転生したからって、ざまぁされなくてもいいよね?~身内との8年間、攻略対象達との3年間の駆け引き~

少し休憩です

今回はアランにまつわるお話です。

お題は『芸能人』『健気』『ピアス』
https://shindanmaker.com/194081

少し未来の話です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 僕は前の世界では、ある政治家の秘書の息子として生まれた。父親が仕えている政治家には僕と同じくらいの息子がおり、彼は政治家になることが運命づけられていた。その彼に仕えることが僕にとっても運命であると、周りの環境からそう僕は感じていた。だから、日向にいるよりは日陰にいる方が僕の性にも合っていたし、そうなることが当たり前だとも思っていた。
 実際そうだった。今思えば、『あの世界』において芸能人・・・というものがこんな大変なものだという事を今現在、痛感させられていた。

 事の始まりとして―――――
 僕は今、アラン・バルティアとしてこの世界に生きる。
 新人秘書として駆け出しのころ、確か27の時に、『僕』は病を患い、あっという間にあちらの世界では死んだ。その後、どうやらあの乙女ゲームの世界に転生したらしいのだ。

 しかし、あのゲームをやったことがある僕は、そのゲーム内でのアラン・バルティアの行動に反吐が出そうなくらい最低な奴だった。その僕が今『アラン・バルティア』を演じなければならない。それはなり苦痛なことだった。しかし、少なくとも近衛騎士になんかならなければ、僕はヒロインとやらに攻略されずに済む。そう思った僕は家のコネクションを使わずに騎士となるために、勉学と共に、もしくはそれ以上に武芸にも秀でるように努力した。6歳のころには、当時最強の剣士であると言われた王立騎士団長と互角に戦えるようにまで頑張った。そして、10歳の時、ディートリヒ国王に謁見し、直接頼み込んでクリスティアン王子の近衛騎士としてではなく、王立騎士として王宮へ通えることになった。

 その後は、他の騎士と共に様々な任務に就いた。
 例えば、ある外交官としてやってきた隣国の王子の護衛や、新しく騎士団長になった方の代理や、王宮で起こった大事件を外国にいる国王に伝える役割、など。僕としてはどれも騎士としては役に立ったと思う。しかし、同じ公爵家という彼女は違った。


 彼女はもともとかなり傲慢な性格だった。僕は『ラブデ』を知っているから、悪役令嬢である彼女には誰の被害もないうちに、早々に退場してもらわないと、と思っていた。しかし、僕が7歳の時、彼女は変わった。彼女は大幅な性格の改変が認められた。そして、その日を境に彼女を取り巻く環境がかなり変わった。僕と彼女が直接かかわっといえるのは、あの茶会―――――。
 本来ならば、僕の実家であるバルティア家とスフォルツァ家は仲が悪い。しかし、何故か彼女の家の茶会に呼ばれていた僕は、偶然ベアトリーチェヒロインアリア・スフォルツァ悪役令嬢が喋っているところに遭遇した。そして、その傍らにはユリウス攻略対象もいた。そんな彼ら様子を探っていた僕は、もしかして、という疑問を抱き、狩り会の時に、彼女も転生者だという事を直接尋ね、そうだと知った。



 彼女は―――偏見を持っているわけではないのだが――――あの年の女性としてはかなり優れていると思う。僕は騎士団の一つさえ満足に動かすことはできない。一方の彼女はすでに王宮全体を動かしている。もちろん彼女が直接関わりたくないためか、彼女の名前は大々的に出てこない。しかし、王宮全体が動いていることの原因として、彼女が何らかの影響を与えていることは間違いないと思う。

 僕はそんな彼女のことが羨ましかったが、別に僕自身にはそんな能力は不要だ。負け惜しみでもなく本音だった。しかし、僕はこの王宮を変えるために彼女の力を手に入れたことも間違いない。
 しかし、いつも強いと思われた彼女も、実はか弱い女性で間違いないんだ、と痛感させられたのはあの事件だった。俺はディートリヒ国王に王宮内での事変を伝えに行ったとき、彼女が震えていることに気が付いた。僕はそんな状態の彼女を放っておくことはできず、思わず彼女を抱きしめてしまった。
 前の生では『彼女いない歴=年齢』だった僕で、今回も侯爵嫡男という立場だったので、どうせ政略結婚するんだろう、と思っていた僕は、どうやら彼女のことを好きになっていたみたいだった。
 もちろん、主人公のような可憐な女性も良いと思うだが、すでに彼女は王太子の婚約者となっている上に、その彼女以上にかつては悪役令嬢としていた彼女の方が好みだった。

 この世界では婚約の時に男性からピアスを送る風習があるみたいだったが、僕は彼女の体に傷をつけてまで着飾って欲しくない。だからその代りにイヤリングを送ろう。

 だから、どんなことをしても手に入れてみせる。そして、その手の震えを、僕に分けてほしい。

「転生したからって、ざまぁされなくてもいいよね?~身内との8年間、攻略対象達との3年間の駆け引き~」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く