「よくありません。そもそも貴女はどこの誰ですか? 私は貴女を知らないのですが?」
 彼女は私の言葉を聞いて、顔を真っ赤に染め上げていく。

「私は、バルモンド騎士爵エンネですわ!」
 聞いたことないですね。

「そうですか。それではエンネさん、私は学園長に呼ばれているため、貴女と会談している時間はありませんので失礼いたしますね」
 エンネが一瞬呆けたあと、文句を言ってくるけどそれを無視し教室から出て廊下を歩き、階段を昇る。

 学園長室の扉を数回ノックすると。

「入室したまえ」
 どこか聞き覚えのある声が聞こえてくる。
 私は、疑問に思いながらも学園長室に入ると、そこにはクラウス様と、グルガード国王陛下が居られた。


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