公爵令嬢は結婚したくない!

なつめ猫

研究所から追い出されました。

 研究所を半壊させた事件から半日が経過した。
 今、私はお母様に抱かれてシュトロハイム公爵邸に戻っている途中である。

「……お母様、一人で座れますので離してください」

「ダメよ。また、魔法が暴発したらどうするの?」

「それでは魔法は使いませんから、一人で大丈夫ですから……」
 私は「あっ……!」と呟いているお母様の言葉を無視して腕の中からすり抜けるとお母様から離れて馬車内の窓際に座った。
 自分達の都合のいい時だけ、やさしくするとか私はペットじゃないんだよ。
 と言う言葉は胸の内に仕舞い込んだ・
 こういうときに盗賊とかが襲って来てくれれば魔法の練習になるかも知れないのに……。
 盗賊も気が利かないな……。

 そして道のりは至って平和なもので、何のイベントも起きずにシュトロハイム公爵邸に到着してしまった。
 屋敷に入り自分の部屋のドアを開ける。
 すると壁紙が一新されていた。
 部屋内の壁は。淡い青色に塗られている。

「ティアがピンク色だと落ち着かないってアプリコット女史が言っていたから、頼んで手直ししてもらったのよ? 気にいったかしら?」
 私は壁の色を見ながら、また無駄な事にお金をーと思ったが、お金が持っている者が消費をすることで経済は活性化する。
 その事を思い出し、思った事を喉元でとどめた。
 部屋の中に入ると、アンティークな机の上に黒い石が積んであったので手を翳し数十個ある黒い石を全て白色魔宝石に変換した。

「ティア!」
 お母様が私の体を引き寄せて体中をさわっていく。

「どこか痛いところは無い? いきなり大量の魔力を使う事は寿命を縮めると教えたでしょう?」
 そんな事を言われてもな……。
 私の魔力は外部の魔力をそのまま魔力として転用しているから、体内の魔力をまったく消費しないんだよな。

「大丈夫です。お気になさらず」
 あまり情を移すのは、現段階では最善策とは言えない。
 いずれ、私はこの国を捨てるのだから……それまでは貢献はするが骨を埋めようとは考えていない。
 それに他者に自分の運命を握られるよりは、自分で自分の運命を切り開いていきたいし。

「……分かったわ」
 それだけお母様は、私に告げると部屋から出て行った。
 そしてお母様と入れ替わりに入ってきたメイドの人たちに真っ裸にされてお風呂に入れさせられ自分の部屋で軽く食事をとった後、私は睡眠をとった。

 翌日、お父様が眉間に皺を寄せながら私が作った白色魔宝石を全てもっていった。

 そしていつもの日課が始まった。
 アプリコット先生との稽古の合間に白色魔宝石を作っていると――。


「ユウティーシア様、少しはレディらしくなってきましたね」
 ――とアプリコット先生が私を褒めてくれたが、別段うれしくもなんともない。
 ニコリと微笑み返すだけだ。
 そんな日々が積み重なっていき、6歳になったある日の事――。

「ティア。王城に出かけるからすぐに支度しなさい」 
 私はお父様に言われて、すぐに用意する事となった。
 部屋に入りメイドさんに子供用のドレスを着せてもらってから、背中まで伸ばしてる髪の毛を綺麗にまとめ上げてもらい用意を終わらせる。
 玄関から出ると、以前乗っていた馬車ではなかった。
 至る所に細工が施されており立派な飾りまでつけてある。

 すでにお父様は馬車に乗り込んでおり、執事の方に手伝ってもらい私も馬車に乗り込む。
 すると、軽快な音を立てながら馬車はシュトロハイム公爵邸から遠ざかっていく。
 手持ち無沙汰もあり――。

「お父様、王城はどういう所でしょう?」
 ――と私からお父様へ語りかける。

「ティア、お前は余計な事は考えなくていい」
 するとそっけない答えが帰ってきた。



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コメント

  • 伊予二名

    ティアさんの頭が悪すぎてもうどうすればいいのか…w

    0
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