最強転生者の異世界無双
修行の成果
気がついたら俺は10歳になっていた。
何言ってるかわからないだろうが、そのままの意味なので説明することはできない。
午前は剣、午後は魔術、と修行を続けていくうちに10歳になっていたのだ。
修行中に魔物を討伐することもあった。父さんの宣言通り、3歳の時には森の魔物を危なげなく狩ることができた。まあ、それによって調子に乗っていたら父さんの修行が激化してしまったが。
そして5歳になり、森の主と言われる魔物を討伐することもでき、修行の成果を実感できた。
そして10歳になった今、俺は父さんと向き合っていた。なぜなら、修行の成果を確認するためだ。
「さて、ユーマよ。お前の力を俺に示してみろ」
「わかってますよ、父さん」
俺たちはは殺気を出しながら睨み合っている。その表情は両者ともに微笑んでいるが、目は笑っていない。近くにいる魔物も逃げ出していくのがわかる。
「父さん!こっちからいくぞ!」
掛け声とともに俺は父さんとの距離を瞬時に詰める。そのままの勢いで父さんの胴をなぐ。父さんはその一撃を難なく受け止める。
…はずだった
「何っ⁉︎」
父さんは驚愕した、と言うような声を上げている。
なぜなら、俺の剣はすでに俺の手を離れていたからだ。
奇襲、それは最も有効といえる攻撃手段。だが、今回の作戦は失敗すれば、相当厳しい戦いとなる。故に、戸惑っている父さんの懐に潜り込み、全力で掌底をいれた。
そして、剣を回収し、距離をとった。少しの安堵を感じてしまった。
その一瞬の隙をつき父さんが迫ってくる。突き出してくる鋭い突きを横に転がるようにしてよけ、反撃をしようとすると、そこにはもうすでに剣が迫っていた。
「うおおおお!」
俺は体と剣の間にかろうじて自身の剣を潜り込ませたが、そんな苦し紛れの防御で防ぎきれるわけもなく、そのまま俺は吹き飛ばされてしまった。父さんはそのまま追撃を加えようとする。だが、俺はこれを待っていた。
父さんの横薙ぎを体を大きく逸らすことでよけ、そのまま回転して、父さんの顎に膝蹴りを叩き込もうとした。父さんは首を捻ってよけるが、当然俺もこれで終わるなんて思っちゃいない。そのまま膝を伸ばし、今度は足の甲で顎を狙った。父さんは体ごと後ろに逸らし避けようとするが、避けきれず、父さんの顎に掠らせることができた。
顎は人体の弱点の1つだ。顎を揺らせば例えどんなに強くとも、脳が揺れることを防ぐことはできない。
辛い脳震盪を起こしかけている父さんに向けて全力の一撃を叩き込む。決まった!俺はそう思った。そう、油断してしまったのだ。
父さんは俺の一撃を半身をずらして避け、そのまま俺に蹴りを放ってきた。
油断していた俺は防ぐこともできず、直接食らってしまう。
「ぐっ⁉︎」
「舐めるなよ、ユーマ。この程度で終わるなら、俺は過去に『剣聖』などと呼ばれていない!」
そうだ、何を忘れていたんだ、俺は。無名の剣士である俺が『剣聖』ライオスに挑む。これはそういうもののはずだ。格上相手に油断など出来るはずもない!
「まだだ、父さん!俺はまだ終わっちゃいない!」
相当さんに向かって叫ぶ。そうは言うが、さっきの一撃の威力と疲労を考えると、もうあまり猶予はない。次の一撃に全てを賭けるしか勝機はない!
「いくぞ、父さん!奥義『紅桜』」
『紅桜』。俺が父さんに黙ってたまに練習していた奥義。それは例え木剣であろうが、人を殺す力を持つ。だが、父さんを倒すにはそれくらいはしなければならない。
「ぉぉおおおおお!」
「無駄だ!正面ならば力で勝る俺が勝つのは明白!この勝負、俺の勝ちだ!」
くそっ、このままいけば紅桜を正面から受け止められる可能性が高い。
まあ、わかってたけどね、そんなことは。
俺は最初と同じで父さんの剣と俺の剣が当たる寸前に剣を手放した。
「何っ⁉︎」
「最後にようやく油断してくれたね、父さん!」
だが、このままいけば俺が父さんの懐に入るよりも先に父さんの剣が俺に当たってしまう。だから俺は、その場で身を反転した。
そしてそのまま振り下ろされる父さんの手を掴み一気に投げた。
『一本背負い』
実戦で使うには難しいこの技だが、何度も何度も練習をし、裏をかいた時に使うためにタイミングを計っていた、この瞬間なら成功する。
だが、父さんの体の強さを舐めてはいけない。このまま地面に叩きつけても起き上がるだろう。だから俺は、投げている途中に手を離し、前を向いた。そして未だ空中にいる父さんの腹に拳をねじ込んだ。
その一撃は綺麗に決まり、父さんはすごい勢いで飛んで行き、後ろの大木にあたり、止まった。
「ぐっ!はあ、はあ、くそ、もう立ち上がれんな。お前の勝ちだ、ユーマ」
それを聞いた瞬間俺の頭には先ほどの戦いも忘れてただただ喜びが満ち溢れていた。
勝った、俺の中で絶対強者であった父さんにやっと勝つことができた。もう一度やれと言われてもおそらく勝てないだろう。だが、それでも今日この瞬間の勝利を噛み締めていたい。
そう考えつつ、俺は視界は怪我と疲労で暗闇に包まれた。
何言ってるかわからないだろうが、そのままの意味なので説明することはできない。
午前は剣、午後は魔術、と修行を続けていくうちに10歳になっていたのだ。
修行中に魔物を討伐することもあった。父さんの宣言通り、3歳の時には森の魔物を危なげなく狩ることができた。まあ、それによって調子に乗っていたら父さんの修行が激化してしまったが。
そして5歳になり、森の主と言われる魔物を討伐することもでき、修行の成果を実感できた。
そして10歳になった今、俺は父さんと向き合っていた。なぜなら、修行の成果を確認するためだ。
「さて、ユーマよ。お前の力を俺に示してみろ」
「わかってますよ、父さん」
俺たちはは殺気を出しながら睨み合っている。その表情は両者ともに微笑んでいるが、目は笑っていない。近くにいる魔物も逃げ出していくのがわかる。
「父さん!こっちからいくぞ!」
掛け声とともに俺は父さんとの距離を瞬時に詰める。そのままの勢いで父さんの胴をなぐ。父さんはその一撃を難なく受け止める。
…はずだった
「何っ⁉︎」
父さんは驚愕した、と言うような声を上げている。
なぜなら、俺の剣はすでに俺の手を離れていたからだ。
奇襲、それは最も有効といえる攻撃手段。だが、今回の作戦は失敗すれば、相当厳しい戦いとなる。故に、戸惑っている父さんの懐に潜り込み、全力で掌底をいれた。
そして、剣を回収し、距離をとった。少しの安堵を感じてしまった。
その一瞬の隙をつき父さんが迫ってくる。突き出してくる鋭い突きを横に転がるようにしてよけ、反撃をしようとすると、そこにはもうすでに剣が迫っていた。
「うおおおお!」
俺は体と剣の間にかろうじて自身の剣を潜り込ませたが、そんな苦し紛れの防御で防ぎきれるわけもなく、そのまま俺は吹き飛ばされてしまった。父さんはそのまま追撃を加えようとする。だが、俺はこれを待っていた。
父さんの横薙ぎを体を大きく逸らすことでよけ、そのまま回転して、父さんの顎に膝蹴りを叩き込もうとした。父さんは首を捻ってよけるが、当然俺もこれで終わるなんて思っちゃいない。そのまま膝を伸ばし、今度は足の甲で顎を狙った。父さんは体ごと後ろに逸らし避けようとするが、避けきれず、父さんの顎に掠らせることができた。
顎は人体の弱点の1つだ。顎を揺らせば例えどんなに強くとも、脳が揺れることを防ぐことはできない。
辛い脳震盪を起こしかけている父さんに向けて全力の一撃を叩き込む。決まった!俺はそう思った。そう、油断してしまったのだ。
父さんは俺の一撃を半身をずらして避け、そのまま俺に蹴りを放ってきた。
油断していた俺は防ぐこともできず、直接食らってしまう。
「ぐっ⁉︎」
「舐めるなよ、ユーマ。この程度で終わるなら、俺は過去に『剣聖』などと呼ばれていない!」
そうだ、何を忘れていたんだ、俺は。無名の剣士である俺が『剣聖』ライオスに挑む。これはそういうもののはずだ。格上相手に油断など出来るはずもない!
「まだだ、父さん!俺はまだ終わっちゃいない!」
相当さんに向かって叫ぶ。そうは言うが、さっきの一撃の威力と疲労を考えると、もうあまり猶予はない。次の一撃に全てを賭けるしか勝機はない!
「いくぞ、父さん!奥義『紅桜』」
『紅桜』。俺が父さんに黙ってたまに練習していた奥義。それは例え木剣であろうが、人を殺す力を持つ。だが、父さんを倒すにはそれくらいはしなければならない。
「ぉぉおおおおお!」
「無駄だ!正面ならば力で勝る俺が勝つのは明白!この勝負、俺の勝ちだ!」
くそっ、このままいけば紅桜を正面から受け止められる可能性が高い。
まあ、わかってたけどね、そんなことは。
俺は最初と同じで父さんの剣と俺の剣が当たる寸前に剣を手放した。
「何っ⁉︎」
「最後にようやく油断してくれたね、父さん!」
だが、このままいけば俺が父さんの懐に入るよりも先に父さんの剣が俺に当たってしまう。だから俺は、その場で身を反転した。
そしてそのまま振り下ろされる父さんの手を掴み一気に投げた。
『一本背負い』
実戦で使うには難しいこの技だが、何度も何度も練習をし、裏をかいた時に使うためにタイミングを計っていた、この瞬間なら成功する。
だが、父さんの体の強さを舐めてはいけない。このまま地面に叩きつけても起き上がるだろう。だから俺は、投げている途中に手を離し、前を向いた。そして未だ空中にいる父さんの腹に拳をねじ込んだ。
その一撃は綺麗に決まり、父さんはすごい勢いで飛んで行き、後ろの大木にあたり、止まった。
「ぐっ!はあ、はあ、くそ、もう立ち上がれんな。お前の勝ちだ、ユーマ」
それを聞いた瞬間俺の頭には先ほどの戦いも忘れてただただ喜びが満ち溢れていた。
勝った、俺の中で絶対強者であった父さんにやっと勝つことができた。もう一度やれと言われてもおそらく勝てないだろう。だが、それでも今日この瞬間の勝利を噛み締めていたい。
そう考えつつ、俺は視界は怪我と疲労で暗闇に包まれた。
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