異世界転移!~俺は金(マネー)で強くなる!~
十三話:マネー男と闇と暗黒と
闇剣士は正々堂々向かってくるが、暗黒騎士は後ろから襲ってくることが多い―――。時間帯は昼。闇剣士は女で暗黒騎士は男―――。
満月になる日の昼……それが今日。
闇剣士の名はルーフェ。暗黒騎士の名はアージスト。闇剣士は髪の毛で顔が見えず、暗黒騎士は仮面があるので顔が見えない、ついでに暗黒騎士はローブを着ている。
闇剣士は剣と魔術、暗黒騎士は魔術に長けている。
街はがやがやしてるようにも見えるが、ほとんどすべてが冒険者。町の人々は避難しており、強い者、力がある者だけが残っている。
正面突破されるのなら、その程度のことは気にされないだろう。
「ふう。早く来い、もう体が熱くなってるぜ!!」
それっぽいかっこいいことを言ってみたのだが、実際そうだ。体が熱い。
というか、物理的に暑い。
健樹
二十二歳
独身
称号:異世界人
魔力:21670(₊20600)
速度:21652(₊20600)
体力:21613(₊20600)
攻撃力:21616(₊20600)
防御力:21617(₊20600)
属性:火/水
スキル:マネー・チェンジ/マネー・買/マネー・売/鑑定不可能LV15/鑑定LV2
所有マネー:5000
昨日から今日で依頼を受けまくって30000マネーを貰ったが、鑑定をLV2で買ったおかげで5000マネーも消費してしまった。何故だ。
そして、割り振ったもの、初期のステータス以外にまた上がっている項目については俺が自力であげたものだ。努力あるのみ。
ひゅう……。
風の方向が変わり、冷たい風が緩やかに南に駆け抜ける。
「私は熱くはないわよ。今となっては逆に寒いくらいね。というか、確か彼らが来るときってこんな感じの風が来るんだっけ?」
「ああそうだよ。来たってことだろ? まあ道の真ん中に居たら注目を付けられるのもそれはそうだよな。それに強いし?」
「自分で言うことじゃないわよ。……でも、強いのは認めるわ」
ラフェエニル
三百歳
独身
称号:異世界専門女神(初心者)/剣士
魔力:1360(₊1000)
速度:1660(₊1000)
体力:1655(₊1000)
攻撃力:1440(₊1000)
防御力:1770(₊1000)
属性:聖
スキル:女神パワー/聖光/マネー・チェンジ/鑑定不可能LV1
所有マネー:0
ラフェエニルのステータスは自力で上げたものだ。前1000マネーを割り振った切り彼女のステータスを動かしていないのだ。
勿論俺優先ということもあるが、少し罪悪感もある。
家に帰ったら残りの5000マネーをあげようとおもった。
「――――――」
「うわぁ!? って、マジか!?」
「健樹君!」
後ろから「死神の鎌」と呼ばれるSSランクの武器を振り下ろされた。驚いた俺は急いで飛びのき、何とか直撃は避けたが腕が焼けるように痛い。
恐らく、皮がむけている。
尻もちをついて座り込んでいると、ラフェエニルから声が上がった。
「―――目標者、発見」
真っ黒な仮面、漆黒のローブ、やけに似合っている銀色に光る死神の鎌。武器のことについてまでは書かれていなかったが、恐らくそれは最近取得したもの。
今はそう納得させたが、わざと全て知らせることは無かったというのもあり得る。
大賢者の試練的な。
静かに抑揚のない声でそう言った―――レージスト。
「――――――」
「きゃっ……―――聖光」
「――――――」
真正面から俺にも目で追えない速さで突っ込んできたのは前髪が鼻まである女性。体は黒いオーラを纏っており、服については全体的に真っ黒だ。
闇騎士、ルーフェが一歩下がる。
プレッシャー、威圧感。
俺は唾液を飲み、飲み込む際の音をしっかりと聞き取った。
「ルーフェ」
「レージスト」
短く名のり、二人はそれぞれ俺とラフェエニルに突っ込んだ―――のではなく。
レージストが何もない地面から無数の闇の影を生み出し、それらが俺に向かってくる。攻撃力も結構なものだが俺にはまだ及ばない。
察するに、これはただの足止め。
彼らが狙っているのはラフェエニルだ。俺にも分かる。
「はっ……―――!?」
突き通る。
剣をいくら振ってもダメージを受けない。というか、通り抜ける。
「チッ。ファイアーボール!!」
試しに火属性の中級魔術、ファイアーボールを撃つ。すると少しだけだがダメージが通った。俺の魔力量は結構なもの、撃ち続ければ……とは思ったが。
「―――」
無詠唱でルーフェが撃ちだしたのは影属性の魔術。珍しいな。
「きゃっ! 女神パワ」
「―――」
ラフェエニルが反撃をする前にレージストが死神の鎌で強制的に発動される寸前の魔術を解除する。世界の魔術師達が挑む命題をいとも簡単にやってのけた。
ラフェエニルが影魔術に纏わりつかれて身動きが取れず、どうしてしまったのか突然気絶した。
「……幻覚系魔術。目の前、めまいするよう仕掛けた」
「へぇへぇ……てめえらにとっては教えてもいいくらいの低級なのかよっ……ファイアボム!!」
下から火が燃え上がり、ルーフェを中心に爆発しようとする、その寸前。死神の鎌で炎が切り裂かれて跡形もなく消えていった。
ファイアボムは接近戦に向いている上級魔術。
Cランクまでの冒険者ならばこれで瀕死、即死くらいにはいけるだろう威力。
それを鎌一振りで消されては、俺も悔しい。
今はラフェエニルを助けるのが先だ、陰の集団が来ようと俺はどうでもいい。
魔力:21000(₊20600)
魔力が600くらい減っている、少しキツイかもしれない。
「俺が倒れるのが先か、てめえらが死ぬのが先か、測らせてもらうぜ!!」
敗北は、経験した。
だから勝つことにこだわる必要もないとかそんなのは分かっている。
今は、倒さなければいけない。
――――――大切な仲間を、とりもどすために。
満月になる日の昼……それが今日。
闇剣士の名はルーフェ。暗黒騎士の名はアージスト。闇剣士は髪の毛で顔が見えず、暗黒騎士は仮面があるので顔が見えない、ついでに暗黒騎士はローブを着ている。
闇剣士は剣と魔術、暗黒騎士は魔術に長けている。
街はがやがやしてるようにも見えるが、ほとんどすべてが冒険者。町の人々は避難しており、強い者、力がある者だけが残っている。
正面突破されるのなら、その程度のことは気にされないだろう。
「ふう。早く来い、もう体が熱くなってるぜ!!」
それっぽいかっこいいことを言ってみたのだが、実際そうだ。体が熱い。
というか、物理的に暑い。
健樹
二十二歳
独身
称号:異世界人
魔力:21670(₊20600)
速度:21652(₊20600)
体力:21613(₊20600)
攻撃力:21616(₊20600)
防御力:21617(₊20600)
属性:火/水
スキル:マネー・チェンジ/マネー・買/マネー・売/鑑定不可能LV15/鑑定LV2
所有マネー:5000
昨日から今日で依頼を受けまくって30000マネーを貰ったが、鑑定をLV2で買ったおかげで5000マネーも消費してしまった。何故だ。
そして、割り振ったもの、初期のステータス以外にまた上がっている項目については俺が自力であげたものだ。努力あるのみ。
ひゅう……。
風の方向が変わり、冷たい風が緩やかに南に駆け抜ける。
「私は熱くはないわよ。今となっては逆に寒いくらいね。というか、確か彼らが来るときってこんな感じの風が来るんだっけ?」
「ああそうだよ。来たってことだろ? まあ道の真ん中に居たら注目を付けられるのもそれはそうだよな。それに強いし?」
「自分で言うことじゃないわよ。……でも、強いのは認めるわ」
ラフェエニル
三百歳
独身
称号:異世界専門女神(初心者)/剣士
魔力:1360(₊1000)
速度:1660(₊1000)
体力:1655(₊1000)
攻撃力:1440(₊1000)
防御力:1770(₊1000)
属性:聖
スキル:女神パワー/聖光/マネー・チェンジ/鑑定不可能LV1
所有マネー:0
ラフェエニルのステータスは自力で上げたものだ。前1000マネーを割り振った切り彼女のステータスを動かしていないのだ。
勿論俺優先ということもあるが、少し罪悪感もある。
家に帰ったら残りの5000マネーをあげようとおもった。
「――――――」
「うわぁ!? って、マジか!?」
「健樹君!」
後ろから「死神の鎌」と呼ばれるSSランクの武器を振り下ろされた。驚いた俺は急いで飛びのき、何とか直撃は避けたが腕が焼けるように痛い。
恐らく、皮がむけている。
尻もちをついて座り込んでいると、ラフェエニルから声が上がった。
「―――目標者、発見」
真っ黒な仮面、漆黒のローブ、やけに似合っている銀色に光る死神の鎌。武器のことについてまでは書かれていなかったが、恐らくそれは最近取得したもの。
今はそう納得させたが、わざと全て知らせることは無かったというのもあり得る。
大賢者の試練的な。
静かに抑揚のない声でそう言った―――レージスト。
「――――――」
「きゃっ……―――聖光」
「――――――」
真正面から俺にも目で追えない速さで突っ込んできたのは前髪が鼻まである女性。体は黒いオーラを纏っており、服については全体的に真っ黒だ。
闇騎士、ルーフェが一歩下がる。
プレッシャー、威圧感。
俺は唾液を飲み、飲み込む際の音をしっかりと聞き取った。
「ルーフェ」
「レージスト」
短く名のり、二人はそれぞれ俺とラフェエニルに突っ込んだ―――のではなく。
レージストが何もない地面から無数の闇の影を生み出し、それらが俺に向かってくる。攻撃力も結構なものだが俺にはまだ及ばない。
察するに、これはただの足止め。
彼らが狙っているのはラフェエニルだ。俺にも分かる。
「はっ……―――!?」
突き通る。
剣をいくら振ってもダメージを受けない。というか、通り抜ける。
「チッ。ファイアーボール!!」
試しに火属性の中級魔術、ファイアーボールを撃つ。すると少しだけだがダメージが通った。俺の魔力量は結構なもの、撃ち続ければ……とは思ったが。
「―――」
無詠唱でルーフェが撃ちだしたのは影属性の魔術。珍しいな。
「きゃっ! 女神パワ」
「―――」
ラフェエニルが反撃をする前にレージストが死神の鎌で強制的に発動される寸前の魔術を解除する。世界の魔術師達が挑む命題をいとも簡単にやってのけた。
ラフェエニルが影魔術に纏わりつかれて身動きが取れず、どうしてしまったのか突然気絶した。
「……幻覚系魔術。目の前、めまいするよう仕掛けた」
「へぇへぇ……てめえらにとっては教えてもいいくらいの低級なのかよっ……ファイアボム!!」
下から火が燃え上がり、ルーフェを中心に爆発しようとする、その寸前。死神の鎌で炎が切り裂かれて跡形もなく消えていった。
ファイアボムは接近戦に向いている上級魔術。
Cランクまでの冒険者ならばこれで瀕死、即死くらいにはいけるだろう威力。
それを鎌一振りで消されては、俺も悔しい。
今はラフェエニルを助けるのが先だ、陰の集団が来ようと俺はどうでもいい。
魔力:21000(₊20600)
魔力が600くらい減っている、少しキツイかもしれない。
「俺が倒れるのが先か、てめえらが死ぬのが先か、測らせてもらうぜ!!」
敗北は、経験した。
だから勝つことにこだわる必要もないとかそんなのは分かっている。
今は、倒さなければいけない。
――――――大切な仲間を、とりもどすために。
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