真実はいつもひとつ?

夜咲 彩花

いつもの日常 3日目

(えーっと、これとこれと…あとこれでいっか)

光は、空のために学校の近くのコンビニで買い物をしていた。基本お金は持ち歩かない主義だが、少しのものなら買えるだけのお金は持っていたようだ。

(ついでに俺のおやつも買っとくか。……ひさしぶりにこれで……「あ、ひかくーん!」……?)

ついでにと思い、自分用のお菓子を決めていたところ、クラスが一緒の敷井しきい すずと出会った。孤独を愛す光の数少ない友達である。

「ああ、すずか。何してんだ?」

「それはこっちが聞きたいところ……っと、そういや空先生が休んでんだっけ。僕はちょっとコンビニに涼みに来ただけだよ。……鈴だけにn「分かった。で、なんの用?」……最後まで言わせてよ……って、見かけたから呼んだだけだよ。」

「そんだけ?まあいいか、じゃ、俺空姉……っと、空先生の所行ってくるわ」

「分かった、じゃーねー」

この敷居 鈴は特殊なキャラクターだと光は思っている。女子っぽい喋り方、女子っぽい格好、をしているボクっ娘…ではなく、ただの男なのだ。小さい頃から可愛いと言われ続け、2人いる姉たちの着せ替え人形の如く、女物を着せられていたらしい。それがいつしか、男の格好より落ち着くようになったとかなんとか。(本人曰く)

(とりあえずこんなもんか)


☆☆☆アパート


ピンポーン
『はーい、いまでまーす』

光は、住んでいる部屋がすぐ近くなので、一旦着替えてから行こうかと思ったが、やはり面倒くさくなったのでそのまま行くことにした。

ガチャ「はいはーい……って、なんだ光か」

「なんだとは何だ、なんだとは。取り敢えず渡すもんあるから部屋上がらせろ。」

「女の子の部屋にズカズカ入ってくるつもりですか〜〜〜?」

「……へ〜、そんなこと言っちゃうんだ。そーかそーか」

「……なによ、その勿体ぶった顔は。腹立つからやめろ」

「いやいや、いーんだよ?空『先生』。俺、こんなもん持ってるけど、やっぱいらないかー」

「っな!それは期間限定のボリボリくん沖縄黒糖味!何故それをっ…」

「いらない?いらないね分かったじゃあ俺が持って帰ってたb「上がるのを許可する」……なあ、なにこのくだり、必要ないだろ」

どちらかが病気で休んでいる時は、その好物(空の好物はボリボリくんというアイスである)を持っていくと言うことを小さい時からやっていたため、それに忌避感は無いものの、高校に上がってからは、追加でこのやり取りが入ってきたのだ。
光は鬱陶しそうにしているが。

「まあまあいいじゃん、さぁ、早く上がって」

「お邪魔しまーす」

「で、どうだった?今日なんかあった?」

「何もなかった」

「つまり寝てたのね」

「……まて、こぶしをつくるな。そして振り上げるな!」

「いやいや、授業中に寝る子には罰を〜…………」バタンッ

「って、おい!大丈夫か!」

いつも通り接しているとは言っても、やはり風邪を引いていることに間違いはないのである。光は倒れた空をベットまで持ち運んだ。

「…………なあ、重いんだg「死ね」ドゴッ……ぐふっ!」

いつも一言多い光である。





「……イテテ……んで?調子はどうだ?」

「……全然大丈夫よ」

「そうには見えねえけどな。取り敢えずこれ飲んで落ち着け。あと体温計で熱はかっとけ」

「……ありがと……」

「いらん見栄を張るな。病人は静かに寝てろ」

光は小さい頃、よく病気になっていたため、空はよく光の看病をしていた。そのせいか、空は光には見栄を張ることが多々あった。

「少し台所借りるぞ。あと卵もいくつか貰うぞ」

一人暮らしが長い光は家事全般なら何でもこなせるようになっていた。その中でも、料理は気持ち悪いほどのこだわりを見せている。
本人曰く、

「まずい飯はいらん」

とのこと。
たいして空は、食えればいい、それより汚いの嫌という人なので、掃除や洗濯、片付けが得意である。

「……やったー、空の飯は旨いんだよねぇ。嬉しいわぁ……」

「それは良かったな。ほれ、簡単な卵のお粥できだぞ」

「……あぁ、ありが、とぉ……」

「……まて、めっちゃ熱高いじゃねえか。ちょっと待て!熱さまシートは!どこにある!」

「……冷蔵、庫、の中に……」

「わかった!すぐ持ってくる!」

体温計を見た光はその高さに驚いた。40度の高熱で、風邪でこんなに出るのか!?と内心叫んでいた。

「あった、よし、これ貼っとけ。今日はもう動くな。俺もなんかあった時のためにここに居るから」

「……いや、いいよ。風邪移っちゃうし……」

「馬鹿か、40度の奴ほっとくとか有り得ねえだろ。おかゆはここ置いとくから、食べたくなったら言え。食わせてやるから」

「……ほんと、ごめんね……」

「俺がしたいことだから謝んな」

光も小さい頃、幾度となく面倒を見てもらっているので、このくらいはして当然と思っていた。むしろ、やらなければいけないと思っていたほどだ。

(やばいな、こうなるなら一旦家に戻っとくんだった着替えたい……あ、そうだ)

「空姉、服が汗で濡れてるなら着替えるの手伝うぞ」

「……死ね変態……」

「え?」

「……お前、人の、着替え、覗く気か……」

「……あ」

空を心配する余り、考えがごちゃごちゃになっていたようだ。光る自体、心配していただけだがそれが裏目に出てしまったらしい。

「……ありが、とな。……とり、あえず、寝る……」

「分かった。なんかあった時呼んでくれ」

「……ん……」

(……寝たか。だいぶ疲れてたんだな。……後は……部屋の片付けでもしとくか)

空が寝たのを見届けて、光は今自分に出来ることを考えてし始めた。

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