公爵令嬢は結婚したくない!

なつめ猫

真夜中の女子寮襲撃

「うーん」
 私は皆さんから貰ったアンケートを見ながら首を捻る。
 アンケート内容は。私が思っていたのと違う。

 どうやら、勉強できるだけでいいと言う方が多いみたいだけど……。
 そうすると私がやろうとしているのは無駄な波風を立てる行為になってしまう。

 もう一枚のアンケートに目を通していく。
 そこに書いてあるのは、食事と住む場所についての内容。
 貴族学院の食堂を平民の方は利用が出来ないらしい。
 あとは、話しに聞いていた女子寮に入寮できないのが話しが違う点みたい。

 そうすると、まず改善するのは女子寮に入れるように貴族学院側にお願いするしかないですね。
 あとは食堂問題ですか……。
 これは、貴族の方は基本プライド高いですからね。
 そうすると食堂を作った方が早そう。

「どうしましょうか……」
 私はベッドの上で横になる。
 それに合わせて私の髪の毛がベッドの上で広がる。
 するとブラウニーさんが飛んできて頭の上に乗っかってくる。

「どうかしたんですか?」
 尋ねると。

「外に不審な人が数人きているの」
 私はその言葉を聞いてベッドから立ち上がる。

「だから、ここに住んでいる人一人一人に、私達がついているの」
 なるほど……。
 でもですね……。
 ずっと人間を見てきた私だからこそ言いますけど。
 そういう手合いはきちんと対処しないとダメなのですよ?
 ですから……。
「迎撃をしましょう。スプリガンの皆さんはどちらにいらっしゃるのですか?」
 私の言葉にブラウニーさんは――

「いまホールに集まっているの」
 ――と。答えてくる。 
 ふむふむ。
 なるほど……それは、いささかかあれですね。

「女子寮に現在、住んでいる方につけてあるブラウニーさんはそのままで。残りの方は、外から女子寮に入れないように建物の強度を高めるように伝えておいてください」
 私は部屋着から、色彩が黒色のワイシャツとズボンを履き上から黒いローブを羽織る。
 そして音声を変える飴を用意する。

 女子寮のホールに辿り着くと、他のブラウニーさん達も建物の強度維持の魔法を使うために女子寮内に散っていく。

「これは、戦闘する気ありありってか?」
 ケルピーさんが私に聞いてくる

「はい、相手の出方次第ですけど……」
 ケルピーさんの問いかけに答えながら、スプリガンさん達とケルピーを見ながら言葉を続ける。

「相手の数は未知数です。そのため、今回は私が一人で相手しようと思います。皆さんには女子寮に被害が出ないように、たち回って頂く事になります。それでは作戦は以上です」
 玄関を出ようとした所で、スプリガンさんが目の前に立ちふさがった。

「待ってください、スプリガンは遺跡などを守る最強の傭兵です。守る対象を闘わせるなど、我々にとって侮辱でしかありません!」
 彼女の言い分には1割は正当性がある。
 けど、相手は何のために来たのか分からない手合いなのだ。
 なら話しをする必要がある。
 それに、もし私に何かがあったとしても、これだけの妖精がいるなら防衛は可能だと思う。
「ケルピーさんには、これをお渡ししておきます」
 私は懐から手紙を取り出すと彼に手渡す。

「仮に私が1時間経っても戻らなかったらシュトロハイム公爵家とウラヌス公爵絵へその手紙を届けてください。届けてくだされば分かるように書いてあります」
 そして、私はスプリガンさん達を見る。

「貴方達の仕事は、女子寮にいる方々の護衛と建物に侵入してくる方の排除をメインに行ってください」
 スプリガンさん達が、私を見上げてくる。

「それは、我らが主としての命令か?」
 否定の意味合いを込めて私は頭を振る。
 そんな大層な事ではない。
 ただ、私の本気の生活魔法を利用した戦闘魔法は、シャレにならないのだ。
 相手と話し合いで済めばいい。
 でもそれが不可能な場合、私と相手との戦闘に巻き込んでしまう可能性がある。

「命令ではありません。切実なお願いです」
 そこで初めてスプリガンさんは驚きの表情を見せた後に語りかけてきた。

「わかりました。女子寮は必ず守りぬきましょう」
 私の意思が固い事が伝わったのか、スプリガンさんが折れてくれた。
 ホッと胸をなでおろしていると。

「自分、死に急ぐような真似をするのも大概にしておくんやな」
 ケットシ―は、それだけ言うと台所の方へ入っていってしまった。
 ケットシ―が何を言っているのか分かる。

 でも私は、前世の頃から踏まえるともう十分生きた。
 だから余生として静かに生きる分には問題はない。
 でも、それ以外なら……あまり自分の命に関しては興味はない。

 それに妹がいるから、私が居なくなっても問題ないと思うし、両親としてもその方がいいと思う。
 それに私と違って、妹は上級魔法師としての力も持っているのですから。
 王家は妹を王妃にした方がいいでしょう。

 ……ほら、何の憂いもないじゃないですか。

 たとえ、私の身に何か起きても、ケルピーさんに渡した手紙があります。

 そこには、5歳のころからウラヌス卿と契約した数々の利権から手に入るお金をシュトロハイム家当主に譲渡する事が書かれている。

 私は、フードを深く被ってから声色を異性に変化させる飴を飲み込む。
 そして女子寮の両開きの扉を開けてから外に出るとすぐに扉を閉めた。

 玄関から出て、数歩歩いたところで20人の黒服を着た男達が私の目の前に現れた。
 私は彼らを見て――。 




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