黒剣の魔王
第15話/魔王国を作るには
『というわけで、今年も始まりました!
我が王国誕生祭中に行われる特別な大会!
その名も『大闘技祭』!
そして今回王がかけた景品はなんと、国土の半分と、その土地の王として君臨する為の権利です!
これは凄い! 王様になるって、ある種のあこがれですよね!』
騒々しいアナウンスが流れる中、俺は一宮君とステラ、スカコンティーと共にコロシアム中央へ出る。
『そしてなんと今回の出場者には、つい先月に和平を結び、多大なる援助をして下さった魔王軍の中から四人の勇猛な猛者が参加されています! なんと、あの元国付き勇者のステラ様、元王国剣士のイチミヤ様が四人のうちの二人として参加するそうです!』
歓声及び喧騒の中、コロシアム中央に立つ。
『さぁ、魔王軍のみなさんの準備が整ったところでルールの説明と行きますね!
この大闘技祭はファーストステージ、セカンドステージの二つによって構成されています!
ファーストステージはコロシアム制で、四方4キロのステージの上で1500人もの人間が、ラスト5人になるまで、相手を再起不能にするかそこから落とし続けるという乱闘ステージです! 魔王軍の皆さんもここからの参加です!』
おいおいマジかよ、めんどくさい。
「なんてめんどくさいことをするのかしら」
「まぁ、いいだろ。本戦までの肩慣らしに」
一宮君とステラは、勇者パーティとして過去二回出場しているらしく、彼らいわく毎年セカンドステージが本線だと言う。
『そしてセカンドステージ!
皆さんお待ちかね、我が国が誇る最強の3人が、勝ち進んできた5人に加わり出場する、トーナメント戦です!
トーナメントに参加する我が国の戦士を紹介します!
一人目は国最強の剣闘士、バルカン選手!
二人目は古代遺跡より発掘された人型先史遺産、リムラ!
三人目は勿論、国民全員のアイドル!
国家戦略級魔導士、クトゥルフ・ルルイエ・オルドワン様!
キャー! 私、声が枯れても応援し続けます♡
ファースト、セカンド、どちらのステージも、魔法、武器の使用は有りとなっています!
説明は以上! さぁ、猛者の皆さん、ファイトだよ!』
ということらしい。
「ファーストステージ参加の皆さん、スタンバイよろしくお願いしまーす!」
スタッフに言われて、コロシアム中央の転移魔法陣をふむ。四方4キロって言ってたからここではやらないと思っていたが、やはり転移するのか......魔法陣使うのめんどいな。
魔法陣は魔力を流し込まなくちゃいけないのに対し、魔法の転移は頭に場所を思い浮かべるだけで転移できる。
なんだ、魔力を流し込むだけじゃないかハハハ。などと思うかもしれないが、魔法陣に魔力を流し込むということは、献血されている状態と同じと考えてもらいたい。要するにやりすぎると死ぬ。マジで。
俺は魔力無限だから頭痛くなるとかで済むけど、一般人、しかも魔力の少ない人とかだと即効でアウトだろうな。
「いくか」
そう言って3人を引き連れて魔法陣を踏む。三人分の魔力も俺が肩代わりだ。なぜなら優勝したいから、一人でも生き残って抜群のコンディションで本戦へと進んでもらうためだ。
さぁ、目指せ王様。そしてその地位によって、周囲を動かして元の世界に転移するすべを探すのじゃー。
お、着いたみたいだな。
『さーて、ファーストステージの参加者が全員揃ったところで開始のゴングと行きましょう!
3!
2!
1!
スタート!』
開始の合図と同時に数人の参加者が走りこちらへ向かってくる。彼らに恨みはないが消えてもらおう。
「スカコンティー」
「ハッ、主の命令とあらば」
そう言ってスカコンティーは彼らに棍棒槍投を食らわせた。相変わらず頭のおかしい破壊力だ。周りにいた数十人も巻き添えくらってんじゃねぇか。
一宮君とステラは最早この場所にはいない。もう狩りに行ったのだろうか、早いな。
さて、俺も動くとしますか。
「風魔法『透過風』」
まず魔法によって俺の姿を隠す。
「雷魔法『雷鳴墜槍』」
雷魔法で周辺の敵を戦闘不能に。
「闇魔法『ローゼンメイデン』」
失神する程の恐怖の幻影を与えるのも忘れずにね☆
「熱魔法『蜃気牢』」
周囲の風景を屈折によってねじ曲げて人をステージの外へ誘導。
「水魔法『豪雨』」
大きめの雲をかけて大雨を起こす。
「風魔法『逆風』」
自身の体に雨が当たらないようにすることも忘れずに。
「闇魔法『死者蘇生』」
アンデッドを生み出して端によった人たちをバンバン落とす。雲をかけたのはこいつらを出すためだったりする。
『おっと、魔王軍のみなさんの攻撃がエグい! ここまでで千人近くが脱落しています!』
逆にここまでやって500人近くが残ってるのね!? おどろきだわぁ、怖、王国。バケモノの国かよ。
あまり時間をかけているわけにも行かないので、サクッとこの場を終了させることにした。
「神魔法『裁き』」
ドゴォォォォォォオ、という轟音とともにステージ場に空から大量の赤い液体が降ってくる。マグマだ。
俺達に取ってはぬるま湯なのだが、俺達が相手とみなした者には容赦ないくらいに熱い(体感1000度くらいらしい。イストゥム談)と言う。
俺に殺す意志がなければ、相手はただ熱いと感じているうちに失神しておしまい。
今回はさらに、そのままステージ外へとマグマによって流される使用になっている。
さ、早く終わるよね? これで。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『いやー、何かわかってはいたんですけど、魔王軍の皆さん激強ですね! こと魔王様に関してはもう頭おかしいんじゃないかと思いました!』
そんなアナウンスを聴きながら、俺達魔王軍4人は無事に残った。
さらにあのマグマの中、一人生き残った猛者がいるらしい。
「我が名はカッセル、真の王になる男よ! ハッハッハ!」
……めんどくさいタイプの人が残ってしまったようだ。ハゲで黒光りしてて筋骨隆々。白のタンクトップに黒のジーンズ。暑苦しいな。
『では、セカンドステージへ進出する5人が決まったところで、ファーストステージは終了となります! ありがとうございました!』
俺達魔王軍と暑苦しいおっさんをひとり残して、ファーストステージは静かに幕を閉じたのだった。
我が王国誕生祭中に行われる特別な大会!
その名も『大闘技祭』!
そして今回王がかけた景品はなんと、国土の半分と、その土地の王として君臨する為の権利です!
これは凄い! 王様になるって、ある種のあこがれですよね!』
騒々しいアナウンスが流れる中、俺は一宮君とステラ、スカコンティーと共にコロシアム中央へ出る。
『そしてなんと今回の出場者には、つい先月に和平を結び、多大なる援助をして下さった魔王軍の中から四人の勇猛な猛者が参加されています! なんと、あの元国付き勇者のステラ様、元王国剣士のイチミヤ様が四人のうちの二人として参加するそうです!』
歓声及び喧騒の中、コロシアム中央に立つ。
『さぁ、魔王軍のみなさんの準備が整ったところでルールの説明と行きますね!
この大闘技祭はファーストステージ、セカンドステージの二つによって構成されています!
ファーストステージはコロシアム制で、四方4キロのステージの上で1500人もの人間が、ラスト5人になるまで、相手を再起不能にするかそこから落とし続けるという乱闘ステージです! 魔王軍の皆さんもここからの参加です!』
おいおいマジかよ、めんどくさい。
「なんてめんどくさいことをするのかしら」
「まぁ、いいだろ。本戦までの肩慣らしに」
一宮君とステラは、勇者パーティとして過去二回出場しているらしく、彼らいわく毎年セカンドステージが本線だと言う。
『そしてセカンドステージ!
皆さんお待ちかね、我が国が誇る最強の3人が、勝ち進んできた5人に加わり出場する、トーナメント戦です!
トーナメントに参加する我が国の戦士を紹介します!
一人目は国最強の剣闘士、バルカン選手!
二人目は古代遺跡より発掘された人型先史遺産、リムラ!
三人目は勿論、国民全員のアイドル!
国家戦略級魔導士、クトゥルフ・ルルイエ・オルドワン様!
キャー! 私、声が枯れても応援し続けます♡
ファースト、セカンド、どちらのステージも、魔法、武器の使用は有りとなっています!
説明は以上! さぁ、猛者の皆さん、ファイトだよ!』
ということらしい。
「ファーストステージ参加の皆さん、スタンバイよろしくお願いしまーす!」
スタッフに言われて、コロシアム中央の転移魔法陣をふむ。四方4キロって言ってたからここではやらないと思っていたが、やはり転移するのか......魔法陣使うのめんどいな。
魔法陣は魔力を流し込まなくちゃいけないのに対し、魔法の転移は頭に場所を思い浮かべるだけで転移できる。
なんだ、魔力を流し込むだけじゃないかハハハ。などと思うかもしれないが、魔法陣に魔力を流し込むということは、献血されている状態と同じと考えてもらいたい。要するにやりすぎると死ぬ。マジで。
俺は魔力無限だから頭痛くなるとかで済むけど、一般人、しかも魔力の少ない人とかだと即効でアウトだろうな。
「いくか」
そう言って3人を引き連れて魔法陣を踏む。三人分の魔力も俺が肩代わりだ。なぜなら優勝したいから、一人でも生き残って抜群のコンディションで本戦へと進んでもらうためだ。
さぁ、目指せ王様。そしてその地位によって、周囲を動かして元の世界に転移するすべを探すのじゃー。
お、着いたみたいだな。
『さーて、ファーストステージの参加者が全員揃ったところで開始のゴングと行きましょう!
3!
2!
1!
スタート!』
開始の合図と同時に数人の参加者が走りこちらへ向かってくる。彼らに恨みはないが消えてもらおう。
「スカコンティー」
「ハッ、主の命令とあらば」
そう言ってスカコンティーは彼らに棍棒槍投を食らわせた。相変わらず頭のおかしい破壊力だ。周りにいた数十人も巻き添えくらってんじゃねぇか。
一宮君とステラは最早この場所にはいない。もう狩りに行ったのだろうか、早いな。
さて、俺も動くとしますか。
「風魔法『透過風』」
まず魔法によって俺の姿を隠す。
「雷魔法『雷鳴墜槍』」
雷魔法で周辺の敵を戦闘不能に。
「闇魔法『ローゼンメイデン』」
失神する程の恐怖の幻影を与えるのも忘れずにね☆
「熱魔法『蜃気牢』」
周囲の風景を屈折によってねじ曲げて人をステージの外へ誘導。
「水魔法『豪雨』」
大きめの雲をかけて大雨を起こす。
「風魔法『逆風』」
自身の体に雨が当たらないようにすることも忘れずに。
「闇魔法『死者蘇生』」
アンデッドを生み出して端によった人たちをバンバン落とす。雲をかけたのはこいつらを出すためだったりする。
『おっと、魔王軍のみなさんの攻撃がエグい! ここまでで千人近くが脱落しています!』
逆にここまでやって500人近くが残ってるのね!? おどろきだわぁ、怖、王国。バケモノの国かよ。
あまり時間をかけているわけにも行かないので、サクッとこの場を終了させることにした。
「神魔法『裁き』」
ドゴォォォォォォオ、という轟音とともにステージ場に空から大量の赤い液体が降ってくる。マグマだ。
俺達に取ってはぬるま湯なのだが、俺達が相手とみなした者には容赦ないくらいに熱い(体感1000度くらいらしい。イストゥム談)と言う。
俺に殺す意志がなければ、相手はただ熱いと感じているうちに失神しておしまい。
今回はさらに、そのままステージ外へとマグマによって流される使用になっている。
さ、早く終わるよね? これで。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『いやー、何かわかってはいたんですけど、魔王軍の皆さん激強ですね! こと魔王様に関してはもう頭おかしいんじゃないかと思いました!』
そんなアナウンスを聴きながら、俺達魔王軍4人は無事に残った。
さらにあのマグマの中、一人生き残った猛者がいるらしい。
「我が名はカッセル、真の王になる男よ! ハッハッハ!」
……めんどくさいタイプの人が残ってしまったようだ。ハゲで黒光りしてて筋骨隆々。白のタンクトップに黒のジーンズ。暑苦しいな。
『では、セカンドステージへ進出する5人が決まったところで、ファーストステージは終了となります! ありがとうございました!』
俺達魔王軍と暑苦しいおっさんをひとり残して、ファーストステージは静かに幕を閉じたのだった。
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