約束〜必ずもう一度君に〜
ようやく街へ
目を開けるといつもの教室の風景が広がった。
あぁ、夢を見てたんだな。なんとなくそう思った。
『あれ?成宮君起きたの?』
『あぁ、うん。なあ朝霧、俺、どのくらい寝てた?』
あれ?朝霧の顔を見るのが懐かしく感じる。毎日見てるはずなのに。
『えっとね、3時間くらいかな。もうお昼だよ?』
『マジか。サンキュ・・・する事ないし寝るか』
『また寝るの!?』
・・・今日の俺はどこか可笑しいらしい。寝るのが、いや、朝霧との会話をこれで終わらせるのが勿体無いと思っている。
・・・何故?分からない。けど、素直になろう。今はこの訳のわからない気持ちに身を任せよう。
『冗談だよ。でも、暇だから話し相手になってくれよ』
『うん、いいよ!!』
満面の笑みだ。あぁ、やっぱり、可愛いな。
自然と口元が緩んだ。
*****
・・・夢、か。
「さっきのが現実だったら嬉しかったんだけどな」
思わずそんなことを呟いてしまう。そんな夢だった。
あっちに戻ったら、もう少し素直になろうかな。
そんな囁かな決意とも言えぬ決意をしたところで、忘れてた者に声を掛けられた。
「夢、見てたの?」
「ん?まあな。あっちの世界の夢だった」
「あぁ、それで現実だったら嬉しかったって言ったんだね」
「聞かれてたのか」
ちょっと恥ずかしかった。
「結構大きな声だったよ?」
「そりゃ俺が悪いな。ところで、今どんな状況?」
それなりに時間が経っていたようなので聞いてみる。
「うん、アリシアさんはユウキ君を治した後疲れて寝ちゃった。ほら、隣で」
あ、ほんとだ。ふむ、寝顔か。・・・可愛い!グッジョブ!
「で、ダストさんとカグラさんは食料調達だ〜!って言って森に行ったよ」
「何か、自由だな」
ちょっと呆れた。アリシアやユーリはともかく、ダストとカグラはどうなのだ?自由すぎないか?てか数時間前に散々食べただろう?
気が抜けたので空を見上げる。太陽がほぼ真上にあった。昼か。あ、いや待て。そもそもあっちの世界では太陽が真上にあるイコール昼だったがこっちではどうなんだ?
「なあ、今の時間帯って・・・」
「お昼だよ?それがどうしたの?」
「いや、そこはあっちと変わらないんだな」
なるほど、道理で食料調達に行く訳だ。
さて、俺もそろそろ動こうか・・・ん?んん??
視線を左下に・・・うん、手、握られてる。アリシアに。
「えぇ〜、これ、どうしろと?」
どうしたものか考えているとそれに気付いたユーリが俺の右隣にきて俺の右手を握った。
何故にこんな状態に?何がどうなったら美少女2人に両手を握られる状態になるんだよ!?天変地異か!?そうなのか!?
てか、俺はどうしたら正解な訳!?誰か教えて!?ヘルプミー!
ズルズルズル
ん?何この音?
ズルズルズル
あ、2人が戻ってきた。何か引きずってるけど。デカイな。
アイテムボックスに入れろよ。
あ、でもタイミング的にはグッド!ユーリが慌てて離れた。
「ん、んにゅ?何、この音?」
アリシアも起きた。起き方まで可愛いとか反則かよ!?
あ、でも手は握ったままだ。
「いやぁ、ただいま〜!遅くなってすまないな。私達2人では少しキツイ相手でな。手間取ってしまった」
「あれ?ユウキが起きてる。おはよう?なのかな?まあいいや。よく眠れた?」
「あ、あぁ、お陰様で。迷惑掛けたな。それより、食料ならまだ俺が結構持ってるぞ?」
「「なん、だと!?」」
「そ、それじゃあ」
「私達の苦労は・・・」
「無駄、ではないだろ。解体して素材を取り出して売れば金になるはずだし、肉も俺の持ってる分で足りなかったら食えばいいしな」
にしてもこいつら、なんでこんなに食に執着してるんだよ。訳がわからん。にしても、
「えらくデカイな。お前らバカだろ?」
「いやいや、僕をカグラと一緒にしないでくれないか!?僕はちゃんと止めたんだよ?でももうカグラが攻撃仕掛けてたから手遅れだったんだ!仲間を置いて自分だけ立ち去る訳にはいかないだろ!?」
「何を言うか!ダストも嬉々としていたではないか!あんなに楽しそうにお前が戦闘する所など初めて見たぞ!」
「ねぇ、これどういう状況?」
「おはよう、アリシアちゃん。ケガ治してくれてありがとう。助かったよ」
俺にしては珍しく笑いかける。すると、どうしたことか顔を真っ赤にさせてそっぽを向いてしまった。
何か怒らせるような事言ったかな?それともやらかした?
「なあ、アリシアちゃん。いつまで俺の手、握ってるつもりなんだ?俺は別に構わないけどさ」
「へ?・・・わ、わぁ!ご、ごめん!!嫌だったよね!?私なんかが手なんか握ったら!!」
「いや、さっき俺の言った事ちゃんと聞いてた?構わないって言ったと思うんだけど?それに、アリシアちゃんみたいに可愛い子に手を握られて嫌なんて思う男はいないよ?間違いなく!」
うむ、断言できる!この子にこんな事されたら誰だって嬉しい!
あれ?心なしかユーリが不機嫌なような・・・?
「ユーリ、お前も十分可愛いから、俺の腕に抱きつくのはやめないか?心臓に悪い」
「どうして?嫌なの?」
「嫌な訳がない!寧ろ超嬉しい!大歓迎!でも、やっぱり心臓に悪いから!俺こういうのに耐性ないからね!?今はまだやめてくれないかい!?」
「・・・分かった」
ふぅ、解放された。くそ、反則すぎるだろ!?ズルイにも程がある!健全な男の子にはキツかったです!!
それから昼飯を食べた。食べながらどうするか話し合った所、目的地が一緒だったので結局街までは一緒に行くことになった。
いつの間にかこの4人がいることが当たり前になってたな。
「さあ、そろそろ出発しようか」
「「「おー!」」」
ダストの掛け声で気の無い返事を返しながら出発の準備をする。
と言っても俺は立ち上がるだけだが。
うお!?体が軽い!左腕が動く!肋が痛くない!疲れもない!本来の健康な状態がここまで良いものだとは!
嬉しくなったのでその場でジャンプしてみる。思ったより跳べた。ざっと、2メートルぐらいかな。軽く飛んだだけでこれか。本気で跳んだらどれくらい跳べるだろうか?検証なんてしないが。
そんなこんなでグダグダしながらようやく出発。街は目と鼻の先だ。
そうそう、食材だが、ダストとカグラが狩ってきた分も全てなくなった。8割はダストとカグラの2人で食べていた。胃袋はブラックホールのようだ。
雑談しながら歩いていると前から人が歩いてきてるのに気が付いた。7人ほどの団体で男だけのパーティだった。バラバラな格好をしてるあたり冒険者か何かだろう。すれ違う直前に話しかけてきた。
「なあ、そこの嬢ちゃん達?俺たちとパーティ組まねぇ?悪いようにはしないからさぁ〜。男はいらねぇから消えろよ?」
あぁ、うん。そういう奴らなのね。面倒クセェ。え〜っと、どうすれば正解?ぶん殴っていいのかな?それとも殺していいのかな?
「ケケケ、おい聞いてんのかテメェら!オレ達がご一緒してやるっていってんだよ?」
「なあダスト。こういう場合ってどうするのが正解?」
「どうって、そりゃあ。ボコボコにするのが正解に決まってるじゃないか」
おおぅ。意外と容赦ないのね。
ま、単純でいいけどさ。てかこの万全の状態でどこまでやれるか試したいから丁度良かったけど。
てな訳でさっそく、
「おらぁ!」ボキッ
あ、嫌な音した。顔面殴ったから鼻でも折れたかな?
鼻血出てるし間違いないか。にしても一発で鼻折れるとかこいつらザコいんじゃね?
「ほれ、もう一発!!」
あ、吹っ飛んじゃった。ま、いっか。
2人目は回し蹴りで意識を刈り取った。3人目は腹を殴って嘔吐しかけたので蹴り飛ばした。数メートル飛んで転がった辺りで吐いていた。汚かった。
その頃にはダストが他の3人を片付けていたので残りは1人になった。
こいつがどうなったかと言いますと。カグラさんに去勢されかけていた。俺とダスト、そして意識がありそれを見ていた敵が内股になった。ユーリとアリシアは俺の後ろにいた。恐らく何も見てないであろう。
気の毒になったのでその辺りでやめておいて再び出発した。
気分の問題なのか身体の問題なのか同じ距離を進むのにあれだけ時間が掛かっていたのに今回はすぐだった。
まあ、そんな訳で、なんだかんだあったけど。最後はこんなにあっさり街に到着しました。
あぁ、夢を見てたんだな。なんとなくそう思った。
『あれ?成宮君起きたの?』
『あぁ、うん。なあ朝霧、俺、どのくらい寝てた?』
あれ?朝霧の顔を見るのが懐かしく感じる。毎日見てるはずなのに。
『えっとね、3時間くらいかな。もうお昼だよ?』
『マジか。サンキュ・・・する事ないし寝るか』
『また寝るの!?』
・・・今日の俺はどこか可笑しいらしい。寝るのが、いや、朝霧との会話をこれで終わらせるのが勿体無いと思っている。
・・・何故?分からない。けど、素直になろう。今はこの訳のわからない気持ちに身を任せよう。
『冗談だよ。でも、暇だから話し相手になってくれよ』
『うん、いいよ!!』
満面の笑みだ。あぁ、やっぱり、可愛いな。
自然と口元が緩んだ。
*****
・・・夢、か。
「さっきのが現実だったら嬉しかったんだけどな」
思わずそんなことを呟いてしまう。そんな夢だった。
あっちに戻ったら、もう少し素直になろうかな。
そんな囁かな決意とも言えぬ決意をしたところで、忘れてた者に声を掛けられた。
「夢、見てたの?」
「ん?まあな。あっちの世界の夢だった」
「あぁ、それで現実だったら嬉しかったって言ったんだね」
「聞かれてたのか」
ちょっと恥ずかしかった。
「結構大きな声だったよ?」
「そりゃ俺が悪いな。ところで、今どんな状況?」
それなりに時間が経っていたようなので聞いてみる。
「うん、アリシアさんはユウキ君を治した後疲れて寝ちゃった。ほら、隣で」
あ、ほんとだ。ふむ、寝顔か。・・・可愛い!グッジョブ!
「で、ダストさんとカグラさんは食料調達だ〜!って言って森に行ったよ」
「何か、自由だな」
ちょっと呆れた。アリシアやユーリはともかく、ダストとカグラはどうなのだ?自由すぎないか?てか数時間前に散々食べただろう?
気が抜けたので空を見上げる。太陽がほぼ真上にあった。昼か。あ、いや待て。そもそもあっちの世界では太陽が真上にあるイコール昼だったがこっちではどうなんだ?
「なあ、今の時間帯って・・・」
「お昼だよ?それがどうしたの?」
「いや、そこはあっちと変わらないんだな」
なるほど、道理で食料調達に行く訳だ。
さて、俺もそろそろ動こうか・・・ん?んん??
視線を左下に・・・うん、手、握られてる。アリシアに。
「えぇ〜、これ、どうしろと?」
どうしたものか考えているとそれに気付いたユーリが俺の右隣にきて俺の右手を握った。
何故にこんな状態に?何がどうなったら美少女2人に両手を握られる状態になるんだよ!?天変地異か!?そうなのか!?
てか、俺はどうしたら正解な訳!?誰か教えて!?ヘルプミー!
ズルズルズル
ん?何この音?
ズルズルズル
あ、2人が戻ってきた。何か引きずってるけど。デカイな。
アイテムボックスに入れろよ。
あ、でもタイミング的にはグッド!ユーリが慌てて離れた。
「ん、んにゅ?何、この音?」
アリシアも起きた。起き方まで可愛いとか反則かよ!?
あ、でも手は握ったままだ。
「いやぁ、ただいま〜!遅くなってすまないな。私達2人では少しキツイ相手でな。手間取ってしまった」
「あれ?ユウキが起きてる。おはよう?なのかな?まあいいや。よく眠れた?」
「あ、あぁ、お陰様で。迷惑掛けたな。それより、食料ならまだ俺が結構持ってるぞ?」
「「なん、だと!?」」
「そ、それじゃあ」
「私達の苦労は・・・」
「無駄、ではないだろ。解体して素材を取り出して売れば金になるはずだし、肉も俺の持ってる分で足りなかったら食えばいいしな」
にしてもこいつら、なんでこんなに食に執着してるんだよ。訳がわからん。にしても、
「えらくデカイな。お前らバカだろ?」
「いやいや、僕をカグラと一緒にしないでくれないか!?僕はちゃんと止めたんだよ?でももうカグラが攻撃仕掛けてたから手遅れだったんだ!仲間を置いて自分だけ立ち去る訳にはいかないだろ!?」
「何を言うか!ダストも嬉々としていたではないか!あんなに楽しそうにお前が戦闘する所など初めて見たぞ!」
「ねぇ、これどういう状況?」
「おはよう、アリシアちゃん。ケガ治してくれてありがとう。助かったよ」
俺にしては珍しく笑いかける。すると、どうしたことか顔を真っ赤にさせてそっぽを向いてしまった。
何か怒らせるような事言ったかな?それともやらかした?
「なあ、アリシアちゃん。いつまで俺の手、握ってるつもりなんだ?俺は別に構わないけどさ」
「へ?・・・わ、わぁ!ご、ごめん!!嫌だったよね!?私なんかが手なんか握ったら!!」
「いや、さっき俺の言った事ちゃんと聞いてた?構わないって言ったと思うんだけど?それに、アリシアちゃんみたいに可愛い子に手を握られて嫌なんて思う男はいないよ?間違いなく!」
うむ、断言できる!この子にこんな事されたら誰だって嬉しい!
あれ?心なしかユーリが不機嫌なような・・・?
「ユーリ、お前も十分可愛いから、俺の腕に抱きつくのはやめないか?心臓に悪い」
「どうして?嫌なの?」
「嫌な訳がない!寧ろ超嬉しい!大歓迎!でも、やっぱり心臓に悪いから!俺こういうのに耐性ないからね!?今はまだやめてくれないかい!?」
「・・・分かった」
ふぅ、解放された。くそ、反則すぎるだろ!?ズルイにも程がある!健全な男の子にはキツかったです!!
それから昼飯を食べた。食べながらどうするか話し合った所、目的地が一緒だったので結局街までは一緒に行くことになった。
いつの間にかこの4人がいることが当たり前になってたな。
「さあ、そろそろ出発しようか」
「「「おー!」」」
ダストの掛け声で気の無い返事を返しながら出発の準備をする。
と言っても俺は立ち上がるだけだが。
うお!?体が軽い!左腕が動く!肋が痛くない!疲れもない!本来の健康な状態がここまで良いものだとは!
嬉しくなったのでその場でジャンプしてみる。思ったより跳べた。ざっと、2メートルぐらいかな。軽く飛んだだけでこれか。本気で跳んだらどれくらい跳べるだろうか?検証なんてしないが。
そんなこんなでグダグダしながらようやく出発。街は目と鼻の先だ。
そうそう、食材だが、ダストとカグラが狩ってきた分も全てなくなった。8割はダストとカグラの2人で食べていた。胃袋はブラックホールのようだ。
雑談しながら歩いていると前から人が歩いてきてるのに気が付いた。7人ほどの団体で男だけのパーティだった。バラバラな格好をしてるあたり冒険者か何かだろう。すれ違う直前に話しかけてきた。
「なあ、そこの嬢ちゃん達?俺たちとパーティ組まねぇ?悪いようにはしないからさぁ〜。男はいらねぇから消えろよ?」
あぁ、うん。そういう奴らなのね。面倒クセェ。え〜っと、どうすれば正解?ぶん殴っていいのかな?それとも殺していいのかな?
「ケケケ、おい聞いてんのかテメェら!オレ達がご一緒してやるっていってんだよ?」
「なあダスト。こういう場合ってどうするのが正解?」
「どうって、そりゃあ。ボコボコにするのが正解に決まってるじゃないか」
おおぅ。意外と容赦ないのね。
ま、単純でいいけどさ。てかこの万全の状態でどこまでやれるか試したいから丁度良かったけど。
てな訳でさっそく、
「おらぁ!」ボキッ
あ、嫌な音した。顔面殴ったから鼻でも折れたかな?
鼻血出てるし間違いないか。にしても一発で鼻折れるとかこいつらザコいんじゃね?
「ほれ、もう一発!!」
あ、吹っ飛んじゃった。ま、いっか。
2人目は回し蹴りで意識を刈り取った。3人目は腹を殴って嘔吐しかけたので蹴り飛ばした。数メートル飛んで転がった辺りで吐いていた。汚かった。
その頃にはダストが他の3人を片付けていたので残りは1人になった。
こいつがどうなったかと言いますと。カグラさんに去勢されかけていた。俺とダスト、そして意識がありそれを見ていた敵が内股になった。ユーリとアリシアは俺の後ろにいた。恐らく何も見てないであろう。
気の毒になったのでその辺りでやめておいて再び出発した。
気分の問題なのか身体の問題なのか同じ距離を進むのにあれだけ時間が掛かっていたのに今回はすぐだった。
まあ、そんな訳で、なんだかんだあったけど。最後はこんなにあっさり街に到着しました。
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