【書籍化作品】無名の最強魔法師
限界を超えた究極のダンジョン(後編)
「なんだよ……リネラス……何か問題でもあるのか?」
「大ありよ! ユウマ! ちょっと手伝ってほしいの!」
いあ、だってお前……さっきダンジョンって言ってたって事はダンジョンを作るのを手伝って欲しいって事だろ?
放置してたら魔物が出てくるダンジョンとか作ったら駄目だろうに……。
それに何かあったら絶対! ユウマもーんとか言ってくるだろう?
そんな面倒な事を、モジモジと上目づかいで見ながら言って来ても答えは決まっている。
「だが、断る!」
「えええ! どうしてよ! ユウマのケチ!」
「ケチで結構」
俺は中庭から、宿に繋がる扉を上げて中に入ろうとすると、リネラスが俺の前に立ちはだかってきた。
おいおい、しつこすぎるだろ。
「わかったわ! ユウマの言い分もあると思うの! だからね! 4割! ダンジョンから出た収益の4割をユウマに上げるわ!」
はっきり言ってお金は、そんなに気にはしてないんだがな。
「疲れているから、それ以外なら相手してやるからな……」
さすがに今日はいろいろあったからな。
そろそろ寝たいというか休みたい。
「うう……分かったわ」
どうやらリネラスは、納得してくれたようだ。
さて、これ以上問題になる前に自分の部屋に戻るとするか。
「じつはユウマ……あなたが、このイルカリュックに入れてきた海産物だけど……ユウマがダンジョンマスターになってモンスターとして配置すれば、いつでも収穫できるようになるんだけど……」
「まったく仕方ないなー!」
おいおい、そういうメリットはさっさと言えよな。
つまり俺がダンジョンマスターになれば、いくらでも海産物が取り放題になるって事じゃないか。
「さすが、ユウマね! 分かってくれると思っていたわ!」
「当たり前だろ? 同じ冒険者ギルドの仲間じゃないか! まったく……俺が私利私欲で動くとでも? 仲間が頼ってきたら手助けするのが冒険者仲間だろ?」
「それじゃユウマこれ」
リネラスが、四次元イルカリュックサックからダンジョンコアを取り出すと俺に差し出してくる。
俺はそれを受け取ると、中庭に新たに作った花壇の中に埋める。
「ユウマ、ダンジョンコアに魔力を注入してみて!」
魔力か……。
どんな風に込めればいいのか分からないが、まぁ――とりあえずリネラスを抱いて魔力で【身体強化】した時みたいに、ダンジョンコアも魔力で覆えばなんとかなるだろう。
「さて、やってみるか!」
俺はダンジョンコアに手を触れると自身の体と同時にダンジョンコアも魔力で覆われるように想像し【身体強化】の魔法を発動させる。
すると魔法の発動と同時にダンジョンコアが埋められた花壇から巨大な閃光が天に向かって迸り、光が消えると花壇には花壇いっぱいのダンジョン入り口が出来ており地下に階段が続いていた。
俺は急いでダンジョンの中を見る。
中を見通す事は出来ない……。
「これから、どうするんだ?」
「えっとたしか……主が生きてる限りダンジョンから魔物が出てくる事はないと習ったことがあるから……」
ふむ……。
つまり俺が死んだら出てくると。
「で、どうして俺が生きてると魔物が出てこないんだ?」
「だって魔物が生きて行く上で必要なのは人と同じで食事だから! ユウマが生きてる限りユウマの魔力で生きてるから大丈夫!」
おい……それっ大丈夫じゃないだろ。
自動的に俺の魔力が消費されるって事じゃないか。
「それに、ダンジョンが出来ただけで魔物が居る訳じゃないから!」
「ん? そうなのか?」
「うん! ユウマは一応ダンジョンマスターだから! その石板に触れないと作れないし」
ふむ……。
たしかに入り口の左手には石で造られた高さ2メートル程のモノリスがあるな……。
俺はモノリスを見ながら。
注意事項1:魔力が高い人が作るととんでもない迷宮が出来上がるから絶対作らないように。100階層を超えたらSランク冒険者が何十人挑んでもクリアできないからね。世界が滅びるよ?
注意事項2:ダンジョンの大きさによって強いモンスターが生まれるよ
注意事項3:ダンジョンマスターが倒されると迷宮が無くなるよ?
「この注意事項はなんだ? 読むだけで危険な匂いがしてくるんだが?」
「さ、さあ? 私も冒険者ギルドが固有のダンジョンを占有してるのは習ったけど、こんな注意事項なんて聞いたことないよ」
つまり……俺の場合は普通とは違うダンジョンが出来てしまったと。
何より、魔物がもう作られてしまったような文言が気になる。
「ユ、ユウマ。こ、これって……」
「ああ……どうやら魔力が多いやつが作ったらいけないらしいな。このモノリスの所に書いてある数字が作られた階層を現してるみたいだな。255階層か、どれだけすごい階層になってるんだろうな。さて、寝るか……」
まぁ俺が生きてる限り魔物が出てくる事はないんだろうし。
最悪、移動式冒険者ギルド宿屋は閉店して異空間に放置したままでもいいからな。
寝ようと立ち去ろうとするとリネラスが俺の腕を掴んできた。
「まって!ユウマ。これ絶対に調査しないといけない部類の迷宮な気がするんだけど、ユウマもそう思うよね?」
「お前が調査してこいよ。責任はお前にあるんだら」
「ええ!? ユウマも賛同したよね?」
「まぁ、落ちつけ! 今回の話はリセラスがもってきた。俺はリネラスに騙されてちょっとダンジョンコアに魔力を流してしまった。つまり悪いのはリネラスだけって事だ。全部、リネラスがやったってことにすれば全てが丸く収まる。完璧だろ?」
「完璧じゃないから! 私だけが悪くなってるから!」
「大ありよ! ユウマ! ちょっと手伝ってほしいの!」
いあ、だってお前……さっきダンジョンって言ってたって事はダンジョンを作るのを手伝って欲しいって事だろ?
放置してたら魔物が出てくるダンジョンとか作ったら駄目だろうに……。
それに何かあったら絶対! ユウマもーんとか言ってくるだろう?
そんな面倒な事を、モジモジと上目づかいで見ながら言って来ても答えは決まっている。
「だが、断る!」
「えええ! どうしてよ! ユウマのケチ!」
「ケチで結構」
俺は中庭から、宿に繋がる扉を上げて中に入ろうとすると、リネラスが俺の前に立ちはだかってきた。
おいおい、しつこすぎるだろ。
「わかったわ! ユウマの言い分もあると思うの! だからね! 4割! ダンジョンから出た収益の4割をユウマに上げるわ!」
はっきり言ってお金は、そんなに気にはしてないんだがな。
「疲れているから、それ以外なら相手してやるからな……」
さすがに今日はいろいろあったからな。
そろそろ寝たいというか休みたい。
「うう……分かったわ」
どうやらリネラスは、納得してくれたようだ。
さて、これ以上問題になる前に自分の部屋に戻るとするか。
「じつはユウマ……あなたが、このイルカリュックに入れてきた海産物だけど……ユウマがダンジョンマスターになってモンスターとして配置すれば、いつでも収穫できるようになるんだけど……」
「まったく仕方ないなー!」
おいおい、そういうメリットはさっさと言えよな。
つまり俺がダンジョンマスターになれば、いくらでも海産物が取り放題になるって事じゃないか。
「さすが、ユウマね! 分かってくれると思っていたわ!」
「当たり前だろ? 同じ冒険者ギルドの仲間じゃないか! まったく……俺が私利私欲で動くとでも? 仲間が頼ってきたら手助けするのが冒険者仲間だろ?」
「それじゃユウマこれ」
リネラスが、四次元イルカリュックサックからダンジョンコアを取り出すと俺に差し出してくる。
俺はそれを受け取ると、中庭に新たに作った花壇の中に埋める。
「ユウマ、ダンジョンコアに魔力を注入してみて!」
魔力か……。
どんな風に込めればいいのか分からないが、まぁ――とりあえずリネラスを抱いて魔力で【身体強化】した時みたいに、ダンジョンコアも魔力で覆えばなんとかなるだろう。
「さて、やってみるか!」
俺はダンジョンコアに手を触れると自身の体と同時にダンジョンコアも魔力で覆われるように想像し【身体強化】の魔法を発動させる。
すると魔法の発動と同時にダンジョンコアが埋められた花壇から巨大な閃光が天に向かって迸り、光が消えると花壇には花壇いっぱいのダンジョン入り口が出来ており地下に階段が続いていた。
俺は急いでダンジョンの中を見る。
中を見通す事は出来ない……。
「これから、どうするんだ?」
「えっとたしか……主が生きてる限りダンジョンから魔物が出てくる事はないと習ったことがあるから……」
ふむ……。
つまり俺が死んだら出てくると。
「で、どうして俺が生きてると魔物が出てこないんだ?」
「だって魔物が生きて行く上で必要なのは人と同じで食事だから! ユウマが生きてる限りユウマの魔力で生きてるから大丈夫!」
おい……それっ大丈夫じゃないだろ。
自動的に俺の魔力が消費されるって事じゃないか。
「それに、ダンジョンが出来ただけで魔物が居る訳じゃないから!」
「ん? そうなのか?」
「うん! ユウマは一応ダンジョンマスターだから! その石板に触れないと作れないし」
ふむ……。
たしかに入り口の左手には石で造られた高さ2メートル程のモノリスがあるな……。
俺はモノリスを見ながら。
注意事項1:魔力が高い人が作るととんでもない迷宮が出来上がるから絶対作らないように。100階層を超えたらSランク冒険者が何十人挑んでもクリアできないからね。世界が滅びるよ?
注意事項2:ダンジョンの大きさによって強いモンスターが生まれるよ
注意事項3:ダンジョンマスターが倒されると迷宮が無くなるよ?
「この注意事項はなんだ? 読むだけで危険な匂いがしてくるんだが?」
「さ、さあ? 私も冒険者ギルドが固有のダンジョンを占有してるのは習ったけど、こんな注意事項なんて聞いたことないよ」
つまり……俺の場合は普通とは違うダンジョンが出来てしまったと。
何より、魔物がもう作られてしまったような文言が気になる。
「ユ、ユウマ。こ、これって……」
「ああ……どうやら魔力が多いやつが作ったらいけないらしいな。このモノリスの所に書いてある数字が作られた階層を現してるみたいだな。255階層か、どれだけすごい階層になってるんだろうな。さて、寝るか……」
まぁ俺が生きてる限り魔物が出てくる事はないんだろうし。
最悪、移動式冒険者ギルド宿屋は閉店して異空間に放置したままでもいいからな。
寝ようと立ち去ろうとするとリネラスが俺の腕を掴んできた。
「まって!ユウマ。これ絶対に調査しないといけない部類の迷宮な気がするんだけど、ユウマもそう思うよね?」
「お前が調査してこいよ。責任はお前にあるんだら」
「ええ!? ユウマも賛同したよね?」
「まぁ、落ちつけ! 今回の話はリセラスがもってきた。俺はリネラスに騙されてちょっとダンジョンコアに魔力を流してしまった。つまり悪いのはリネラスだけって事だ。全部、リネラスがやったってことにすれば全てが丸く収まる。完璧だろ?」
「完璧じゃないから! 私だけが悪くなってるから!」
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