努力という名の才能を手に異世界を生き抜く〜異世界チート?そんなのは必要ない!〜

かひろ先生(ケダモノ)

奇襲 3

「おい見ろよ林。SUNのやつもう魔力切れて倒れてるぜ。情けなえな」

「SEA。SUNはしっかり自分の役割を果たして倒れたんだ。馬鹿にするならまずは自分の相手を倒してから馬鹿にしろ」

「はいはい」

SEAは腕を頭の上で組む。

「あのやろう目の前に敵がいるのに全く攻めてこないぞ」

「馬鹿にしてんだよ!」

「ふざけやがって!」

「今のうちにこいつらを倒して他の手助けに入るぞ!」

「「「おう!」」」

4人は駆け出しSEAと林を囲うように散開する。
林はため息をつきSEAを見る。

「はあ…どうすんだ?お前がサボってるから囲まれたぞ」

「こんくらいの敵なんかお前と俺のコンビネーションがあれば倒せんだろ」

「まあな」

「何をほざいてやがる!これでも喰らいやがれ!岩よ!敵を砕け!ロックインパクト!」

黒装束の男の1人がそう唱えると他の三人も同じ詠唱を行い4つの岩石が凄まじい勢いで飛んでくる。
SEAと林はそれを冷静に見る。

「ふん…腐よ 我が盾となれ ツリーガード」

林の魔法が発動すると枯れ木が大量に発生し岩は枯れ木にぶつかり続け2人に届く前に地面へ落ちる。

「やはり腐ってしまうか…まあいい。やれSEA」

「はいよ。腐よ 敵を飲み込め ポイズンスワンプ」

SEAの魔法が発動し黒装束4人の地面が沼へと変わる。

「な!これは」

「こ、これなんなんだよ!」

「毒沼だよ」

SEAは焦る男達に冷静に答える。

「その沼から早くでないといずれ毒に汚染されて死ぬぜ?」

「な、お、おい!誰が風魔法を使えないのか!ここ一帯を吹き飛ばしてくれ!」

「ここにいるやつ全員土魔法しか使えねえよ!」

「ど、どうすんだよ!」

「と、とにかくここから這い上がってでも出るぞ!」

男達は沼から這い上がろうと必死に体を動かす。

「やらせると思うか?腐よ 敵を縛りつけろ リーフバインド」

林の魔法が発動すると手のひらから無数の枯れた蔓が飛び出て男達に巻きつく。
男達は身動きが取れなくなり沼から出ることもできなくなってしまう。

「そしてこれで終わりだな。腐よ 大地を焼き溶かせ ポイズンレイン」

SEAの魔法が唱え終わると男達の頭上に紫色の雲ができ紫色の雨が降り注ぐ。

「な、なんだ…グア!まさかこれも毒か!」

「も、もうむ…り…」

「お、俺も」

「……」

「お、おい!しっかりしろ!正気を保て!おい!」

男達は1人また1人と沼の中へ沈んで行く。
最終的には誰1人として浮かび上がることはなかった。

「SEAもういいぞ…SEA?」

林は返事が返ってこないことに不思議に思いSEAの顔を覗く。
SEAは後ろ向きに倒れる。

「…はあこいつも魔力切れたのかよ。SUNのこと馬鹿にしといて結局自分もかよ…まあ俺ももう限界だけどな。やっぱ一回入れてもらっただけだと魔法二回が限界だな…あ、LOVEある意味やばいかもしれないな。一応確認してこようか」

林はゆっくり歩き出しLOVEが交戦している場所へ歩いて向かった。



……



「こ、こいつなんでこんな攻撃効かないんだよ!」

「なんだよこの体は!どんだけ固えんだよ!」

黒装束の2人の男は何度も何度も魔法を叩きつける。
しかし腐食は何事もないかのように男達へと一歩また一歩近づいて行く。

「俺食い物欲しいだけ…攻撃しないで」

「な、なんなんだよ!この化け物が!」

男が叫ぶと腐食の足が止まる。

「ば…化け物?…化け物ってなんだよ!」

腐食は走り出す。

「ひい!く、くるなぁ!」

「なんでこいつには魔法が効かないんだよ!」

腐食は男達の目の前に来ると片手で男の首を掴み2人を持ち上げる。

「グエ…」

「が、苦しい」

「効かないんじゃない…俺の体は生前から人一倍回復力が高かったんだ…それが死体になってからも変わらず高くて魔力があればいくらやられても再生するようになったんだ…って聞いてないのか」

男達は白目を剥きピクピクと痙攣している。

「何も食べ物持ってない…か…」

その場に座り込むと長いため息をつく。

「はぁーー腹減った…でもこの体じゃあ何食っても腹が満たされないんだよな…死体だから欲があっても体が機能しないのかな?」

腐食は待ってる間何しようかなと考えながら寝転んだ。



……



「ハアハア…あなた達いいわね」

LOVEは息を荒くしながら男達は近づく。

「う…な、なんだこいつ」

「おいこんな気持ち悪いやつさっさと殺って任務を遂行するぞ」

「わ、わかりました」

LOVEの目がキランと光る。

「あら?今の会話からしてあなた達先輩と後輩かしら…ウフフそそる…そそるわぁ!」

LOVEは自分の体を抱きしめうねうねさせる。

「気持ち悪!」

「行くぞ!」

「あ!は、はい!」

男2人は同時に短刀を持ちLOVEへと振りかざす。
LOVEはそれをジャンプして軽々と避け2人の頭の上に手を添える。

「ウフフ魔力を注いでア・ゲ・ル」

「グア!?な、なんだこの気持ち悪い感覚は」

「ううう…頭がクラクラしてきた」

LOVEが着地すると同時に2人は倒れる。
しばらくすると1人がふらりと立ち上がりもう1人の男へと手を貸そうとする。

「…大丈夫か?」

「は、はいなんとか…」

倒れていた男は自分の力で立ち上がろうとするがふらついてしまい手を出していた男に寄りかかってしまう。

「あ…す、すいません先輩」

「大丈夫さボルグ」

先輩と呼ばれた男はボルグの顎を持ち上げる。

「あ…せ、先輩…何を」

「ボルグ…愛してるよ」

先輩はボケがへと深い口づけをする。

「!?。せ、先輩…いきなりそんなこと言わないでください…は、恥ずかしいです」

「恥ずかしがることなんかないさ…お前の全てを俺に見してくれ」

先輩はボルグを抱きしめる。

「…ゲイ…先輩」

「俺はゲイでお前はボルグ…俺たちの槍が合わされば最強さ」

「はい…先輩」

「いい!!!さいっこうのシュチュエーション!!!ああ!この場面を見ているのに濡れないかの体が恨めしい!」

LOVEは1人のこの光景を見ながらうねうねする。
そんなLOVEの頭に拳骨がかまされる。

「いた!…あら?何かしら林」

「はぁ…こんなことだろうと思ってたよ。相変わらず男にとっては恐ろしい力だな…本当に同じ属性なのか?俺にはあんなことできないぞ」

「ウフフ素晴らしい力よ!本当にマスターには感謝してるわ。私の魔力は注がれると同時に変異して腐は腐でも違う腐に変異するらしいわ。よくわからないけど」

「ボルグ…」

「ゲイ先輩」

「…なあそろそろあれ戻してくれないか?見てるだけで吐きそうなんだが…死体だから吐けないけど」

「やだわよ。もう少し堪能するわ。そんなに見たくないならアドラさんのとこに行けばいいんじゃない?きっともう終わってるでしょうけど」

「いや。こっちに報告してくるまで待ってるよ。まあとっくに終わってるだろうけどな」

「そうよね。だってアドラさんはとてつもなく強いもの」

2人は互いに頷きあいまだかなとゲイとボルグを見守りながら待つことにした。

「ボルグ…」

「ゲイ…先輩…アーーー 」

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