記憶共有的異世界物語
第1話:異世界の記憶
男に連れられて、見知らぬ教会に来た。
まぁ、ここがどこかさえ分かっていないのだからどこに連れられても見知らぬ訳だが...。
「ま、座れや」
男はポケットから石のようなものを取り出し、その石に手をかざした。
男の手から魔法陣のようなものが浮かび上がり、その石が光りだす。
石からコツン...コツン...という音が漏れ出し、石から女性の声が聞こえた。
「どうしたの?あんたが連絡石なんて珍しいんじゃない?」
「いや、ちょっとな。お前テレポート使えるだろ?ちょっと来てくれると嬉しいんだが」
「分かったすぐ行く」
カツン...という音と同時に石は光を失った。
連絡石....女性の声....電話の様なものなのだろうか?
しかし見た目はどう見ても石だし、電波を飛ばしたり受信するような器具が付いているようにも見えなかった。
更に発信時に使ったと考えられるあの魔法陣はどう見たって地球の現象では無かった。
状況整理等が全くといっていいほどに追いついていない中。突然目の前の空間が歪み、その空間の歪みから一人の少女が飛び出してきた。
赤い髪、静かに落ち着いた瞳。そして女性とは思えない程の身長。
高校では割と背の高い方だったはずなのだが、彼女と身長の差を感じない。
「で?急に呼び出して何の用.....」
彼女はそう言ってこっちを睨んできた。
じっと見つめられたので、照れくさくなり思わず目をそらした。
「貴方シュンヤじゃないのね?じゃぁ話に聞いてた俊介?」
色々整理がつかないが、ここは地球とは違う【別世界】と考えて良いようだ。
この体は【シュンヤ】という人間のモノで、彼らは僕の存在を知っている様だった。
しかしまだ情報が足りない。
この状況をハッキリ理解するには、もっと沢山の情報が必要だ。
「僕を知ってるのか?」
赤毛の少女は不思議そうに見つめているのだが、何かしらの答えを出したようで、席についた。
「いい?貴方はシュンヤであって俊介じゃないの。貴方は【記憶の上書き】をされてしまったの」
理解できないとかいう次元を超越した。
記憶の上書き?何を言ってんだ...。
「いい?よく思い出して。貴方は【シュンヤ】一緒に闘って来たでしょ?」
戦う....シュンヤ.....僕の記憶の中にいた人物、僕の記憶と共に成長した人物と一致する。
「そう、それは僕の記憶の中にいた人物だ」
「違う、それは逆なの。貴方の中にいた人物が俊介....貴方はシュンヤなのよ?」
================================
目が覚めた。
気付くと布団の上にいた。
布団に入った覚えは無い。しかし記憶はある。
僕がやった記憶は無い、でも布団に入った記憶ならある。
こんな気味の悪い感覚を後何度味わえばいいんだろう。
それにあの世界は夢だったのだろうか?
同時進行で進む記憶、断片的に記憶されているこの記憶。
自分の記憶と一致する世界に飛ばされる夢...なんて実在するんだろうか?
気味が悪い...。
リアルすぎる夢を見た後の一日は本当に疲労を感じる。
学校に来た。
僕には一応学生としての友人関係を持っている人間が数人いる。
その中の一人がコイツ、【武林 冬弥】。
華奢で眼鏡...見た目的に女と言われても普通に騙せる容姿をしているが、一応男だ。
「やぁ俊介おはよう」
「おはよう」
なんの変哲もない普通の挨拶。
しかし昨日の一件があったせいで、トウヤさえも不審に感じる。
トウヤとあの男が妙にダブる。
「なぁトウヤ、そのポケットに入ってるモノって....」
ポケットの妙な膨らみに気付いて、僕は妙に構えてしまった。
「どうした?今日の俊介なんか変だぞ?これはただのハンカチ。誰だって持ってるだろ?」
「あ、あぁすまん」
夢とは記憶の整理だ...なんて言われているが、仮に何らかの理由で2人分の記憶を【共有】していた場合その整理はどうなるのだろうか?
自分が体を動かし意識的に記憶している【記憶】と、自分の意識外からポンポン入ってくる別世界の【記憶】この2つの整理を同時にした場合だ。
それは両方の世界の記憶がごっちゃになるのではなかろうか?
それなら昨日の夢にも説明が付く...はずがない。
夢に出てきたあの赤毛の女性だ。
こちらの世界でも見覚えがなく、かと言って向こうの世界でも必死に僕が僕でないことを説明していた。
記憶の整理にオリジナルが入ってくるのはおかしい。
仮にここの世界とは違う【別世界】が存在して、何かしらの理由で転移させられたとしたら。
それに何より気味が悪いのが目覚めだ。
僕は布団になんか入っていない。
誰かに無意識下で【操作】された。ということになる。
だったら一体【誰が】操作したのだろうか?
分からない。そしてなにより。
気持ち悪い。
まぁ、ここがどこかさえ分かっていないのだからどこに連れられても見知らぬ訳だが...。
「ま、座れや」
男はポケットから石のようなものを取り出し、その石に手をかざした。
男の手から魔法陣のようなものが浮かび上がり、その石が光りだす。
石からコツン...コツン...という音が漏れ出し、石から女性の声が聞こえた。
「どうしたの?あんたが連絡石なんて珍しいんじゃない?」
「いや、ちょっとな。お前テレポート使えるだろ?ちょっと来てくれると嬉しいんだが」
「分かったすぐ行く」
カツン...という音と同時に石は光を失った。
連絡石....女性の声....電話の様なものなのだろうか?
しかし見た目はどう見ても石だし、電波を飛ばしたり受信するような器具が付いているようにも見えなかった。
更に発信時に使ったと考えられるあの魔法陣はどう見たって地球の現象では無かった。
状況整理等が全くといっていいほどに追いついていない中。突然目の前の空間が歪み、その空間の歪みから一人の少女が飛び出してきた。
赤い髪、静かに落ち着いた瞳。そして女性とは思えない程の身長。
高校では割と背の高い方だったはずなのだが、彼女と身長の差を感じない。
「で?急に呼び出して何の用.....」
彼女はそう言ってこっちを睨んできた。
じっと見つめられたので、照れくさくなり思わず目をそらした。
「貴方シュンヤじゃないのね?じゃぁ話に聞いてた俊介?」
色々整理がつかないが、ここは地球とは違う【別世界】と考えて良いようだ。
この体は【シュンヤ】という人間のモノで、彼らは僕の存在を知っている様だった。
しかしまだ情報が足りない。
この状況をハッキリ理解するには、もっと沢山の情報が必要だ。
「僕を知ってるのか?」
赤毛の少女は不思議そうに見つめているのだが、何かしらの答えを出したようで、席についた。
「いい?貴方はシュンヤであって俊介じゃないの。貴方は【記憶の上書き】をされてしまったの」
理解できないとかいう次元を超越した。
記憶の上書き?何を言ってんだ...。
「いい?よく思い出して。貴方は【シュンヤ】一緒に闘って来たでしょ?」
戦う....シュンヤ.....僕の記憶の中にいた人物、僕の記憶と共に成長した人物と一致する。
「そう、それは僕の記憶の中にいた人物だ」
「違う、それは逆なの。貴方の中にいた人物が俊介....貴方はシュンヤなのよ?」
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目が覚めた。
気付くと布団の上にいた。
布団に入った覚えは無い。しかし記憶はある。
僕がやった記憶は無い、でも布団に入った記憶ならある。
こんな気味の悪い感覚を後何度味わえばいいんだろう。
それにあの世界は夢だったのだろうか?
同時進行で進む記憶、断片的に記憶されているこの記憶。
自分の記憶と一致する世界に飛ばされる夢...なんて実在するんだろうか?
気味が悪い...。
リアルすぎる夢を見た後の一日は本当に疲労を感じる。
学校に来た。
僕には一応学生としての友人関係を持っている人間が数人いる。
その中の一人がコイツ、【武林 冬弥】。
華奢で眼鏡...見た目的に女と言われても普通に騙せる容姿をしているが、一応男だ。
「やぁ俊介おはよう」
「おはよう」
なんの変哲もない普通の挨拶。
しかし昨日の一件があったせいで、トウヤさえも不審に感じる。
トウヤとあの男が妙にダブる。
「なぁトウヤ、そのポケットに入ってるモノって....」
ポケットの妙な膨らみに気付いて、僕は妙に構えてしまった。
「どうした?今日の俊介なんか変だぞ?これはただのハンカチ。誰だって持ってるだろ?」
「あ、あぁすまん」
夢とは記憶の整理だ...なんて言われているが、仮に何らかの理由で2人分の記憶を【共有】していた場合その整理はどうなるのだろうか?
自分が体を動かし意識的に記憶している【記憶】と、自分の意識外からポンポン入ってくる別世界の【記憶】この2つの整理を同時にした場合だ。
それは両方の世界の記憶がごっちゃになるのではなかろうか?
それなら昨日の夢にも説明が付く...はずがない。
夢に出てきたあの赤毛の女性だ。
こちらの世界でも見覚えがなく、かと言って向こうの世界でも必死に僕が僕でないことを説明していた。
記憶の整理にオリジナルが入ってくるのはおかしい。
仮にここの世界とは違う【別世界】が存在して、何かしらの理由で転移させられたとしたら。
それに何より気味が悪いのが目覚めだ。
僕は布団になんか入っていない。
誰かに無意識下で【操作】された。ということになる。
だったら一体【誰が】操作したのだろうか?
分からない。そしてなにより。
気持ち悪い。
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