男子高校生5人が本気で彼女を作ろうと努力してみる!

片山樹

9話 帰宅

 ルンルン気分で家に帰宅。
ドタドタドタと走ってくる音がした。
妹だった。
後ろには母親の姿があった。
父親は単身赴任で1人東北の方に行っているので一応家に居る家族は俺が帰ってきたらすぐに駆けつけたわけだ。
何だ……この変な感じ。

「あ、あんた! 私、聞いたわよ。アンタ、大人になったんだってね!」

 うっ……クソ。
妹の野郎。親に言いやがった。

「いや、なってねぇーよ!」

「あら、やだ! らっしゃい。アンタって意外とモテるのね。生まれた時はどこの子供と思える程に猿だったのに……今では女でも作って」

 猿とは失礼な。
ってか生まれたばっかは皆、猿みたいな顔だろ。猫型ロボットが主人公の漫画でも言ってたぞ。

「ってかな。俺は女とかできてねぇーし。まだ……」
 少し見栄っ張りを張ってやった。
男は黙ってハッタリだぜ。

「あら、何その? まだ……って。何かワケアリな感じ? お母さんも協力するから大丈夫よ!」

 うん! 分かったよ! お母さん!
って、なるわけねぇーだろ。バァーカ。
あのな、お母さんが恋愛を協力する物語ってのはラノベ的に面白いと思うぞ。最近ではお母さんが大活躍のラノベが発売されたし需要はあると思うぞ。だけどな、考えてみろ。
お母さんが恋愛に協力って……最終的にお母さんがヒロインフラグビンビンに立ってるじゃねぇーかよ! オタクとギャルが同盟組む物語みたいになるぞ。まじで。

「妹……後から俺の部屋に来い。話がある」
 いや、話では無い。
これは一方的な攻めである。
圧倒的なお仕置きである。
ってか、攻めって言ったらエロいな。

「はぁ? 嫌だし。馬鹿お兄ちゃんの部屋なんか行かないし! バァーカバァーカ!?」

 くっ……クソ。怒りマークがピキピキと漫画だったら表現される程に俺の怒りはピークに来ていた。

「別に来なくてもいいんだぜ。俺はお土産を買ってきた。欲しくないなら来なくてもいいぞ。じゃあな」

「う、うそうそ!? お土産ほしい!」

 どうやらまだガキだ。
扱いは楽である。

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