れいぶる~自宅警備隊~

望月まーゆノベルバ引退

響 海斗


俺が、働かないのは病気のせいだ。
いつも体調が悪い。
体が重いし頭も痛い。

だから、働けないのは仕方ないことだ。

今、週に一度精神科の病院に通院している。
診断結果は、社交不安障害だと診断された。
少し、鬱もあるらしい。

俺がこうなった原因は良く覚えているーー


それは、俺が某会社に入社して二年目の事だった。
比較的に大人しい性格の俺は余り目立たない存在だった。

入社して一年間は特に何もなく普通に生活していたのだが、この会社では独特の後輩の可愛がり方があるのだ。

謂わゆるーー後輩いじりである。

それは、突然やって来た。

いつもいじられてた一つ上の先輩が突然会社を辞めてしまったのだ。
原因は言うまでもなくそのいじり耐えきれなくなってしまったのだ。

そして、次のターゲットになったのが俺だ。

ターゲットになったら最後ーー

数々の暴言、軽い暴力、飲み会では常にかませ犬扱い、全然面白くない無茶ぶりやボケを一抹の期待と共に投げつけられて一生懸命さばいてツッコミを返すも「はい滑りましたよ」と。

いじりに対してその都度つっこんだり笑いに変えたりしていたら、いじる側も面白くなってエスカレートとかしてくるわけです。

俺は、いじられた事が全然無かったためすぐにしんどくなり会社を休みがちになった。

正直、何をしてもネタにされた。
無視しても、言い返してもそれを笑いに変えられてしまった。

職場の雰囲気は、みんなが俺をネタに笑っているので明るく楽しい感じになっているけど俺は、ただ愛想笑いを浮かべているだけ。

一人だけ浮いたような孤独感・・・

会社に行こうとしたが気分が悪くなる。

それが何日か続いた。
病院に行ったが異常はなかった。

次の日も会社に行こうとするとやはり体調が悪くなった。
精神科の病院に行った。


そこから俺の引きこもり生活が始まった。

余りにも会社に行かない俺を親は放っておくわけなかった。
無理矢理、また別の病院に連れて行かれた。

鬱だと診断された。

訳のわからない薬を毎日大量に飲んだ。

逆に酷く体調が悪くなった。
頭がボーッとする。
何もヤル気が起きなくなった。
酷い眠気がする。

それが何日も続くとついに親は先生に泣きつき俺は無理矢理精神病院に入院させられた。

その頃の俺は、何も考えられない。
何も思わない。
酷い時は、朝から晩までご飯を食べるのも忘れるくらいただボーッとして一日を過ごした。

俺はどうなってしまったんだ?
何でこんな事に?

全部、病気のせいなのか?

俺は、会社を辞めたーー
何もかも手につかなくなった。

親が救いの手を求めたのが自宅警備隊だった。

俺の意思とは関係無しに適性検査を受けそのまま自宅警備員なった。


俺が働けないのは病気なんだ。

俺は、今日も訳の分からない薬を大量に飲んでいるーー

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