約束〜必ずもう一度君に〜

矢崎未峻

これは大丈夫なのか??

 あれからいくら考えても2人が何であんな事をしたのか分からなかった。
 ので、潔く諦めてこれからどうするか考えることにした。まずさっきの依頼が完了しなければこの街からは動けない。よって、寝る場所が必要だ。幸い金はあっちでの俺の全財産とは比べものにならないくらいある。それこそバカみたくある。
 ちなみに残金は金貨22枚、銀貨3枚、銅貨11枚だ。
 一般家庭で金貨1枚あれば1ヶ月は遊んで暮らせるらしい。節約すれば3ヶ月は暮らせるそうだ。
 つまり、金には全く困ってない。正味どこでも泊まれる!
 だがしかし、問題はその泊まる場所なのだ。当然宿屋が望ましいが、あるのかどうかすら定かではない。
 素直にどこか紹介して貰おう。

「なぁ、2人とも。どっかオススメの宿屋とかってある?」

「「あるよ!」」

 同時に返答があったのは良いのだが、その後すぐに顔を見合わせてアイコンタクト取ったんですが?なんだったの?
 そんな事をうじうじ気にしてる間に宿屋に着いた。どうやら2人とも同じ場所を紹介しようとしてくれていたらしい。

「いらっしゃい。ん?ユーリちゃんにアリシアちゃんじゃない!久しぶりね!・・・部屋は1つでいいかしら?」

「「お久しぶりです。それでお願いします!!」」(即答)

 っ!?ファッ!?何だって?部屋が1つ?俺1人で1つだよな?アリシアやユーリは自分の家があるんだよな??な?

「え、ちょっとま」「ほら行くよ〜」

「ごゆっくりどうぞ〜」ニヤニヤ

 どうやら拒否権はないようです。受付のおばちゃんに言っても変えてもらえる気配がない。だってグルなんだもん!
 てかすげぇニヤついてるし。そ、そんな関係じゃないからな!?

「なあ、まさかとは思うが、お前らも同じ部屋じゃないよな?」

「さっき何聞いてたの?部屋が1つなんだよ?3人とも一緒に決まってるじゃない」

「いや、あのねアリシアさん。それは色々問題があると思うんですけど?正気ですか?」

「「正気だよ」」

 どうやら逃げられないようです。どうか何もなく朝を迎えられますように!!
 あ、これフラグだ。



 部屋についた。うん、キレイなとこだ。ベットもふかふかで寝心地が良さそうだ。そう言えばまともな設備で寝るのとか久しぶりすぎるな。
 試しにベットにダーイブ!うっは!もう最高!!
 うん、寝れる。見事に睡魔も襲ってきた。このまま睡魔に身を任せっていたたた!!

「いたたた!!何すんだよ!?人がせっかく安眠しようとしてたのに!!」

「「私たちほったらかしにして寝ないでよ!」」

「いや、無理。今日は勘弁して、疲れた。めちゃくちゃ眠い。ベットとか久しぶりだから最高に眠い」

「じゃあ、明日はちゃんと構ってよ?」

「分かった。分かったから。お休み」

「よし、ちゃんと聞いたよね?」

「うん、バッチリだよアリシアちゃん!」

 なんか、ちょっと怖い会話が聞こえてきた気がする、けど、もう無理。
 結局俺は睡魔に負けて意識を手放した。

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