元神様の異世界放浪記(仮
第8話 目には目、歯に歯は、大規模破壊魔法には?
「我は綴る。召喚。第16階梯。秘奥。転の位。召喚、物体、無制限、発動。大規模転送」
左手が真語を宙に綴り、呪句を唱えると目の前に片膝をついた巨人騎士だった。魔導騎士輸送機の格納庫に待機させてあった俺用に調整された白い魔導騎士だ。
逃げ出すだけならこれを呼ぶ必要はなかったが、何も出来ないメフィリアを保護しながら、この戦域を撹乱するとなると、魔導騎士の操縦槽内が一番安全だ。差し出された手に乗り操縦槽に搭乗する。内部は宙に浮いている座席とそれに付随する操縦桿と操踏桿の他に計器といくつかのスイッチがあるだけで、外部を映す映像板はない。操縦槽内の壁面総てが映像版だからだ。
メフィリアを抱えたまま操縦席に座りベルトで座席に固定する。騎体が俺の意思を読み取り右手を挙げる。
「我は綴る。基本。第6階梯。感の位。星海、衛星、共感、視野、俯瞰、発動。衛星視力」
魔導騎士の右手が宙に真語を綴り、俺の唱える呪句によって完成した魔法によって、脳内にこの周囲を上から見た映像が映し出される。
「包囲網を狭めてきてるな……。魔導従士が10000騎、魔導騎士が3000騎程か。歩兵と騎兵が数万は居るな。ん?あれは魔導弩弓兵まで用意してるのか。なかなか壮観だな。上空には……………………魔導戦艦まで居るのか」
こういう圧倒的不利な戦いを前に高揚してる……悪い癖だな。
「しかし戦術を知らないのだろうか?魔導騎士と歩兵や騎兵を同じ部隊に配置とか素人が威嚇に数だけ揃えたって感じだな」
「我は綴る。拡大。第11階梯。変の位。脚力、増加、循環、変化、瞬転、発動。加速」
魔導騎士の右手が宙に真語を綴り、俺の唱える呪句によって完成した魔法によって猛スピードで駆け出す。この魔導騎士の走破性能と加速の魔法で2キロ弱の距離を一気に詰める。
慌てて魔導弩弓兵が射撃始めるがろくに狙ってない射撃があたるはずもなく、各騎4射ほどしたところで後ろの下がる。残り300メートルきってるから騎体単価の高い魔導弩弓兵の損害を恐れて後ろに下げたんだろうな。
「馬鹿め。あの数でこの距離なら水平射撃すれば回避は困難だろうに……」
左腰の真剛鉱製の片手半剣を抜剣し更に加速する。先頭集団は魔導従士だが、ずんぐりした体型故か動きがやや緩慢だ、それ以前に魔導操手が未熟だ。この手の一対多数の戦闘は囲んで回避スペースを潰すのが定石だ。それがバラバラに襲い掛かってくる。練度が低いのか?
最初の一振りで先頭の騎体を真横に切断した。この真剛鉱製の片手半剣なら当然の切断力だが、それにしても柔すぎる。まさかとは思うが量産コストを下げるために装甲を鋳造製にしてるのではあるまいな?
最初の一振りから既に10分ほど暴れまわっている。一騎につき一振りないし一突きで操縦槽か頭部を狙う。乱戦になりちょこちょこ敵の攻撃が当たる様になったが、真剛鉱製の装甲はさすがに抜けない。だが衝撃は完全に殺せないし抜けた衝撃が徐々に俺の騎体を蝕んでいく。それに人工筋肉を冷却する冷却水もかなり減ってきた。あと15分全力稼動出来るかどうかだろうか?
もう何騎潰したか覚えていない。移動中に足元でウロウロしていた歩兵などは一体どれだけ踏み潰したり蹴り飛ばして肉片に変えただろう。意図して殺った訳ではないが絵面的にメフィリアには見せたくないな。まだ意識が戻らないことに感謝。
全身弛緩するギリギリまでひたすら斬って斬って斬りまくって混乱させないと。後は族長たちは俺の言うとおりに動いているだろうか?その時一騎の鉾槍を構えた魔導騎士が行く手を阻む。
「未開の蛮人が生意気にも魔導騎士に乗るなど生意気な奴め!この……」
誰かは知らないが、脚を止めるでもなく接近し魔導騎士の首を飛ばす。騎士社会において最も屈辱的な敗北を意味するが、そんな事は知らん。
周囲から「なんて卑劣な……」とか「卑怯千万」とか「伯爵様の敵を取れ!」とか拡声器で喚いているが、ここ戦場だぞ?
「ん?そうか。こいつ等にとっては未開の蛮族を踏みつぶす程度のピクニックだったか……」
更に戦場を蹂躙しそろそろ騎体の応答速度が怪しくなってきた時に騎体に強い衝撃が襲った。周囲には切り伏せた騎体だけだし、功に逸った魔導弩弓兵の水平射撃か?
更に一射されたがこれは回避した。飛来した方を見れば巨大な複合弓を持った魔導騎士だ。あれだけのサイズの弓は製造も面倒で使い手も少ないが技量も凄いな。反応のないメフィリアを乗せていなければ手合わせしたかったが……………。
「む、それそろ限界か」
騎体の動きが緩慢になってきた。映像板に冷却水切れと騎体加熱の警告が出ている。幸いだったのが20分以上斬って斬って切り伏せ続けて損害を恐れて近接戦を仕掛けてくる奴がいなくなったので周囲50メートルに敵がいない状態が包囲されているのに違いはない。足元も残骸だらけだし即接近されることはないだろう。
「そろそろ最後の仕上げか」
緊急冷却液を開放して騎体温度を一気に下げる。冷却液が気化し周囲が蒸気によって真っ白になる。然るべき操作で脳核ユニットと補助脳核ユニットを取り出しベルトポーチにしまう。この時点で騎体は一切操作できなくなる。この脳核ユニットさえあれば騎体の再建は可能だ。
視界が晴れる前に強い衝撃を受け騎体が転倒する。俺の身体は操縦席にベルトで固定してるから良かったが、危うくメフィリアを落とすところだった。
仰向けに転倒したのでもうハッチは開閉できない。普通なら脱出不能だが今回はこれでいい。
「我は綴る。統合。第3階梯。改の位。定義、条件、指定、引き金。綴る。八大。第16階梯。秘奥。攻の位。閃光、拡散、太陽、溶解、延焼、炸裂、解放、発動。灼熱溶解焼夷炸裂球」
右手はメフィリアを抱えたままなので、左手で宙に真語を綴り、呪句を詠唱し、完成するがこの時点では発動しない。さて、次の魔法だ。
「我は綴る。精神。第12階梯。呪の位。注目、引寄、執着、拡大、発動。操虜呪」
左手で宙に真語を綴り、呪句を詠唱し、完成する。こっちの魔法は最初の魔法を有効にするためのモノ。最後は略式で緊急脱出を唱える。俺とメフィリアは何処だかわからない泉の畔に降り立っていた。そして程なくして北の空が真っ赤に染まった。
「さらば。愛騎よ」
我が軍を蹂躙し続けた白い鬼神と言うべき魔導騎士が稼働限界を迎えたようで動きが緩慢になり全身から蒸気を噴出している。強制冷却が始まったようだ。強制冷却が始まると人工筋肉が固まってしまい再起動まで時間がかかる。とりあえず我が弓で仕留めるとしよう。
特注の眼球ユニットによる補正もあって500メートルの距離でも私なら必中距離だ。だがそれを避けた白い鬼神には敬意を表して特別製の矢を使おう。右腰に取り付けてある矢筒から一本の矢を引き抜く。大枚叩いて購入した真剛鉱製の鏃だ。真剛鉱は今の時代では精錬する事ができなくて魔導機器王朝時代の生産品以外では手に入らない。それを番え狙いを定める。
「この鏃で貫けぬ騎体はいない!名も知らぬ勇者よ。せめてこの一矢で苦しまず逝くがいい」
まだ水蒸気で目標はほぼ視認できないがそれでも矢を放つ。放物線を描いて矢は後ろから左肩に突き刺さった。強制冷却中の騎体が致命傷を避けただと……。
騎体は前のめりに倒れる。あれでは開閉装置が機能しなくなるから搭乗者を捕らえることも可能だろう。せめて苦しまずに逝かせてやりたかったが仕方あるまい……。
「サラトガ会戦の英雄バートランド卿が打倒したぞ!」という誰かの拡声器越しの声に味方が湧き上がる。それにあわせて何騎が手柄を横取りする為に倒れた騎体に向かって走り出す。最終的な手柄は首級を挙げたものに帰するのでこういう事もある。釣られるように他の騎体も走り出す。略奪も可なので何かしら戴こうという事だろう。
「私も鏃の回収をしないとな」そう呟くと騎体を進める。特に急いでいた訳ではないが200メートルほど進んだあたりで「白き悪魔の首級は、このザーウィン男爵が取ったぞ!」と言う拡声器越しの声と高々と白い騎体の首を掲げる。
その時、掲げられた頭部が赤く輝き映像板全体が真っ赤な光に塗りつぶされた。その後直ぐに爆音が聞こえ私の騎体は後ろに吹き飛ばされた。
「私は気を失っていたのか……」
草原に寝かされていた。周囲を見回すと直ぐ側に私の愛騎トーラスが無残な姿で横たわっていた。前面装甲は原型を留めないほど変形している。変形と言うより熔けていると言うべきか。
「一体何が……」
あたり一面は焼け野原というか草木一本も残っていなかった。もちろん白い鬼神もそれに群がっていた我々の同胞達も……。
後で部下の報告で判った事だが、赤い閃光と共に草木や人体は燃え尽き、騎体は超高温で溶解したらしい。たまたま私は範囲ぎりぎりだったらしく助かったらしい。しかし愛騎トーラスは装甲は溶解し、人工筋肉は炭化し、特注の眼球ユニットもダメになり骨格も熱変形して破棄対象らしい。唯一の救いは脳核ユニットが無事だった事だろうか。真剛鉱製の鏃も特注の複合弓も燃え尽きたらしい。一体どれだけの高温だったのだろう?いまだに周囲は高温で近寄れないらしい。
もうひとつ悪い知らせは、未開の蛮族の拠点に乗りこんだ神聖皇帝と親衛隊が大損害を受けたらしいと言う話だった。
左手が真語を宙に綴り、呪句を唱えると目の前に片膝をついた巨人騎士だった。魔導騎士輸送機の格納庫に待機させてあった俺用に調整された白い魔導騎士だ。
逃げ出すだけならこれを呼ぶ必要はなかったが、何も出来ないメフィリアを保護しながら、この戦域を撹乱するとなると、魔導騎士の操縦槽内が一番安全だ。差し出された手に乗り操縦槽に搭乗する。内部は宙に浮いている座席とそれに付随する操縦桿と操踏桿の他に計器といくつかのスイッチがあるだけで、外部を映す映像板はない。操縦槽内の壁面総てが映像版だからだ。
メフィリアを抱えたまま操縦席に座りベルトで座席に固定する。騎体が俺の意思を読み取り右手を挙げる。
「我は綴る。基本。第6階梯。感の位。星海、衛星、共感、視野、俯瞰、発動。衛星視力」
魔導騎士の右手が宙に真語を綴り、俺の唱える呪句によって完成した魔法によって、脳内にこの周囲を上から見た映像が映し出される。
「包囲網を狭めてきてるな……。魔導従士が10000騎、魔導騎士が3000騎程か。歩兵と騎兵が数万は居るな。ん?あれは魔導弩弓兵まで用意してるのか。なかなか壮観だな。上空には……………………魔導戦艦まで居るのか」
こういう圧倒的不利な戦いを前に高揚してる……悪い癖だな。
「しかし戦術を知らないのだろうか?魔導騎士と歩兵や騎兵を同じ部隊に配置とか素人が威嚇に数だけ揃えたって感じだな」
「我は綴る。拡大。第11階梯。変の位。脚力、増加、循環、変化、瞬転、発動。加速」
魔導騎士の右手が宙に真語を綴り、俺の唱える呪句によって完成した魔法によって猛スピードで駆け出す。この魔導騎士の走破性能と加速の魔法で2キロ弱の距離を一気に詰める。
慌てて魔導弩弓兵が射撃始めるがろくに狙ってない射撃があたるはずもなく、各騎4射ほどしたところで後ろの下がる。残り300メートルきってるから騎体単価の高い魔導弩弓兵の損害を恐れて後ろに下げたんだろうな。
「馬鹿め。あの数でこの距離なら水平射撃すれば回避は困難だろうに……」
左腰の真剛鉱製の片手半剣を抜剣し更に加速する。先頭集団は魔導従士だが、ずんぐりした体型故か動きがやや緩慢だ、それ以前に魔導操手が未熟だ。この手の一対多数の戦闘は囲んで回避スペースを潰すのが定石だ。それがバラバラに襲い掛かってくる。練度が低いのか?
最初の一振りで先頭の騎体を真横に切断した。この真剛鉱製の片手半剣なら当然の切断力だが、それにしても柔すぎる。まさかとは思うが量産コストを下げるために装甲を鋳造製にしてるのではあるまいな?
最初の一振りから既に10分ほど暴れまわっている。一騎につき一振りないし一突きで操縦槽か頭部を狙う。乱戦になりちょこちょこ敵の攻撃が当たる様になったが、真剛鉱製の装甲はさすがに抜けない。だが衝撃は完全に殺せないし抜けた衝撃が徐々に俺の騎体を蝕んでいく。それに人工筋肉を冷却する冷却水もかなり減ってきた。あと15分全力稼動出来るかどうかだろうか?
もう何騎潰したか覚えていない。移動中に足元でウロウロしていた歩兵などは一体どれだけ踏み潰したり蹴り飛ばして肉片に変えただろう。意図して殺った訳ではないが絵面的にメフィリアには見せたくないな。まだ意識が戻らないことに感謝。
全身弛緩するギリギリまでひたすら斬って斬って斬りまくって混乱させないと。後は族長たちは俺の言うとおりに動いているだろうか?その時一騎の鉾槍を構えた魔導騎士が行く手を阻む。
「未開の蛮人が生意気にも魔導騎士に乗るなど生意気な奴め!この……」
誰かは知らないが、脚を止めるでもなく接近し魔導騎士の首を飛ばす。騎士社会において最も屈辱的な敗北を意味するが、そんな事は知らん。
周囲から「なんて卑劣な……」とか「卑怯千万」とか「伯爵様の敵を取れ!」とか拡声器で喚いているが、ここ戦場だぞ?
「ん?そうか。こいつ等にとっては未開の蛮族を踏みつぶす程度のピクニックだったか……」
更に戦場を蹂躙しそろそろ騎体の応答速度が怪しくなってきた時に騎体に強い衝撃が襲った。周囲には切り伏せた騎体だけだし、功に逸った魔導弩弓兵の水平射撃か?
更に一射されたがこれは回避した。飛来した方を見れば巨大な複合弓を持った魔導騎士だ。あれだけのサイズの弓は製造も面倒で使い手も少ないが技量も凄いな。反応のないメフィリアを乗せていなければ手合わせしたかったが……………。
「む、それそろ限界か」
騎体の動きが緩慢になってきた。映像板に冷却水切れと騎体加熱の警告が出ている。幸いだったのが20分以上斬って斬って切り伏せ続けて損害を恐れて近接戦を仕掛けてくる奴がいなくなったので周囲50メートルに敵がいない状態が包囲されているのに違いはない。足元も残骸だらけだし即接近されることはないだろう。
「そろそろ最後の仕上げか」
緊急冷却液を開放して騎体温度を一気に下げる。冷却液が気化し周囲が蒸気によって真っ白になる。然るべき操作で脳核ユニットと補助脳核ユニットを取り出しベルトポーチにしまう。この時点で騎体は一切操作できなくなる。この脳核ユニットさえあれば騎体の再建は可能だ。
視界が晴れる前に強い衝撃を受け騎体が転倒する。俺の身体は操縦席にベルトで固定してるから良かったが、危うくメフィリアを落とすところだった。
仰向けに転倒したのでもうハッチは開閉できない。普通なら脱出不能だが今回はこれでいい。
「我は綴る。統合。第3階梯。改の位。定義、条件、指定、引き金。綴る。八大。第16階梯。秘奥。攻の位。閃光、拡散、太陽、溶解、延焼、炸裂、解放、発動。灼熱溶解焼夷炸裂球」
右手はメフィリアを抱えたままなので、左手で宙に真語を綴り、呪句を詠唱し、完成するがこの時点では発動しない。さて、次の魔法だ。
「我は綴る。精神。第12階梯。呪の位。注目、引寄、執着、拡大、発動。操虜呪」
左手で宙に真語を綴り、呪句を詠唱し、完成する。こっちの魔法は最初の魔法を有効にするためのモノ。最後は略式で緊急脱出を唱える。俺とメフィリアは何処だかわからない泉の畔に降り立っていた。そして程なくして北の空が真っ赤に染まった。
「さらば。愛騎よ」
我が軍を蹂躙し続けた白い鬼神と言うべき魔導騎士が稼働限界を迎えたようで動きが緩慢になり全身から蒸気を噴出している。強制冷却が始まったようだ。強制冷却が始まると人工筋肉が固まってしまい再起動まで時間がかかる。とりあえず我が弓で仕留めるとしよう。
特注の眼球ユニットによる補正もあって500メートルの距離でも私なら必中距離だ。だがそれを避けた白い鬼神には敬意を表して特別製の矢を使おう。右腰に取り付けてある矢筒から一本の矢を引き抜く。大枚叩いて購入した真剛鉱製の鏃だ。真剛鉱は今の時代では精錬する事ができなくて魔導機器王朝時代の生産品以外では手に入らない。それを番え狙いを定める。
「この鏃で貫けぬ騎体はいない!名も知らぬ勇者よ。せめてこの一矢で苦しまず逝くがいい」
まだ水蒸気で目標はほぼ視認できないがそれでも矢を放つ。放物線を描いて矢は後ろから左肩に突き刺さった。強制冷却中の騎体が致命傷を避けただと……。
騎体は前のめりに倒れる。あれでは開閉装置が機能しなくなるから搭乗者を捕らえることも可能だろう。せめて苦しまずに逝かせてやりたかったが仕方あるまい……。
「サラトガ会戦の英雄バートランド卿が打倒したぞ!」という誰かの拡声器越しの声に味方が湧き上がる。それにあわせて何騎が手柄を横取りする為に倒れた騎体に向かって走り出す。最終的な手柄は首級を挙げたものに帰するのでこういう事もある。釣られるように他の騎体も走り出す。略奪も可なので何かしら戴こうという事だろう。
「私も鏃の回収をしないとな」そう呟くと騎体を進める。特に急いでいた訳ではないが200メートルほど進んだあたりで「白き悪魔の首級は、このザーウィン男爵が取ったぞ!」と言う拡声器越しの声と高々と白い騎体の首を掲げる。
その時、掲げられた頭部が赤く輝き映像板全体が真っ赤な光に塗りつぶされた。その後直ぐに爆音が聞こえ私の騎体は後ろに吹き飛ばされた。
「私は気を失っていたのか……」
草原に寝かされていた。周囲を見回すと直ぐ側に私の愛騎トーラスが無残な姿で横たわっていた。前面装甲は原型を留めないほど変形している。変形と言うより熔けていると言うべきか。
「一体何が……」
あたり一面は焼け野原というか草木一本も残っていなかった。もちろん白い鬼神もそれに群がっていた我々の同胞達も……。
後で部下の報告で判った事だが、赤い閃光と共に草木や人体は燃え尽き、騎体は超高温で溶解したらしい。たまたま私は範囲ぎりぎりだったらしく助かったらしい。しかし愛騎トーラスは装甲は溶解し、人工筋肉は炭化し、特注の眼球ユニットもダメになり骨格も熱変形して破棄対象らしい。唯一の救いは脳核ユニットが無事だった事だろうか。真剛鉱製の鏃も特注の複合弓も燃え尽きたらしい。一体どれだけの高温だったのだろう?いまだに周囲は高温で近寄れないらしい。
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