【書籍化作品】無名の最強魔法師
自分を棚にあげる者達(前編)
「どう見ても化け物にしか見えないな……ッ!?」
俺はリネラスを脇に抱えると、その場から飛びのく。
――するとさっきまで立っていた地面には無数の茨のような蔦が無数に生えていた。
男の浮気を発覚するだけではなく、魔物化し巨大化するとどうやら……人まで襲うようになるようだな。
俺は頭の中で科学と現象・事象を考えて魔法を組み上げていく。
そして右手を2メートル近い【エターナルフィーリング】に向けて、【風刃】の魔法を発動させようとすると右手をリネラスに掴まれた。
「ユウマ……ダメ……」
「おい、何を言ってるんだ?」
振り返るとリネラスが顔を真っ赤にして俺を見上げてきている。
「ユウマ……私、ユウマのことが好き」
「はあ? お前、何を言ってるんだ?」
脈絡が無さ過ぎる。
しかも背中に抱きついてきた。
「ユウマ、あの子はとってもいい子よ? 倒したらいけないと思う」
リネラスが2メートルはある【エターナルフィーリング】を見ながら耳元で呟いてくる。
発動中の【探索】の魔法で、俺はようやくリネラスがおかしくなった理由が分かった。
リネラスを現す緑色の光点の中に無数の赤い小さな点が増えていくのだ。
そして良く見ると、先ほど俺達が立っていた場所の茨には少量の血がついている。
つまり……【エターナルフィーリング】は、魔物化した事で人を操る力を手に入れたと見るべきだろう。
「まったく……」
俺は魔法を解除する。
すると俺が、【エターナルフィーリング】を壊さないと思ったからなのか、リネラスが「ありがとう、ユウマ」と言ってくる。
そしてリネラスが俺から離れたところを見計らって【エターナルフィーリング】の懐に飛び込んで空へと蹴りあげる。
さらに無数の【空気弾】を放ちさらに上空へと吹き飛ばす。
「え? ユウマ……え?」
混乱している洗脳されたリネラスを放置したまま、落下を始めた【エターナルフィーリング】に手を向ける。
変換するのは大気。組み上げるのは水素にして融合。
そして発動に必要なイメージを固定。
天体系攻撃魔法【太陽】の魔法を発動させる。
編みあげられ発動した魔法は、俺たちの遥か頭上で直径50メートルを越える巨大な天体となり太陽が生まれる。
体表温度6000度、中心温度1500万度の火球が落下してくるエターナルフィーリングを瞬時に蒸発させ消滅させた。
そして上空から緑色に変質したダンジョンコアが落ちてくる。
俺は落ちてきたダンジョンコアを受け止めるとリネラスの方へ視線を向けた。
そこには呆けた状のリネラスが立っていた。
そしてゆっくり瞳に色が戻ってくる。
「……ユウマ? ……ってあれ? 私、一体、何を!?」
「どうやら魔物化した【エターナルフィーリング】に操られていたようだな」
「私が魔物に操られて? そんな……私、ギルドマスターなのに……」
俺の言葉を聞いたリネラスは顔を真っ赤にしていく。
「ユ、ユウマ……私、何か変な事とか言ってなかった?!?」
「…………いや、何も言ってなかったぞ?」
「ねえ? いまの間はなんだったの? ねえ? なんだったの?」
リネラスが俺に近づいてきて何か言ってくるが、まあ……それはいつもの事だから放置しておくとしよう。
リネラスを放置して街中を歩いて見ていく。
すると街中の喧騒が静かになっていく。
どうやら、魔物化した【エターナルフィーリング】は町の住人を争わせようとしてたようだな。
「ユウマ! それって!?」
「ああ、ダンジョンコアだと思う」
「たしかに……緑色に変色してるわね」
リネラスの言葉に俺は頷き返す。
とりあえずは、【エターナルフィーリング】の事件はこれで何とかなると思いたい。
ときどき、男性達が女性陣に追われてる光景が見受けられるが問題ないだろう。
さて、市長に会いにいくとするか。
俺はリネラスを脇に抱えると、その場から飛びのく。
――するとさっきまで立っていた地面には無数の茨のような蔦が無数に生えていた。
男の浮気を発覚するだけではなく、魔物化し巨大化するとどうやら……人まで襲うようになるようだな。
俺は頭の中で科学と現象・事象を考えて魔法を組み上げていく。
そして右手を2メートル近い【エターナルフィーリング】に向けて、【風刃】の魔法を発動させようとすると右手をリネラスに掴まれた。
「ユウマ……ダメ……」
「おい、何を言ってるんだ?」
振り返るとリネラスが顔を真っ赤にして俺を見上げてきている。
「ユウマ……私、ユウマのことが好き」
「はあ? お前、何を言ってるんだ?」
脈絡が無さ過ぎる。
しかも背中に抱きついてきた。
「ユウマ、あの子はとってもいい子よ? 倒したらいけないと思う」
リネラスが2メートルはある【エターナルフィーリング】を見ながら耳元で呟いてくる。
発動中の【探索】の魔法で、俺はようやくリネラスがおかしくなった理由が分かった。
リネラスを現す緑色の光点の中に無数の赤い小さな点が増えていくのだ。
そして良く見ると、先ほど俺達が立っていた場所の茨には少量の血がついている。
つまり……【エターナルフィーリング】は、魔物化した事で人を操る力を手に入れたと見るべきだろう。
「まったく……」
俺は魔法を解除する。
すると俺が、【エターナルフィーリング】を壊さないと思ったからなのか、リネラスが「ありがとう、ユウマ」と言ってくる。
そしてリネラスが俺から離れたところを見計らって【エターナルフィーリング】の懐に飛び込んで空へと蹴りあげる。
さらに無数の【空気弾】を放ちさらに上空へと吹き飛ばす。
「え? ユウマ……え?」
混乱している洗脳されたリネラスを放置したまま、落下を始めた【エターナルフィーリング】に手を向ける。
変換するのは大気。組み上げるのは水素にして融合。
そして発動に必要なイメージを固定。
天体系攻撃魔法【太陽】の魔法を発動させる。
編みあげられ発動した魔法は、俺たちの遥か頭上で直径50メートルを越える巨大な天体となり太陽が生まれる。
体表温度6000度、中心温度1500万度の火球が落下してくるエターナルフィーリングを瞬時に蒸発させ消滅させた。
そして上空から緑色に変質したダンジョンコアが落ちてくる。
俺は落ちてきたダンジョンコアを受け止めるとリネラスの方へ視線を向けた。
そこには呆けた状のリネラスが立っていた。
そしてゆっくり瞳に色が戻ってくる。
「……ユウマ? ……ってあれ? 私、一体、何を!?」
「どうやら魔物化した【エターナルフィーリング】に操られていたようだな」
「私が魔物に操られて? そんな……私、ギルドマスターなのに……」
俺の言葉を聞いたリネラスは顔を真っ赤にしていく。
「ユ、ユウマ……私、何か変な事とか言ってなかった?!?」
「…………いや、何も言ってなかったぞ?」
「ねえ? いまの間はなんだったの? ねえ? なんだったの?」
リネラスが俺に近づいてきて何か言ってくるが、まあ……それはいつもの事だから放置しておくとしよう。
リネラスを放置して街中を歩いて見ていく。
すると街中の喧騒が静かになっていく。
どうやら、魔物化した【エターナルフィーリング】は町の住人を争わせようとしてたようだな。
「ユウマ! それって!?」
「ああ、ダンジョンコアだと思う」
「たしかに……緑色に変色してるわね」
リネラスの言葉に俺は頷き返す。
とりあえずは、【エターナルフィーリング】の事件はこれで何とかなると思いたい。
ときどき、男性達が女性陣に追われてる光景が見受けられるが問題ないだろう。
さて、市長に会いにいくとするか。
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