お兄ちゃんがお母さんで、妹が甘えん坊なお話

ただのものかき

あ~…満たされる~…

「わ~…どこからどう見ても美少女にしか見えないわ~…」
「~~~~~~~うう…」

土曜日も正午に差し掛かる頃。
ちょうど昼時となるため、昼食の調達などで人通りもそれなりの商店街。
その中の一つの店舗となる、若江精肉店の前。

そこにいるのは、三人の美女と美少女達。

女性にしては背の高い、モデル風の美女である、若江 京子。
一見小学生にしか見えないくらい小柄な美少女女子中学生の、高宮 羽月。
その羽月と同じ制服を身に纏って、清楚で可愛らしい美少女と化している、高宮 涼羽。

三人が三人とも、人の目を惹く容姿をしているので、通行人達の視線が自ずと彼女達の方に向いてしまう。

羽月、京子はそんな視線どこ吹く風、といった感じで平然としているが…
そもそもが男でありながら妹と同じ女子の制服に身を包むこととなってしまった涼羽としては…
今の姿を人に見られることそのものが恥ずかしくて恥ずかしくてたまらない状態だ。

さらには、普段から御用達としている若江精肉店。
その女店主である京子に、その姿をまじまじと見られてしまっている。

普段は野暮ったく、もっさりとした感じの容姿であるため、人の目を惹くことがない涼羽。

そんな涼羽が、まさか女装して、その可愛らしい顔を露にしているなんて。

しかも、今年十八歳の男子でありながら、驚くほどの美少女女子中学生にしか見えないなんて。

重度の可愛いもの好きであり、ふとしたことから涼羽の素顔を知っていた京子からすれば…
より可愛らしくなって自分の前に現れた涼羽を見て我慢できるはずもなく…
こうして思う存分自分の欲求を満たしているところなのだ。

「それに…この娘って、涼羽ちゃんの妹ちゃん?」
「~~~~…はい…」

しかも、また自分の欲望に火をつけてくれそうな可愛らしい少女まで連れてくるなんて。

当然、涼羽の妹である羽月も、京子の興味をおおいに引くこととなる。
そんな羽月のことも、しっかりと涼羽に聞くことを忘れない。

「へえ~…さすが涼羽ちゃんの妹ちゃん。涼羽ちゃんに似てて可愛いわ~」

異性の兄妹でありながら、顔の造りはよく似ている涼羽と羽月。
当然、可愛らしさが強調される美少女顔。
羽月の方が幼さが色濃い造りだが、それがまた可愛らしいという人は多い。

その興味を向けられている、当の羽月は、兄、涼羽にべったりとくっついて離れようとしないのだが。

「初めまして♪涼羽ちゃんの妹ちゃん♪」
「は、初めまして…」

涼羽ほどではないが、結構人見知りな羽月。
今日が初対面の京子に対し、少しおどおどとした、ぎこちない反応となっている。

最初は兄と買い物という嬉しさによるテンションで人見知りの面が消えていたが、さすがに今となっては人見知りが勝ってしまっているようだ。

「(ああ~!!さすが涼羽ちゃんの妹ちゃん!!すっごく可愛い!!)お名前、教えてもらってもいいかな?」

そんな羽月の反応がまた可愛いのか、欲望の嵐が吹きすさんでしまっている今の京子。
それをどうにか表に出さずに、落ち着いた感じで羽月に名前を聞いてくる。

「は…羽月…」
「ん?」
「高宮 羽月です…」
「羽月ちゃんっていうのね。私は若江 京子っていうの。よろしくね」
「は、はい…」
「で、羽月ちゃんって、今いくつなの?」
「え、えっと…十四です…」
「まあ!十四歳なの!?こんなにちっちゃくて可愛いのに?」
「あ…うう…」

人見知りのせいで、おどおどとした雰囲気を隠せない羽月。
しかも、恥ずかしかったのか、そのぷにっとした頬をうっすらと桜色に染め…
兄である涼羽の背中に隠れて、べったりと抱きついてしまう。

そんな羽月の、なんとも可愛らしいこと。

京子にとっては、とても眼福で、とてもたまらない姿。
これでもかというくらいに、その可愛らしさを振りまいてくれる羽月も、京子のお気に入りとなってしまう。

「ああ~…可愛い♪涼羽ちゃんも可愛いけど、羽月ちゃんも可愛い~♪」

いつも自分の可愛いもの好きの欲求を満たしてくれる存在である涼羽。
その涼羽に、まさかこんなに可愛い妹がいたなんて。

すでにその頬は緩みに緩みきっており…
デレデレとした、少しだらしない感じとなっている。

せっかくの美人が台無し…
と言いたいところだが、やはり美形というのは得。

そんな状態でも、人の目を惹くような笑顔になっているのだから。

「それに…涼羽ちゃんったら、男の子なのに、こんなに可愛い女の子になっちゃって…」
「!い、言わないで…ください…」
「涼羽ちゃんって、女の子の服着る趣味があったの?」
「!ち、違います…」
「じゃあ、なんで女の子の服着てるの?」
「そ、それは…」
「ねえ、なんで?」
「…い、妹の…羽月の…お願いで…」

問い詰めるような感じで、涼羽に疑問をぶつけていく京子。
疑問をひとつぶつけるごとに、その華奢な身体をびくっと震わせて…
もうペンキを塗りたくったかのように顔を真っ赤にして俯く涼羽の姿。

それがもう可愛くて可愛くてたまらず、ついつい意地悪な聞き方をしてしまう。

頬の緩みきった、少々だらしない笑顔が絶えることのない京子。

傍から見れば、年頃の女子学生にセクハラしてるいけないお姉さん、な構図となってしまっている。

「へえ…涼羽ちゃんって、羽月ちゃんにお願いされたら、女の子の服着て女装したりしちゃうんだ」
「!そ、それは…」
「ううん、隠さなくてもいいのよ♪」
「べ、別に隠してなんか…」
「だって、涼羽ちゃんみたいな可愛い子は、こういう可愛い格好してる方がいいんだもの」
「!~~~~~~うう…」

もう、楽しすぎてたまらない。
もう、可愛すぎてたまらない。

もう、店の中に連れ込んで、めっちゃくちゃに可愛がってあげたい。

この、可愛いの化身達を。
この、美少女姉妹にしか見えない兄妹の可愛らしさを。

思う存分に、堪能したい。

いじめて困らせると、ものすごく可愛らしくなっちゃうから、ついつい意地悪しちゃうけど。

そんな意地悪も、困ったことに愛情表現なのだから。

「だって、こんなにお肌もすべすべでぷにぷにしてて…」
「!う…」
「胸がないのも、逆に清楚さが強調されて可愛らしくて…」
「!うう…」
「そのスカートから出てる脚なんて、びっくりするほど綺麗で…」
「!ううう…」
「本当の女の子でも、こんなに可愛くて綺麗な子、そうそういないよ?」

少し意地の悪い、京子の可愛がり方。
涼羽がそういうことを言われれば言われるほど、恥ずかしがってしまうからこそなのだが。

特に化粧もしておらず、かといって無理に体型を女子に見せる、なんてこともしていない。
純粋な天然素材だけで、ここまでの美少女となっているのだ。

もう、可愛すぎてたまらない。

可愛すぎて、ついいじめたくなっちゃう。

その恥らっている顔を見たくて、視線を逸らすように下を向いている涼羽の顔をそっと両手で挟みこむと、くいっと自分の方へと向けてしまう。

「!や、やめて…見ないで…」

今の恥じらいに染まった顔を見られたくなくて、首だけでいやいやをする涼羽。

しかし、そんな仕草もまた可愛らしく…

逆に、京子を煽ってしまうだけとなってしまうのだが。

「だあめ♪恥ずかしがってる涼羽ちゃんの可愛い顔、い~っぱい見たいの♪」
「や、やっ…」
「もう、本当に可愛い…溜息が出ちゃうくらい…」

いつもと違い、もっさりした感じを見せる野暮ったい前髪も女の子らしいヘアピンで綺麗に分けられており…
その長い髪も、頭の後ろでリボンで結わえられていて…

本当に可愛すぎる。

見れば見るほど、京子の可愛いもの好きの欲望が暴発せん勢いで膨れ上がってくる。
これだけは断言できると、京子は思う。



――――何度見ても飽きないし、何度でも可愛がりたくなる――――



と。

気がつけば、涼羽の背中に隠れていた羽月が、いつの間にか涼羽の前に出ており…
実の兄の恥らう顔を下から覗き込もうとしている。

当然のごとく、兄の身体にべったりと抱きついた状態で、だが。

この娘も、同じなのだろう。

この可愛すぎるほどに可愛い兄を、むっちゃくちゃに堪能したいのだ、と。

恥らう兄を見ているだけで、幼さの色濃い、可愛らしい笑顔が浮かんでいる。

可愛い。
可愛すぎる。

兄妹二人揃って、可愛すぎる。

涼羽の顔に触れていた手が離れ…
膝を折って視線を下げると、今度はその妹の方へと向ける。

「ねえ、羽月ちゃん?」
「!は、はい!?」

いきなりの呼びかけに、その小さな身体をびくんと震わせての反応。
大好きで大好きでたまらない兄の身体に、よりぎゅうっと抱きついてしまう。

「羽月ちゃんって、涼羽ちゃんのこと、好き?」

見てるだけで分かるであろう事実。
それを、あえて言葉で聞こうとする京子。

一体、どんな反応を見せてくれるのか。

そういうのも、楽しみとしてしまう。

「は…はい!もう大好きで大好きで、たまらないです!」

返ってきた羽月の反応。

それはもう、肉親に対しての親愛の色。
それとは別の、まるで恋人に対してのような、情愛の色。

そのどちらも、目いっぱいに込めた、その一言。

二人とも年頃の、異性の兄妹なのに…
こんなにもべったりとしていて…
こんなにも好きすぎて…

そんな想いを目いっぱい込めた、『好き』。

まるで、一つの物語のような、現実離れした光景。

そんな羽月に、京子はさらに言葉を紡いでいく。

「ふふふ…そうなの。涼羽ちゃんって、お兄ちゃんでしょ?羽月ちゃんくらいの年頃なら、お兄ちゃんってウザくってたまらなくなるんじゃないのかしら?」
「ううん…お兄ちゃんは、他の男の人みたいに男って感じがしないし…」
「しないし?」
「それに、こんなに可愛くて、い~っつも優しくて…」
「うんうん、だから?」
「お兄ちゃん、大好きでたまらないんです…」

これはもう筋金入りのブラコンな妹ちゃんだ。

でも、可愛い。
可愛すぎる。

容姿の幼さもあって、おかしい感じも危ない感じもせず…
何より、その対象である涼羽が、こんな風に女の子みたいだからというのもあるのだろう。

ものすごく、ほのぼのとしてしまう。

「そっか~。だから羽月ちゃんは、お兄ちゃんに女の子の服を着せたくなっちゃうんだ♪」
「はい!お兄ちゃんが可愛すぎて…女の子になったお兄ちゃんが見たくなって…」
「分かる!私だってこんなに可愛いお兄ちゃんがいたら、絶対女装させたくなっちゃう!」
「!ですよね!」
「もう~羽月ちゃんったら、なんてナイスなことをしてくれたの~♪」

涼羽に女装させたという羽月に、思いっきりサムズアップしている京子。
そして、その肩過ぎまでのサラリとした羽月の黒髪に包まれた頭を、思わず撫でてしまう。

「!えへへ…」

途端に、羽月の顔に笑顔が浮かんでくる。

いいことをした、と言わんばかりに褒められたこと。
頭を撫でてもらえたこと。

それが嬉しくて、つい笑顔が漏れてしまう。

そんな羽月の笑顔に、京子の顔にも笑顔が浮かぶ。

「羽月ちゃん、本当に可愛い~♪お兄ちゃんも可愛いけど、羽月ちゃんも可愛すぎ!」

どこまで自分の心を奪っていけば気が済むのだろう。
この兄妹は。

まさにそんな心境の京子。

自分の欲求を思う存分満たしてくれる高宮兄妹。
兄妹のこれでもかというほどの可愛らしさに、京子は満面の笑みを浮かべながら、それをしばらくの間堪能し続けることとなった。

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