記憶共有的異世界物語
第34話:記憶を司る神
コンビニに行く事にした。
無性にエナジードリンクが飲みたくなったからだ。
馬場さんの店に行けばいいのだろうが、純也との一件のせいかBar.レインウォーターは非常に行きにくい。
コンビニに着いた。
エナジードリンクの場所になんの迷いもなくサクっと入り、一本とってレジに向かった。
店員が精算を終えている最中に妙な視線に気付いた。
視線の正体は分からずただ単に【感じた】と言うだけだったが、冬弥の一件のせいで警戒心が極度な過剰反応を示した。
「ありがとうございました~」
店員の軽快な挨拶が耳に入り、そのままコンビニを出た。
視線の正体は依然分からないままだったが、ずっと付きまとわれる感覚はあった。
「おい、いい加減姿ぐらい表したらどうなんだ?ストーカーはこっちじゃ立派な犯罪だぞ?」
僕を追ける人間なんて大体予想が付く。
少なくともこちらの世界の者ではないことは予想がつく。
「犯罪を犯さない最も簡単な方法は倫理から外れた行動をしないことだ」
!!?
急に顔の近くに0距離で人が現れた。
青い髪、青く透き通った瞳。
女性のように見えるその顔立ちには、ミレイ・ノルヴァに似た【何か】を感じた。
「私は【彼】にそう教わって来たんだけど、よくよく考えるとそれって曖昧よねぇ~?」
反射的に後退りしてしまった。
突然の出来事に理解が追いつかなかった。
「そんな怯えなくてもいいのになぁ...。私はニーナ・ノルヴァ。【記憶を司る】女神」
ノルヴァ?
聞き覚えのあるその名前に違和感を感じたが、その違和感はすぐに消えた。
「え~と、貴方って確かお姉ちゃんと面識あったよね?私は【ミレイ・ノルヴァ】の妹...って言えば分かる?」
顔立ちからミレイ・ノルヴァに似た何かを感じたのは姉妹だったからなんだなと気づかされるのと同時に、姉妹なのに髪の色等が全くといっていいほどに似ていない事に驚いた。
フゥ...と一つため息をついて落ち着いた。
「で?記憶を司る女神様が僕に何の用ですか?」
「そんなぁ~とぼけちゃって....」
ニーナ・ノルヴァと名乗ったその神から笑顔が消えた。
「貴方が【ナエラ】を殺したんでしょう?」
「ちょっと待て、何を言っているのかわからない。僕はただ」
そこまで言って、急に発言がキャンセルされた。
「いくらエルフの関心が無くなったからと言っても禁忌の書の存在は変わらんだろ?ならこちら側から干渉したって問題はないと思うんだがな」
勝手に声が出た。
しゃべっているのは自分だが、僕では無い。
「それが大問題になってるからこうやって来てるんじゃない。ホントなんて事をしてくれたの?」
「いや、実際トドメを刺したのはお前の姉だろ?」
「【刺させた】のは貴方だけどね」
沈黙が走る。
ニーナ・ノルヴァの目的は僕ではなく純也のようだったが、純也がナエラを殺した?
理解できない事が連鎖するストレスには、底知れない恐怖のようなものが混ざる。
「で?お前の仕事は僕の処刑か?」
「したくても出来ない事は貴方がよく知っているくせに...貴方のその存在を融合する能力に感謝する事ね」
「おいちょっと待て」
声が出た。
強い感情を出そうとすると声が出るようだ。
「おい待て今なんて言った?存在を融合する能力?」
「え?貴方知らずにこいつと契約したの?」
ニーナ・ノルヴァは【理解できない】と言わんばかりの表情をしていた。
「純也の能力の本質は契約した人間の存在を融合して新しい存在に作り変える...言い換えるところの【侵食能力】よ?契約時に言われなかったの?」
「初耳だぞ...?どういうことだよ純也」
「お前自分に話しかけて悲しくならないのか?」
「話をそらすな!」
「す、すまん」
純也から聞いた話と違った事に物凄い怒りを覚えた。
奈恵が一発で僕が僕じゃないと見抜いたのは純也の新食が半ば完成していたからなのか?
どうしてこうも災難が続くんだ...。
無性にエナジードリンクが飲みたくなったからだ。
馬場さんの店に行けばいいのだろうが、純也との一件のせいかBar.レインウォーターは非常に行きにくい。
コンビニに着いた。
エナジードリンクの場所になんの迷いもなくサクっと入り、一本とってレジに向かった。
店員が精算を終えている最中に妙な視線に気付いた。
視線の正体は分からずただ単に【感じた】と言うだけだったが、冬弥の一件のせいで警戒心が極度な過剰反応を示した。
「ありがとうございました~」
店員の軽快な挨拶が耳に入り、そのままコンビニを出た。
視線の正体は依然分からないままだったが、ずっと付きまとわれる感覚はあった。
「おい、いい加減姿ぐらい表したらどうなんだ?ストーカーはこっちじゃ立派な犯罪だぞ?」
僕を追ける人間なんて大体予想が付く。
少なくともこちらの世界の者ではないことは予想がつく。
「犯罪を犯さない最も簡単な方法は倫理から外れた行動をしないことだ」
!!?
急に顔の近くに0距離で人が現れた。
青い髪、青く透き通った瞳。
女性のように見えるその顔立ちには、ミレイ・ノルヴァに似た【何か】を感じた。
「私は【彼】にそう教わって来たんだけど、よくよく考えるとそれって曖昧よねぇ~?」
反射的に後退りしてしまった。
突然の出来事に理解が追いつかなかった。
「そんな怯えなくてもいいのになぁ...。私はニーナ・ノルヴァ。【記憶を司る】女神」
ノルヴァ?
聞き覚えのあるその名前に違和感を感じたが、その違和感はすぐに消えた。
「え~と、貴方って確かお姉ちゃんと面識あったよね?私は【ミレイ・ノルヴァ】の妹...って言えば分かる?」
顔立ちからミレイ・ノルヴァに似た何かを感じたのは姉妹だったからなんだなと気づかされるのと同時に、姉妹なのに髪の色等が全くといっていいほどに似ていない事に驚いた。
フゥ...と一つため息をついて落ち着いた。
「で?記憶を司る女神様が僕に何の用ですか?」
「そんなぁ~とぼけちゃって....」
ニーナ・ノルヴァと名乗ったその神から笑顔が消えた。
「貴方が【ナエラ】を殺したんでしょう?」
「ちょっと待て、何を言っているのかわからない。僕はただ」
そこまで言って、急に発言がキャンセルされた。
「いくらエルフの関心が無くなったからと言っても禁忌の書の存在は変わらんだろ?ならこちら側から干渉したって問題はないと思うんだがな」
勝手に声が出た。
しゃべっているのは自分だが、僕では無い。
「それが大問題になってるからこうやって来てるんじゃない。ホントなんて事をしてくれたの?」
「いや、実際トドメを刺したのはお前の姉だろ?」
「【刺させた】のは貴方だけどね」
沈黙が走る。
ニーナ・ノルヴァの目的は僕ではなく純也のようだったが、純也がナエラを殺した?
理解できない事が連鎖するストレスには、底知れない恐怖のようなものが混ざる。
「で?お前の仕事は僕の処刑か?」
「したくても出来ない事は貴方がよく知っているくせに...貴方のその存在を融合する能力に感謝する事ね」
「おいちょっと待て」
声が出た。
強い感情を出そうとすると声が出るようだ。
「おい待て今なんて言った?存在を融合する能力?」
「え?貴方知らずにこいつと契約したの?」
ニーナ・ノルヴァは【理解できない】と言わんばかりの表情をしていた。
「純也の能力の本質は契約した人間の存在を融合して新しい存在に作り変える...言い換えるところの【侵食能力】よ?契約時に言われなかったの?」
「初耳だぞ...?どういうことだよ純也」
「お前自分に話しかけて悲しくならないのか?」
「話をそらすな!」
「す、すまん」
純也から聞いた話と違った事に物凄い怒りを覚えた。
奈恵が一発で僕が僕じゃないと見抜いたのは純也の新食が半ば完成していたからなのか?
どうしてこうも災難が続くんだ...。
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