約束〜必ずもう一度君に〜

矢崎未峻

夢、だよな?

「はぁ、はぁ、はぁ」
 くっそ、なんなんだよなんであんなのがいるんだよ!あれは創作物にでてくる空想の生物じゃないのかよ?ってかなんでそんなのに、ファンタジーの王道、ドラゴンに追い掛けられなきゃいけないんだよ!

「だあああぁぁぁぁぁ!!くそぉぉぉぉ!」

 今それ考えてる余裕ないな。とにかく後ろのやつから逃げよう。
 あれ?追ってきて、ない?なんでだ?どうして追うのをやめた?いや、なにはともあれ、

「どうにかなったん、だよな?」

 一つため息をはき、気持ちを切り替える。
 さて、ここ、どこだ。日本に、いや世界にもこんなところなかったはずなんだけど。
 いやまて、俺が知らないだけでもしかしたら世界のどっかにはこんな場所が・・・ないな。うん、ない。だって、あんな生物世界中のどこ探しても存在しない。
 ならここはどこだ?パッと思いつく候補は、夢、もしくは異世界。後者はないだろう。ファンタジーでもあるまいし。
 となればこれは夢だ。夢ならなにをしても痛くないはず。例えば、やたら攻撃的な顔をしたこの生き物に攻撃されても。ガブッ!あ、咬まれた。大丈夫、夢だから痛くないは・・・あれ?

「痛った!あれ、痛い!なんで?夢じゃなかったのかよ!?」

 夢じゃないならなんなんだ?まさか、ほんとに異世界なのか?いや、やっぱありえない。異世界なんてあるわけねぇ。そもそも俺はどうやってここに来たんだ?てか痛い。てか血が出てきた。まあこれくらいならすぐに止まるだろうから放置だ。
 そんなことより、思い出せ、ひねり出せ!ここで目覚めるまでの事を!あ、やっぱり痛い。

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