【書籍化作品】無名の最強魔法師
激突!魔王ユウマ VS 魔法師殺しのヴァルド
「信じられないわ……開店休業中ってどういうことなのよ!ユウマもそう思うでしょう?」
リネラスが俺にしな垂れかかってくるがどうしたものか?
「リネラス、飲みすぎだぞ?」
俺はリネラスに声をかけるが『うるひゃいー』と聞く耳をもたない。
飲食店が閉まっているのは、マリウスが攻めて来て奴隷狩りをしていたからだ。
少し考えれば分かる事であった。
殺される可能性があるのにリネラスのように店を開くような根性があるような奴ばかりではないのだ。
当然、村一番の高級食堂は閉まっていた。
リネラスは3年ぶりのまともな飯にありつけると思っていただけに荒れに荒れた。
もうこいつ捨ててきていいかなって思うくらい面倒だった。
唯一救われた点と言えば、マリウスを俺が殺して軍を撤退させた事で、村の危機が救われた事と俺は了承してないが凄腕の攻撃魔法師冒険者が町を守っていると言うことで祭りになって食料とワインが配られてる事くらいだろう。
「……ユウマさん」
名前を呼ばれた方へ視線を向けると、そこにはイノンさんが立っていた。
顔色はとても悪くいまにも倒れそうだ。
「……あの、お約束のご飯とお風呂と寝床が用意できました」
ふむ……。
用意してくれたなら行くか。
「それじゃリネラス、家まできちんと帰るんだぞ!」
リネラスもいい大人だ。
自分の事は自分で対応しないとな。
酒も俺が勧めた訳じゃないんだし放置しておこう。
「だめぇえええ」
服の裾をリネラスが掴みながら俺にしがみついてきた。
「おい!放せ!くっそが、なんて力だ!」
【身体強化】の魔法を使っているのにまったく剥がれる様子がない。
こいつ実は強いんじゃないか?
「ユウマさん、大丈夫です。うちは宿屋をしていますからベッドは余っていますので」
俺は溜息をつきながら、イノンの言葉に甘える事にした。
「わかった」
俺はリネラスにしがみ付かれたまま、イノンさんが経営する宿屋に向かった。
宿屋は冒険者ギルドから徒歩1分の所で、外見は白い壁に赤い屋根がありアーチ型の小窓が可愛らしさを演出している。
客室も外見から見るだけで30室近くあるのではないだろうか?宿屋に入りイノンが用意してくれた部屋に入るとリネラスをベッドに寝かせた。
宿屋は静まり返った静寂とリネラスの寝びきしか聞こえてこない。
「なかなか、いい雰囲気の宿屋だな?」
シックな所が落ち着いていいと思う。
「はい、お母さんとお父さんが昨日まで手入れをしていましたから……」
「そうか……」
俺は静かに頷くと理解した。
きっと広場の積み重なっていた遺体の中にイノンの両親がいたのだろう。
どうりでひどい顔なはずだ。
ありありと疲れと悲しみと苦痛をない交ぜにした表情をしている。
それなのに無理に笑っているのが余計に痛々しい。
「今日は食事と風呂はいいから俺達は早く寝る」
だからお前もさっさと寝ろよ?と思う。
「わかりました。それではユウマさんのお部屋はこちらになります」
イノンの後を俺はついていく。
部屋は2階の角部屋か、悪くはないな。
部屋に入ると2つのベッドとテーブルが一つと木で作られた椅子が3脚置いてあった。
「早く寝るようにな」
「はい、ユウマさんもお休みください」
イノンの返答を聞いた俺は、部屋に入り扉を閉めた。
俺は【浄化】の魔法を発動させる。
そして体中を洗浄したところで突然、体中の魔力が抜けていく感覚を味わう。
ふらつく俺はベッドの上で横になる。
どうやら俺もかなり疲れているようだ。
そりゃ、今日一日で何人もこの手にかけてきたのだから仕方ないだろう。
翌朝、目を覚めると魔力は完全に回復していた。
さて、今日から仕事でもするか。
布団から出ようとすると何かやわらかい物を揉んでしまった。
視線を向けるとそこには、一糸纏わない女リネラスが寝ていた。
「……ん……ユウマ。おやよう、昨日はすごかったよ」
昨日はすごかったよ?すごかったよ?すごかったよ?リネラスの言葉が頭の中でリフレインする。
すぐに自分の服装を確かめるが乱れた様子はない。
「おい、冗談はよしておけ」
「ぶーっ。それじゃユウマ、またギルドでねー」
それだけ言うとリネラスは洋服を着て部屋から出て行ってしまった。
まったく悪びれもなく出ていくとは……。
「イノン、仕事に行ってくる」
宿屋のホールではイノンが受付嬢をしていたので声をかけて外に出ようとすると……。
「ユウマさん、これをどうぞ」
差し出されたのは草で編まれたバスケットであった。
俺はそれを受け取りながら宿屋を出た。
昨日受注したギルドの依頼書を見ながら村の南側へ歩いていき草原をしばらく歩くとワサワサと動く奇妙な生物がいた。
地球で言えばハエトリソウを2メートルまで巨大化させた奴が無数に歩いていると言ったほうが分かりやすいだろう。
たしか植物は地下にまで根を生やすって聞いたことがあるが、動いている場合ってどうなんだろうな?
だが、念のためにきちんと殲滅しておいた方がいいだろうな。
核爆発では範囲が強すぎるし放射能の問題もある。
それなら割合を変えていくのがベストだろう。
頭の中で構成を組み上げ事象に干渉する。
発動するのは【中性子線】の魔法。
発動数秒前にありたっけの魔力で水を精製し体を覆う。
そして魔法発動と同時に俺以外の全ての生物がその場で息絶えた。
私の名前は、魔法師殺しのヴァルドだ。
最年少で冒険者Sランクに到達した。
私ほどの天才はこの世界にはいないだろう。
正直、私には敵など存在しなかった。
特技である気配遮断を使えば人間だけではなくワイバーンも知性がないアンデットすら私に気づくことはできない。
そして私は、天才すぎた。
全ての魔法を一瞬で解析し相手よりも早く魔法を使うことが出来たのだ。
いつしか私は、ワイバーンすら殺せる最強の冒険者になっていた。
そんな私から見たら他の人間なぞ地べたを這いずり回るムシケラにしか見えなかった。
さらに私は90人の魔法師を殺した所で神の領域に辿り着いた。
自分の配下である部下、全員に気配遮断の特技を私がいる場所に限り付与することが出来たのだ。
これを使えば、全員が動けなくなるが相手が私達全員がいる場所まで近づいてくるなら動く必要などない。
私達の姿を眼にした時がそいつの最後だ。
奴が今日、植物プラントのギルド依頼を受けたことは調査済みだ。
たった半日で移動し情報を集めた。
それだけの能力を持つ部隊がどこにいるだろうか?
国内いや世界最強と言っても過言ではない。
現在、私が作り出した無敗の暗殺部隊には気配遮断の特技を付与してある。
そして愚かにもユウマと言う男は、プラントの魔物に意識を向けていて私達の姿に気がついていない。
これが、魔法師だと?素人ではないか。
これだからマリウスは我らが死神四魔将の中でも最弱だと言われるのだ。
さあ、ユウマと言う奴を殺して村を滅ぼすとしよう。
私は手を上げて攻撃の合図を下そうとすると、突然ユウマという男が膨大な水をその身に纏った。
ば、ばかな?魔方陣が見えなかったぞ?一体どうなっているんだ?
神の力にも匹敵する集団用の気配遮断を使っていると全員の考えが分かるようになる。つまり意思が統一されるのだ。全員が困惑している。
つまり奴は魔法を使うときに魔方陣を使わなかった?そんな馬鹿な事があっていいのか?
ありえない、ありえない、ありえない。
気配遮断特技を使っている状態では声も出せない。
出せていたらきっと私は叫んでいただろう。
そんな理不尽な魔法があってたまるかと!
だが奴は水を纏っただけだ。
奴の周囲には300人近くの暗殺者がいる。
もう小細工は通じないぞ?
さあ、私達の姿を見てそして死ね!
私が手を振り下ろそうとした瞬間、次々と集団用の気配遮断の接続が立たれていく。
目の前にいた部下が一瞬で灰になる。
一体、何が起きているんだ?
こんなことが……こんな魔法があっていいのか?
私の手が、足が、体が灰になっていく。
そんな馬鹿な……私の作戦は完璧だったはずなのに……。
「少しやりすぎたか?」
俺は目の前で大量の灰と化した植物プラントの残骸を見て呟いた。
「まぁ全部処理したし問題ないだろう。しかし魔法2発で金貨1000枚か。ちょろいな」
とりあえずはギルドに戻って討伐完了報告だな。
今日は、店が開いていればいいんだけどな……。
リネラスが俺にしな垂れかかってくるがどうしたものか?
「リネラス、飲みすぎだぞ?」
俺はリネラスに声をかけるが『うるひゃいー』と聞く耳をもたない。
飲食店が閉まっているのは、マリウスが攻めて来て奴隷狩りをしていたからだ。
少し考えれば分かる事であった。
殺される可能性があるのにリネラスのように店を開くような根性があるような奴ばかりではないのだ。
当然、村一番の高級食堂は閉まっていた。
リネラスは3年ぶりのまともな飯にありつけると思っていただけに荒れに荒れた。
もうこいつ捨ててきていいかなって思うくらい面倒だった。
唯一救われた点と言えば、マリウスを俺が殺して軍を撤退させた事で、村の危機が救われた事と俺は了承してないが凄腕の攻撃魔法師冒険者が町を守っていると言うことで祭りになって食料とワインが配られてる事くらいだろう。
「……ユウマさん」
名前を呼ばれた方へ視線を向けると、そこにはイノンさんが立っていた。
顔色はとても悪くいまにも倒れそうだ。
「……あの、お約束のご飯とお風呂と寝床が用意できました」
ふむ……。
用意してくれたなら行くか。
「それじゃリネラス、家まできちんと帰るんだぞ!」
リネラスもいい大人だ。
自分の事は自分で対応しないとな。
酒も俺が勧めた訳じゃないんだし放置しておこう。
「だめぇえええ」
服の裾をリネラスが掴みながら俺にしがみついてきた。
「おい!放せ!くっそが、なんて力だ!」
【身体強化】の魔法を使っているのにまったく剥がれる様子がない。
こいつ実は強いんじゃないか?
「ユウマさん、大丈夫です。うちは宿屋をしていますからベッドは余っていますので」
俺は溜息をつきながら、イノンの言葉に甘える事にした。
「わかった」
俺はリネラスにしがみ付かれたまま、イノンさんが経営する宿屋に向かった。
宿屋は冒険者ギルドから徒歩1分の所で、外見は白い壁に赤い屋根がありアーチ型の小窓が可愛らしさを演出している。
客室も外見から見るだけで30室近くあるのではないだろうか?宿屋に入りイノンが用意してくれた部屋に入るとリネラスをベッドに寝かせた。
宿屋は静まり返った静寂とリネラスの寝びきしか聞こえてこない。
「なかなか、いい雰囲気の宿屋だな?」
シックな所が落ち着いていいと思う。
「はい、お母さんとお父さんが昨日まで手入れをしていましたから……」
「そうか……」
俺は静かに頷くと理解した。
きっと広場の積み重なっていた遺体の中にイノンの両親がいたのだろう。
どうりでひどい顔なはずだ。
ありありと疲れと悲しみと苦痛をない交ぜにした表情をしている。
それなのに無理に笑っているのが余計に痛々しい。
「今日は食事と風呂はいいから俺達は早く寝る」
だからお前もさっさと寝ろよ?と思う。
「わかりました。それではユウマさんのお部屋はこちらになります」
イノンの後を俺はついていく。
部屋は2階の角部屋か、悪くはないな。
部屋に入ると2つのベッドとテーブルが一つと木で作られた椅子が3脚置いてあった。
「早く寝るようにな」
「はい、ユウマさんもお休みください」
イノンの返答を聞いた俺は、部屋に入り扉を閉めた。
俺は【浄化】の魔法を発動させる。
そして体中を洗浄したところで突然、体中の魔力が抜けていく感覚を味わう。
ふらつく俺はベッドの上で横になる。
どうやら俺もかなり疲れているようだ。
そりゃ、今日一日で何人もこの手にかけてきたのだから仕方ないだろう。
翌朝、目を覚めると魔力は完全に回復していた。
さて、今日から仕事でもするか。
布団から出ようとすると何かやわらかい物を揉んでしまった。
視線を向けるとそこには、一糸纏わない女リネラスが寝ていた。
「……ん……ユウマ。おやよう、昨日はすごかったよ」
昨日はすごかったよ?すごかったよ?すごかったよ?リネラスの言葉が頭の中でリフレインする。
すぐに自分の服装を確かめるが乱れた様子はない。
「おい、冗談はよしておけ」
「ぶーっ。それじゃユウマ、またギルドでねー」
それだけ言うとリネラスは洋服を着て部屋から出て行ってしまった。
まったく悪びれもなく出ていくとは……。
「イノン、仕事に行ってくる」
宿屋のホールではイノンが受付嬢をしていたので声をかけて外に出ようとすると……。
「ユウマさん、これをどうぞ」
差し出されたのは草で編まれたバスケットであった。
俺はそれを受け取りながら宿屋を出た。
昨日受注したギルドの依頼書を見ながら村の南側へ歩いていき草原をしばらく歩くとワサワサと動く奇妙な生物がいた。
地球で言えばハエトリソウを2メートルまで巨大化させた奴が無数に歩いていると言ったほうが分かりやすいだろう。
たしか植物は地下にまで根を生やすって聞いたことがあるが、動いている場合ってどうなんだろうな?
だが、念のためにきちんと殲滅しておいた方がいいだろうな。
核爆発では範囲が強すぎるし放射能の問題もある。
それなら割合を変えていくのがベストだろう。
頭の中で構成を組み上げ事象に干渉する。
発動するのは【中性子線】の魔法。
発動数秒前にありたっけの魔力で水を精製し体を覆う。
そして魔法発動と同時に俺以外の全ての生物がその場で息絶えた。
私の名前は、魔法師殺しのヴァルドだ。
最年少で冒険者Sランクに到達した。
私ほどの天才はこの世界にはいないだろう。
正直、私には敵など存在しなかった。
特技である気配遮断を使えば人間だけではなくワイバーンも知性がないアンデットすら私に気づくことはできない。
そして私は、天才すぎた。
全ての魔法を一瞬で解析し相手よりも早く魔法を使うことが出来たのだ。
いつしか私は、ワイバーンすら殺せる最強の冒険者になっていた。
そんな私から見たら他の人間なぞ地べたを這いずり回るムシケラにしか見えなかった。
さらに私は90人の魔法師を殺した所で神の領域に辿り着いた。
自分の配下である部下、全員に気配遮断の特技を私がいる場所に限り付与することが出来たのだ。
これを使えば、全員が動けなくなるが相手が私達全員がいる場所まで近づいてくるなら動く必要などない。
私達の姿を眼にした時がそいつの最後だ。
奴が今日、植物プラントのギルド依頼を受けたことは調査済みだ。
たった半日で移動し情報を集めた。
それだけの能力を持つ部隊がどこにいるだろうか?
国内いや世界最強と言っても過言ではない。
現在、私が作り出した無敗の暗殺部隊には気配遮断の特技を付与してある。
そして愚かにもユウマと言う男は、プラントの魔物に意識を向けていて私達の姿に気がついていない。
これが、魔法師だと?素人ではないか。
これだからマリウスは我らが死神四魔将の中でも最弱だと言われるのだ。
さあ、ユウマと言う奴を殺して村を滅ぼすとしよう。
私は手を上げて攻撃の合図を下そうとすると、突然ユウマという男が膨大な水をその身に纏った。
ば、ばかな?魔方陣が見えなかったぞ?一体どうなっているんだ?
神の力にも匹敵する集団用の気配遮断を使っていると全員の考えが分かるようになる。つまり意思が統一されるのだ。全員が困惑している。
つまり奴は魔法を使うときに魔方陣を使わなかった?そんな馬鹿な事があっていいのか?
ありえない、ありえない、ありえない。
気配遮断特技を使っている状態では声も出せない。
出せていたらきっと私は叫んでいただろう。
そんな理不尽な魔法があってたまるかと!
だが奴は水を纏っただけだ。
奴の周囲には300人近くの暗殺者がいる。
もう小細工は通じないぞ?
さあ、私達の姿を見てそして死ね!
私が手を振り下ろそうとした瞬間、次々と集団用の気配遮断の接続が立たれていく。
目の前にいた部下が一瞬で灰になる。
一体、何が起きているんだ?
こんなことが……こんな魔法があっていいのか?
私の手が、足が、体が灰になっていく。
そんな馬鹿な……私の作戦は完璧だったはずなのに……。
「少しやりすぎたか?」
俺は目の前で大量の灰と化した植物プラントの残骸を見て呟いた。
「まぁ全部処理したし問題ないだろう。しかし魔法2発で金貨1000枚か。ちょろいな」
とりあえずはギルドに戻って討伐完了報告だな。
今日は、店が開いていればいいんだけどな……。
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ウォン
なんか、知らないうちにやられるって悲しいね笑笑