記憶共有的異世界物語
第27話:思わぬ所から
色々話し合った結果、シュンヤはしばらくこちらの世界で暮らすことになった。
常識や知識と言った色々な相違点こそあったが、記憶共有のおかげでこれと言った苦労は無かった。
これでしばらくは安心だろうが、エルフがナエラを狙わないかが心配でしょうがない。
シュンヤは記憶で繋がっていたおかげでこちらに持ってくる事が出来たが、ナエラが襲われた場合シュンヤと同じ方法は使えない。
シュンヤの腹いせに襲われる可能性がある以上、対策を何も考えないと言うのは無責任すぎる話だ。
だからといってすぐに思いつくわけでもないのだが。
「なぁ、ウッドソードって同じ物質にしか変換できねぇの?」
「俺に聞くなよ、お前だって同じ能力持ってんだからそれぐらい分かるだろ?」
知っている。
出来ないことを知っている。
同じ物質にしか変換できない以上、使えることに制限が付きまとう。
例えばテレポート能力付きのドアだったりとか、時間を止める時計だったりとか、そんな物質への変換は出来ない訳だ。
最もそれが出来たらチート以外のナニモノでもないわけで、現実はそう甘くない。
全くクソみたいな話だ。
神が関与するレベルの大事に巻き込まれて、考えたことすら無かった異能力を2つも手に入れて、それでいて尚不足に感じる程の大事を解決しなくてはいけない状態に追い込まれている。
本当にクソみたいな話だ。
しかし不思議なのは神に遭遇するのはいつもシュンヤではなく僕だという事だ。
天界人はバーミアを嫌っているのだろうか?
だとしたら一体何が...。
まぁ深く考えたところで理解できないのは目に見えている。
今考えるべき事はこれからについてだ。それだけ考えていればそれでいい。
フッ...と急に意識が遠のいた。
眠くてたまらない時に、一瞬だけ意識が飛んでハッ!となる...そんな感覚だった。
別に眠かったわけではない。
普通に座っていたし、考え事をしていた。
まるで何かが【通った】かのように意識が飛んだ。
ガシャン...という皿の割れる音がして、僕等はその方向を見た。
奈恵がコーヒーカップを落として割っていた。
スマホをソファーに置いて、しまったと言わんばかりの顔でこちらを見てきた。
キッチンから雑巾を持ってきて奈恵に渡した。
「どうした?」
「ごめん、なんかボーっとしてたっぽい。コップごめん、弁償するよ」
「いや、いいよ別に...」
さっきから悪寒がものすごく強くなっている。
嫌な予感は僕の鼓動を早め、呼吸を荒くした。
不快感が全身を蝕み、嫌な予感はピークを迎えていた。
奈恵がコーヒーを拭き終わり、部屋には静寂が訪れた。
ピーンポーン.......ゴンゴン
ピンポンとドアを叩く音が聞こえた。
インターフォンには人間が写っていたが、その顔がよく見えなかった。「はい。」と言っても返事が無かかったので気味が悪かったのだが、ドアを開けることにした。
インターフォンではよく見えなかったが、そこには冬弥がいた。
「おう、どうした冬弥。よく僕の家がわかったね」
グサリ....
鈍い音が聞こえた。
数秒後に鋭い痛みが下腹部を襲った。
目を下に落とすと、僕の腹には小型のサバイバルナイフが刺さっていた。
血が滲み、そこでやっと刺された事を理解した。
「おまえが....わる....い.....おまえは.....てき」
まるで何者かに操られているかのように冬弥はボソボソと不明瞭に呟いた。
「おいおい....嘘だろ....」
痛みで涙が出てきて、視界が滲んだ。
頭がボーッとし始めて、腹が冷たく冷えてきた。
【ウッドソード】
その場でナイフを液体に変換して地面に落とした。
持ち手の部分が木材で、ブレードが鉄だったので、木はただの木材にして、鉄の部分を防弾チョッキのような形にして止血した。
「誰だった...ッ!!?」
奈恵が声になっていない叫びをあげていたのだが、それよりも今の状況が理解できない。
冬弥はなんで...
止血が足りなかったらしく、僕は倒れた。
視界はハッキリしていたが、徐々に暗くなっていき、しまいには見えなくなった。
直に痛みも感じなくなり、倒れたんだなという自覚だけが残った。
常識や知識と言った色々な相違点こそあったが、記憶共有のおかげでこれと言った苦労は無かった。
これでしばらくは安心だろうが、エルフがナエラを狙わないかが心配でしょうがない。
シュンヤは記憶で繋がっていたおかげでこちらに持ってくる事が出来たが、ナエラが襲われた場合シュンヤと同じ方法は使えない。
シュンヤの腹いせに襲われる可能性がある以上、対策を何も考えないと言うのは無責任すぎる話だ。
だからといってすぐに思いつくわけでもないのだが。
「なぁ、ウッドソードって同じ物質にしか変換できねぇの?」
「俺に聞くなよ、お前だって同じ能力持ってんだからそれぐらい分かるだろ?」
知っている。
出来ないことを知っている。
同じ物質にしか変換できない以上、使えることに制限が付きまとう。
例えばテレポート能力付きのドアだったりとか、時間を止める時計だったりとか、そんな物質への変換は出来ない訳だ。
最もそれが出来たらチート以外のナニモノでもないわけで、現実はそう甘くない。
全くクソみたいな話だ。
神が関与するレベルの大事に巻き込まれて、考えたことすら無かった異能力を2つも手に入れて、それでいて尚不足に感じる程の大事を解決しなくてはいけない状態に追い込まれている。
本当にクソみたいな話だ。
しかし不思議なのは神に遭遇するのはいつもシュンヤではなく僕だという事だ。
天界人はバーミアを嫌っているのだろうか?
だとしたら一体何が...。
まぁ深く考えたところで理解できないのは目に見えている。
今考えるべき事はこれからについてだ。それだけ考えていればそれでいい。
フッ...と急に意識が遠のいた。
眠くてたまらない時に、一瞬だけ意識が飛んでハッ!となる...そんな感覚だった。
別に眠かったわけではない。
普通に座っていたし、考え事をしていた。
まるで何かが【通った】かのように意識が飛んだ。
ガシャン...という皿の割れる音がして、僕等はその方向を見た。
奈恵がコーヒーカップを落として割っていた。
スマホをソファーに置いて、しまったと言わんばかりの顔でこちらを見てきた。
キッチンから雑巾を持ってきて奈恵に渡した。
「どうした?」
「ごめん、なんかボーっとしてたっぽい。コップごめん、弁償するよ」
「いや、いいよ別に...」
さっきから悪寒がものすごく強くなっている。
嫌な予感は僕の鼓動を早め、呼吸を荒くした。
不快感が全身を蝕み、嫌な予感はピークを迎えていた。
奈恵がコーヒーを拭き終わり、部屋には静寂が訪れた。
ピーンポーン.......ゴンゴン
ピンポンとドアを叩く音が聞こえた。
インターフォンには人間が写っていたが、その顔がよく見えなかった。「はい。」と言っても返事が無かかったので気味が悪かったのだが、ドアを開けることにした。
インターフォンではよく見えなかったが、そこには冬弥がいた。
「おう、どうした冬弥。よく僕の家がわかったね」
グサリ....
鈍い音が聞こえた。
数秒後に鋭い痛みが下腹部を襲った。
目を下に落とすと、僕の腹には小型のサバイバルナイフが刺さっていた。
血が滲み、そこでやっと刺された事を理解した。
「おまえが....わる....い.....おまえは.....てき」
まるで何者かに操られているかのように冬弥はボソボソと不明瞭に呟いた。
「おいおい....嘘だろ....」
痛みで涙が出てきて、視界が滲んだ。
頭がボーッとし始めて、腹が冷たく冷えてきた。
【ウッドソード】
その場でナイフを液体に変換して地面に落とした。
持ち手の部分が木材で、ブレードが鉄だったので、木はただの木材にして、鉄の部分を防弾チョッキのような形にして止血した。
「誰だった...ッ!!?」
奈恵が声になっていない叫びをあげていたのだが、それよりも今の状況が理解できない。
冬弥はなんで...
止血が足りなかったらしく、僕は倒れた。
視界はハッキリしていたが、徐々に暗くなっていき、しまいには見えなくなった。
直に痛みも感じなくなり、倒れたんだなという自覚だけが残った。
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