男子高校生5人が本気で彼女を作ろうと努力してみる!

片山樹

10話 妹とお話

 トコトコ。
俺の後ろを可愛らしい足音が付いてくる。
本当にこういう所は可愛いというのに。
何故、口は悪いのだろう。

「なぁーお前ってさ。彼氏とかいんの?」
 ふと、思ったことを尋ねてみる。
まぁー居たとしてもその彼氏をぶっ殺しに行くだけだけど。

「はぁ……? まじで意味わかんないし。それにいる、いないとして何? お父さん気取り?」

 確かに親父から家の事を頼むと任された。
意識していないだけで代わりを務めているのかもしれない。

「さぁーどうだろ。それでどうなんだよ?」

「ここはノーコメントとさせていただきます」
 深々と妹が頭を下げた。
どうやら女優とかの記者会見をモチーフにしているらしい。

「では、次の質問です。貴方はお兄さんのことを好きですか?」

 妹の顔が見る見る内に真っ赤に染まった。

「お、おい……どうしたんだよ?」

「べ、別に何もないし!」
 妹の足音がトコトコからドタドタに変わった。どうやら少し怒っているらしい。
それにしても人の態度ってのはすぐにでるね。

 ガチャリンコっていう感じで俺の部屋に二人で入る。俺の部屋は本当に殺風景だ。
あるのは机とベットぐらいだ。
マニフェストに近いのかもしれない。
 ベットにちょこんと妹は座る。
俺は机の上にレジの袋を置き、椅子に座った。

「ねぇー。それでお土産は?」
 甘えるような声で妹が手を差し出した。

「やれやれ……。ほらよ」
 そう言って、俺は袋からメントスを投げる。
それをおっとっとと妹が受け取り、一粒食べた。妹は大のメントス好きである。

「モグモグ……お…、美味しいっ!」
 妹の笑顔が見れた。
それだけでも今日の出来事は良かったとしよう。だってそうしないとあまりにも惨めだしな。

「あ、言うの忘れてたけどな。お母さんに大人になったとか言っちゃダメだからな。もし言ったら、今度はお土産無しだからな」
 そう、念を押して言っておく。
すると妹はこくこくと頷いた。
馬鹿だけど分かりやすくて素直な妹で良かった。俺がそんな極極、平凡な毎日の楽しみを改めて実感をしていたそんな時だった。

俺のスマホが音をブーブーと軽快に鳴った。
はぁー、誰だろうか。

そう思い、スマホを見てみるとそこには『H:今日はありがとうございました』という通知が来ていた。

えっ? これってさ。
フラグ立った?

やったぜ! 最高!

やぁ〜ほぉ〜い!

まじ、最高!

俺ってもしかして合コンの才能ある?


いぇーいいぇーい! まじで最高だぜ!

「お兄ちゃん、キモい! まじキモい! 花伸ばしてまじでキモい! あ、あぁ……も、ももももしかして!? 風呂上がりの私に……よ、欲情を!?」

「なわけあるかっ!? ほらほら、ガキは帰った帰った。お兄ちゃんは今から用事ができた。
じゃあ〜な」

 妹の背中をポンポンと押して、強引に部屋から出す。

さぁ〜て。これはどうしたものか。

困ったものだ。

何せ、俺は合コン初心者。
こういうときの反応は困る。

とりあえず、こんな時はネットに相談……と言いたいところだが、失敗例(C)がいるわけですし、やめとこ。

そうだな、とりあえず風呂に入ってからそれは考えるとしよう。

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