約束〜必ずもう一度君に〜
森の探索1
日が昇って歩き出してから一時間。ようやく入口に辿り着いたわけだが、
「これ、森ってことでいいんだよな?」
思わずこう言ってしまうほど巨大な木でできた森なのだ。
日本の一般的に想像される森の木の5倍ほどだと思ってもらっていい。常人中の常人である俺は、この森で生き残ることができるのか?
「うじうじ言ってても始まらないか。なるようになるさ。よし、出発!」
一歩、森に足を踏み入れた途端、言い知れない威圧感に襲われ、元の位置に戻った。
あ~、これはあれだ。入ったら死ぬ。冗談じゃなく真面目な方で。でもここを突破しないと街にはたどり着けない訳だ。引き返して違う街を探す?NO!そんなもん存在していなかった。よって、ここを進むしかない。異世界人だし不死身とかになってないかな?・・・そりゃないか。じゃあチート能力とか?あるならもっと早くに気づいてる。
「森に突入=死の方程式が揺るぎないものになってしまった」
いっそのこと、やけくそで突入しちゃう?・・・無駄死にもいいとこだ。あり得ない。ってか死にたくないし。
「あぁ、ちくしょう!どうすりゃいいんだよ?」
こんな時は、音楽でも聞いて良い考えが浮かぶまで、そうだなぁ、素振りでもしてようか。
ってあれ?音楽聴けるっけ?・・・あ、プレーヤーポケットに入ってた。もちろんイヤホンも一緒に。
予定通り音楽を聞きながら素振りをしていると腹が減ってきた。またうさぎを見つけたので、殺して捌いてやっきやき~。そうしてお腹はいっぱいだ~。
「クッソしょうもないことしか浮かばねぇ!」
もういいや、突入しよう。なんかあったらそん時はそん時だ。警戒は最大限するけどね。
改めて足を踏み入れる。相変わらずな威圧感に襲われながら一歩一歩進んでいく。
剣はずっと握っておく。こうでもしないと不安で仕方ない。20メートル進んだだけで、汗だくになった。何度も剣を握りなおす。手汗も半端ない。
こんな緊張状態は長くもたない。いつ集中が切れてもおかしくない。
つまり、いつ死んでもおかしくないということだ。
「なんでこんな目に・・・」
やっべ、一瞬とはいえ気を抜いてしまったな。・・・ほら何か来た~。何あれ?きのこ?だな。
威圧感は、なし。ってことは頑張ったら倒せるレベルか。真っ直ぐ向かってきてるってことは、タイミング合わせて水平斬りすれば、ほら倒せた。
いや弱すぎねぇ?絶対おかしいだろこれ!気抜いても大丈夫じゃね?
あ、ごめん。やっぱだめだわ。木が歩いてきた。ゲームじゃよくあるが、実際みるときもいな。
「っておい!いきなり攻撃とかやめて!?しかも威力やば!」
やばいやばいやばい!絶え間なく攻撃するのもやめろって!避けれてるのが奇跡だろこれ。
「やっば!グッ・・・ハッ!ゲホッ、うぇ!」
一発くらっただけで吐きそうなんですけど?ってか多分、肋骨2本ほど折れた。痛い。
そういや火袋持ってたな。効くかな?植物だし効くと信じよう。
昨日より袋を強く押す。
ボッ!
・・・押す力は関係ないのな。勢い変わらないや。でも火が届いたからOK!
植物らしく火に弱かったらしく、なんとか倒すことができた。
ガサガサッ!バッ!ドスンッ。
え?この重苦しい足音は誰のもの?後ろの正面だ~あれ。
「巨大イノシシさん!?あ、あぁやめて?突進の準備とか・・・」
ダッ!ドスドスドスッ!
「くるな~~~~~!!」
逃げてます。全力で逃げてます。ドラゴンに追いかけられた時と同じぐらい必死に、逃げてます。あの時と違うのは、
「肋痛って~~!!やっぱこれ折れてるって!!」
まあ、そう言うことだ。
長く保たないだろう。そもそもイノシシにダッシュで勝てるか?答えはノーだ。つまり、もうすぐ追いつかれる!
これは、あれだ。背中から突っ込まれて死ぬより戦って死んだ方がカッコイイ!とか漫画なら言う場面だろう。そういう考えがないわけじゃない。むしろそうしたい!だが、
「死ぬわけにはいかないんだよ」
とはいえ、このままじゃじり貧だ。何か手を打たなきゃどのみち死ぬ。まわりの大木を利用してしのぐか?いや、そんなことができる身体能力が俺にはない。イノシシを大木に突進させられればいいんだが、見たところうまくかわしてる。火袋を使うか?どう考えても火力が足りない。振り返って突進してきたところを斬る?俺の体耐えられないだろう。
いよいよ手詰まりか・・・いや、これならなんとかなるんじゃないか?
これ以上考えてるひまもなさそうだ。やるしかない!
近くの木に背中を付ける。折れた剣先をイノシシに向ける。当然このままじゃ俺が圧力に耐えかねて潰れるだけ。さらにあのイノシシは突進すれば自分が傷つくこともわかっているはず。イノシシは必ず止まる。
ほら、止まった。もちろん、イノシシの足を止めるのが狙いじゃない。本当の狙いは、背中の木を怒らせることだ。
剣で背中の木を斬りつけ、ただの木のフリをしていた木の化け物を怒らせる。ここからが勝負だ。
イノシシの方に向かって走り出す。それをみたイノシシー木の化け物には気づいてないーが突進の態勢になり、突進を開始。ほぼ同時に木の化け物が手ーだと思われる枝ーを振り下ろして来たのを、イノシシの股下にもぐりこみ回避する。
木の化け物の手の射程にイノシシがギリギリ入った!
バシンッ!・・・ドサ。
イノシシの頭に枝がクリーンヒットしイノシシは気絶した。
よし!成功だ!!後は、
「ちょ、あっぶね!またどっか折れるとこだった」
イノシシのことなどガン無視で攻撃を続けてくる木の猛攻を避けながら火袋を構え、火を付ける。木を倒せたことが確認できたので気絶しているイノシシのもとに駆け寄る。
少し躊躇ったが、イノシシを殺し、丁寧に捌き始めた。
イノシシを捌き、大きく3つの種類に分けた。
1つ目は、肉。これは文字通り猪肉だ。イノシシがでかかったこともあり大量にある。これでしばらくは飯に困らなくて済む。
2つ目は、骨。何かと役に立ちそうなのでそのまま残してある。後で加工方法を考えよう。
3つ目は、皮。まあ、獣の皮だな。昨日の夜は意識してなかったが、夜がなかなか寒い。今着てる制服が冬服だからよかったものの、あっちは10月だったからまともな防寒をしていない。つまり、この皮はそんな感じで使える。ちょっとうれしい。
「とりあえず、今日はここで夜を明かそう」
大木の根っこのところに良い感じの穴があったので今日はそこを寝床にすることにした。
ちょっとした広場にもなってるし、火を起こしても火事にはならないだろう。と、いうことで。飯だ!肉だ!猪肉をやっきやき~!!
「さて、焼いてる間に骨の加工方法でも考えるか。何に使えるかな?組み合わせたら防具とかできそうだよな~。後は、ゲームでよくある武器、とか?」
実はもう、どうするかは決めていた。防具を作ろう。
理由は超シンプル。痛みを、ダメージを少しでも減らしたい!!
防具以外のものはあまりもので作ろう。
お、良い匂いだ。そろそろ食べごろだな。
焼きあがった肉を食べ、腹が膨れたところで防具製作に取り掛かる。
試行錯誤しながらしばらくやって辿りついたのは
「これ無理だわ。盾作るので精一杯だ。そのくせ盾とか邪魔にしかならいからいらないし」
という何とも残念な結論だった。
それでも盾を1つだけ作っておくことにした。
思ったよりも大量の骨が余ったので今度は武器製作を試みる。簡易的な槍ができただけで終わった。
まだかなり残っていたので、適当に荷物入れを作っておいた。適当に作った割には使い勝手がよく、満足した。
結構疲れたので寝ることにした。さっそくイノシシの毛皮を被る。
「・・・・うん、超獣臭い!!」
毛皮を毛布にするのは諦めた。
「これ、森ってことでいいんだよな?」
思わずこう言ってしまうほど巨大な木でできた森なのだ。
日本の一般的に想像される森の木の5倍ほどだと思ってもらっていい。常人中の常人である俺は、この森で生き残ることができるのか?
「うじうじ言ってても始まらないか。なるようになるさ。よし、出発!」
一歩、森に足を踏み入れた途端、言い知れない威圧感に襲われ、元の位置に戻った。
あ~、これはあれだ。入ったら死ぬ。冗談じゃなく真面目な方で。でもここを突破しないと街にはたどり着けない訳だ。引き返して違う街を探す?NO!そんなもん存在していなかった。よって、ここを進むしかない。異世界人だし不死身とかになってないかな?・・・そりゃないか。じゃあチート能力とか?あるならもっと早くに気づいてる。
「森に突入=死の方程式が揺るぎないものになってしまった」
いっそのこと、やけくそで突入しちゃう?・・・無駄死にもいいとこだ。あり得ない。ってか死にたくないし。
「あぁ、ちくしょう!どうすりゃいいんだよ?」
こんな時は、音楽でも聞いて良い考えが浮かぶまで、そうだなぁ、素振りでもしてようか。
ってあれ?音楽聴けるっけ?・・・あ、プレーヤーポケットに入ってた。もちろんイヤホンも一緒に。
予定通り音楽を聞きながら素振りをしていると腹が減ってきた。またうさぎを見つけたので、殺して捌いてやっきやき~。そうしてお腹はいっぱいだ~。
「クッソしょうもないことしか浮かばねぇ!」
もういいや、突入しよう。なんかあったらそん時はそん時だ。警戒は最大限するけどね。
改めて足を踏み入れる。相変わらずな威圧感に襲われながら一歩一歩進んでいく。
剣はずっと握っておく。こうでもしないと不安で仕方ない。20メートル進んだだけで、汗だくになった。何度も剣を握りなおす。手汗も半端ない。
こんな緊張状態は長くもたない。いつ集中が切れてもおかしくない。
つまり、いつ死んでもおかしくないということだ。
「なんでこんな目に・・・」
やっべ、一瞬とはいえ気を抜いてしまったな。・・・ほら何か来た~。何あれ?きのこ?だな。
威圧感は、なし。ってことは頑張ったら倒せるレベルか。真っ直ぐ向かってきてるってことは、タイミング合わせて水平斬りすれば、ほら倒せた。
いや弱すぎねぇ?絶対おかしいだろこれ!気抜いても大丈夫じゃね?
あ、ごめん。やっぱだめだわ。木が歩いてきた。ゲームじゃよくあるが、実際みるときもいな。
「っておい!いきなり攻撃とかやめて!?しかも威力やば!」
やばいやばいやばい!絶え間なく攻撃するのもやめろって!避けれてるのが奇跡だろこれ。
「やっば!グッ・・・ハッ!ゲホッ、うぇ!」
一発くらっただけで吐きそうなんですけど?ってか多分、肋骨2本ほど折れた。痛い。
そういや火袋持ってたな。効くかな?植物だし効くと信じよう。
昨日より袋を強く押す。
ボッ!
・・・押す力は関係ないのな。勢い変わらないや。でも火が届いたからOK!
植物らしく火に弱かったらしく、なんとか倒すことができた。
ガサガサッ!バッ!ドスンッ。
え?この重苦しい足音は誰のもの?後ろの正面だ~あれ。
「巨大イノシシさん!?あ、あぁやめて?突進の準備とか・・・」
ダッ!ドスドスドスッ!
「くるな~~~~~!!」
逃げてます。全力で逃げてます。ドラゴンに追いかけられた時と同じぐらい必死に、逃げてます。あの時と違うのは、
「肋痛って~~!!やっぱこれ折れてるって!!」
まあ、そう言うことだ。
長く保たないだろう。そもそもイノシシにダッシュで勝てるか?答えはノーだ。つまり、もうすぐ追いつかれる!
これは、あれだ。背中から突っ込まれて死ぬより戦って死んだ方がカッコイイ!とか漫画なら言う場面だろう。そういう考えがないわけじゃない。むしろそうしたい!だが、
「死ぬわけにはいかないんだよ」
とはいえ、このままじゃじり貧だ。何か手を打たなきゃどのみち死ぬ。まわりの大木を利用してしのぐか?いや、そんなことができる身体能力が俺にはない。イノシシを大木に突進させられればいいんだが、見たところうまくかわしてる。火袋を使うか?どう考えても火力が足りない。振り返って突進してきたところを斬る?俺の体耐えられないだろう。
いよいよ手詰まりか・・・いや、これならなんとかなるんじゃないか?
これ以上考えてるひまもなさそうだ。やるしかない!
近くの木に背中を付ける。折れた剣先をイノシシに向ける。当然このままじゃ俺が圧力に耐えかねて潰れるだけ。さらにあのイノシシは突進すれば自分が傷つくこともわかっているはず。イノシシは必ず止まる。
ほら、止まった。もちろん、イノシシの足を止めるのが狙いじゃない。本当の狙いは、背中の木を怒らせることだ。
剣で背中の木を斬りつけ、ただの木のフリをしていた木の化け物を怒らせる。ここからが勝負だ。
イノシシの方に向かって走り出す。それをみたイノシシー木の化け物には気づいてないーが突進の態勢になり、突進を開始。ほぼ同時に木の化け物が手ーだと思われる枝ーを振り下ろして来たのを、イノシシの股下にもぐりこみ回避する。
木の化け物の手の射程にイノシシがギリギリ入った!
バシンッ!・・・ドサ。
イノシシの頭に枝がクリーンヒットしイノシシは気絶した。
よし!成功だ!!後は、
「ちょ、あっぶね!またどっか折れるとこだった」
イノシシのことなどガン無視で攻撃を続けてくる木の猛攻を避けながら火袋を構え、火を付ける。木を倒せたことが確認できたので気絶しているイノシシのもとに駆け寄る。
少し躊躇ったが、イノシシを殺し、丁寧に捌き始めた。
イノシシを捌き、大きく3つの種類に分けた。
1つ目は、肉。これは文字通り猪肉だ。イノシシがでかかったこともあり大量にある。これでしばらくは飯に困らなくて済む。
2つ目は、骨。何かと役に立ちそうなのでそのまま残してある。後で加工方法を考えよう。
3つ目は、皮。まあ、獣の皮だな。昨日の夜は意識してなかったが、夜がなかなか寒い。今着てる制服が冬服だからよかったものの、あっちは10月だったからまともな防寒をしていない。つまり、この皮はそんな感じで使える。ちょっとうれしい。
「とりあえず、今日はここで夜を明かそう」
大木の根っこのところに良い感じの穴があったので今日はそこを寝床にすることにした。
ちょっとした広場にもなってるし、火を起こしても火事にはならないだろう。と、いうことで。飯だ!肉だ!猪肉をやっきやき~!!
「さて、焼いてる間に骨の加工方法でも考えるか。何に使えるかな?組み合わせたら防具とかできそうだよな~。後は、ゲームでよくある武器、とか?」
実はもう、どうするかは決めていた。防具を作ろう。
理由は超シンプル。痛みを、ダメージを少しでも減らしたい!!
防具以外のものはあまりもので作ろう。
お、良い匂いだ。そろそろ食べごろだな。
焼きあがった肉を食べ、腹が膨れたところで防具製作に取り掛かる。
試行錯誤しながらしばらくやって辿りついたのは
「これ無理だわ。盾作るので精一杯だ。そのくせ盾とか邪魔にしかならいからいらないし」
という何とも残念な結論だった。
それでも盾を1つだけ作っておくことにした。
思ったよりも大量の骨が余ったので今度は武器製作を試みる。簡易的な槍ができただけで終わった。
まだかなり残っていたので、適当に荷物入れを作っておいた。適当に作った割には使い勝手がよく、満足した。
結構疲れたので寝ることにした。さっそくイノシシの毛皮を被る。
「・・・・うん、超獣臭い!!」
毛皮を毛布にするのは諦めた。
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