異世界召喚された俺は、チャットアプリを求めた

山田 武

スレ12 手に入れろ回復魔法



訓練場


 リア充君の自慢話によると、彼は光・闇・回復魔法を使えるようにしたらしい。
 今日は火を習うとかも言ってた気がする。

 ……うん、めっちゃどうでも良い。

 俺には彼が何をしようと関係無いしな。
 彼がどれだけ魔法を使えるようになったからって、俺の魔法適性が下がっていくワケでもないんだし……ない、よな?

「き、今日は回復の練習だな!」

 気持ちを切り替えて魔法の練習を行う。
 一応"原点回帰"というダメージをチャラにする方法もあるが、アレは一度に膨大なMPを消費してしまう。
 なので、今回は少ないMPで使える魔法を考えるというワケだ。

 ……しかし難しい。無となると、そのまま一気にリセットのイメージしか浮かばない。

 こういう時は、誰かに頼るのが一番だ!
 そう思い俺は、出現させたスマホのチャットアプリを即座に起動する――。


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参加者:アサマサ/ミランダ


アサマサ:――っと、言うワケだ
何か良いアイデアは無いか?

ミランダ:同朋よ
それより先に、勇者を滅する方が良いのではないか?

アサマサ:いや、やらねぇよ!
これを聞いたアキの反応が恐かったからお前に訊いたのに、どうしてそっちに行こうとするんだよ!
回復魔法! 俺が訊きたいのは!

ミランダ:……ふっ、我を誰だと心得る

アサマサ:分かってるって
だから頼んでるんだよ、最強の魔導師?

(ちょっと時間が開いてます)

アサマサ:お、お~い、寝落ちか?

ミランダ:っとすまない同朋よ、少し知識の海へと潜っていた

アサマサ:パクリは駄目だぞ
それで、何かあったか?

ミランダ:バッチリよ! そんなのヨユーで見つけたわ!

アサマサ:お~い、思念チャット機能がONのままだぞ~
というか、なんでこのタイミングで?

ミランダ:再生力をストップさせるのよ!
無を使わないというイメージにして、普段使わない再生力をチャージ、必要な時はそれを使って回復……これでバッチリよ!!

アサマサ:おぉ!
そりゃあ画期的なアイデアだな!
だけど、素が見えちゃってるぞ~

ミランダ:べっつにアサマサしか見て無いんだからオッケーオッケー
それより、無といえば――――

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「なるほど……さっすがミランダだな」

 彼女は……まぁ、色んな理由が噛み合って厨二の病気に罹ったんだよ。

 彼女のもうそ……コホンッ、イメージ力はかなり高く、新しい魔法を創る為の助力を借りたというワケだ。

「それじゃあ早速……無、停止、貯蓄……あれ? ちょっと違うな――"虚無回路"?」

 そうして定義付けられた魔法が発動した途端、体に力が溢れてくる……なんてことも無く、あっさりと時間が過ぎていく。

「あれ? なんで回路なんだ? 確か、貯力にしようと思ったんだけど……」

 最初は"再生貯力"という名前にしようとした……が、結果はあれだ。
 実際にそれが機能している気はするが、目に見える結果にはまだしたくない(自傷行為だしな)。

「ま、今日はこれくらいにしとくか」

 この後は、今までに使った魔法のおさらいしていって、今日という日は終了した。


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参加者:アサマサ以外


ハルカ:ミランダさん!
貴女一体、朝政さんに何を教えたんですか!!

アキ:おいおい、さっきのアレか?
確かに回復力を溜めるってのは厄介だと思うが……それぐらいなら他の奴も使えるだろ?

ミランダ:我が教えたのは、肉体の持つ再生力の貯蓄だ
我の時魔導を派生させたものだ
同朋に教えて何か問題があったのか?

ハルカ:大ありですよ!!

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魔法名:虚無回路(未完成)

系統:肉体強化魔法(虚無魔法)

最低必要MP:-

説明:発動者の肉体を改造し、虚無界と直接接続可能な状態にする
発動者はMP/APの概念が喪失し、どのような能力であろうと使用可能となる
ただし、常時肉体に激しい激痛が走る

〔HPの自動回復効果もおまけとして持つ〕

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――朝政さんを殺す気ですか!

ナツキ:あれ? (未完成)なの?

ハルカ:改造を:絶対不変:が拒絶しました
今の朝政さんは:絶対不変:によって濾されたエネルギーを受け取っています

アキ:虚無界……知らねぇな

ミランダ:おぉ! さすが我が同胞よ!
我の与えた知恵を昇華させ、ここまで至らせるとは!!

ハルカ:厨二、黙りなさい!
どのような能力もがどういう意味なのか解っているのですか!!

フユツグ:え? 全知全能にでもなるんじゃないのか?
良いことじゃないか

ハルカ:それでは――頼って貰えなくなるではないですか!!

ナツキ:あぁ~、それは……大変じゃ無い!

ミランダ:え? ピンチ? ……$%&'(`*"#!!

フユツグ:まぁ、確かに一大事ではあるが
でも、朝政自身の力はそうでどうにかなっても、問題はそれだけじゃないんだし、どうとでもなるんじゃねぇの?

アキ:それに、アイツが俺達に頼ってくれないなんて、それこそ無理じゃねぇのか?

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 この後朝政は、ステータスに関する悩みを彼らへと告げた。

 それを見た彼らは、朝政の期待に応えるべく、どうにか平常の状態へと戻ったという。


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