れいぶる~自宅警備隊~

望月まーゆノベルバ引退

Diagram


「どーでもいいんだけどさ。何でウチの支部だけチェンジすると迷彩服なの?ダサくない」
いつもながら突拍子もない事にエリカが突っ掛かってきた。

「これが通常のオプションらしい。支部ごとに申請したりすれば変えれるらしいよ」
「なら変えたい!!即変えたい」
「任せるよその辺は。僕は何でもいいから」
「俺も任せるよ」
「私もエリカちゃんにお任せするの」
「任せて!デザイン頑張るね」

胸を張って気合いを入れているエリカ。

( 張り切るエリカ少し不安だな・・・ )

「ん?柊の姿見えないな」
「今日はまだ来てないですよ」
「見せたい物があるからって寄り道して来るって朝言ってたの」

( 見せたい物? )

「そうだ!千夏何か服とかのデザイン自分で簡単にアレンジとか出来るアプリみたいなのないかな」
「ーーあるの。やってみる?」
「本当!千夏も一緒にやろうよ」
「良いの?嬉しいの」
女子二人は仲良くパソコンの画面の前に並んで座っている。

そんな時ーー呼び鈴が鳴りドアが開く音が聞こえた。

「ちーすっ!コレ見てくださいよ。入院している間にデザインしたっスよ。新しいチェンジスーツ、今までの迷彩服ダサかったっスからね」
( やっぱりコイツはそういう奴だよ )
カイトと僕は下を向き顔を手で覆った。

エリカの顔は怒りで満ちて、立ち上がり
柊に近づくとボディにパンチをお見舞いしたーー

そんな光景を見てられない千夏はパソコンで顔を隠していた。

「ぐはっーー何で??」
柊はその場に崩れ落ちたーー

( 柊、また入院だな・・・ )



★  ★  ★

「パソコンの画面を見てほしいの。現在の支部の勢力図をまとめたの」

『 第九支部マジカルプリンセス
ランキング一位。
支配下支部・第八支部・五支部支部

第四支部ジョーカーズ(脱落)
ランキング四位。
支配下支部・第三支部

第十支部ソードブレイカー
ランキング三位。
支配下支部・第十一支部

第一支部 道化師
ランキング五位
支配下支部・第二支部

第七支部 スターダスト
ランキング六位
支配下支部・無   』


「これに第六支部が中央本部になり第十二支部が私たちになるの。噂によると壊滅した第四と第三支部も第九支部が吸収したと聞いたの」
「げっ!マジっスか。どれだけ巨大な戦力があるんスか」

「私たちが第九支部と戦って勝つにはどうしても他の支部と手を組むしかないと思うの」
「まあ、それはわかる気がしますね。ただ手を貸してくれる支部があるでしょうか?」
「見返りを求められてもね。ウチと組むメリットなんてないわよね」
エリカは両手を広げて肩を落とした。

「ちなっちゃんは組むならどこの支部だと思う?」
僕が尋ねると即答で、
「私たちと同じ支配下支部を持っていない第七支部スターダストが良いと思うの。そこならお互いに助け合う同盟支部として交渉が可能だと思うの」
「ーー同盟支部か。それで交渉をしてみるか」


★  ★  ★

超高層マンションの一室ーー

「姫ちゃん、今月も一位だよん」
「当たり前じゃない。この鏡面戦線ーー嫌、この鏡面世界をウチらが支配しようかしらね」
「姫ちゃんコワイぃぃぃ」
「ーー第二位が支配下支部を持たない第十二支部。第三位がソードブレイカーと続いていますが・・・」

「ーー神崎カケルは手強いわよ。ソードブレイカーも一人一人は雑魚だけど群れで来られたら厄介な相手よ」
乙姫は親指の爪を噛んだ。

「そうなりますと第一支部道化師、第七支部スターダストとなりますが」
「あら?第七支部はまだ残ってたの」
「はい。支配下支部を持っていないですしこちらに情報もないので何とも言えないですが」
「姫ちゃん、おねえちゃんと暴れてくるよん」
柚葉がフワッと宙に浮いて見せた。

「頼むわね。可愛い義理の妹たちいもうと

「お任せください。行くわよ!ゆず」
「りょうかい」

天使のような二人の姉妹は飛び立って行った。

この時、乙姫は直感的に不安が過ぎっていた。
鏡面戦線で生き残っているということは運だけではないとーー

「ゆず、おと、油断は禁物よ」

第七支部に向けて二つの天使のシルエットに呟いた。

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