転生したからって、ざまぁされなくてもいいよね?~身内との8年間、攻略対象達との3年間の駆け引き~

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 アリアが完全に回復したのは、それから2週間と3日経った後であり、事件のあった狩り会からは3週間が経とうとしていた時だった。アリアが寝かされていたのは、王宮の一室であり、傷口がふさがってきたころには、
『ああ、ここは昔、下級侍女時代に掃除したところだっけ』
 というような感じで、一、二年前のことを思い出していた。
 当たり前なのだが、かなりの大けがを負ったのだ、意識を回復したころは、数時間しか起きていられなかったものの、回復していくにつれ、長時間起きていられるようにった。そのころには、ミスティア王女や彼女にとってはもう一人の異母兄であるダリウス殿下がやってきて、アリアのベッドに遊びでもぐりこんだり、本の読み聞かせをせがんだりしてきて、アリアはそれに付き合った。また、アリアの世話をしてくれた侍女が一人付き、下級侍女であり接待部の侍女長を務めているアーニャではなかったものの、彼女に似た明るい性格の人であった。また、彼女とは上級侍女同士としてお茶を飲んだりして、交流を図っていた。
 一方、母親のエレノアは目覚めてからは一回しかアリアに会いに来なかった。もちろん、今はユリウスの当主代行として忙しいのはわかっていたが、なかなか会いに来てもらえなかったのは少し寂しかった。しかし、一回彼女に会いに来た時に、以前と違って、深刻そうな顔をしており、アリアに何かを言おうとしていたものの、他の人がいたというのもあったせいか、結局何も告げずに去って行った。

 完全に傷がふさがり、一度実家に下がろうと思っていた日、アリアは国王に呼ばれた。通されたのは、いつも呼ばれたときに通される謁見室や大き目の執務室ではなく、奥宮にかなり近い書斎のような場所だった。彼女がその部屋に入った直後、
「だいぶ良くなってきたみたいだね」
 と、国王はアリアに微笑んだ。
「はい、おかげさまで。ご迷惑をおかけしました」
 彼女は手当てしてくれたことに対する礼を言った。
「いや、気にすることはない。もともとはこちらの不手際によって、君にけがをさせたのだし」
 そう言って、国王はアリアにソファに座るよう促した。アリアは一礼してソファに座り、国王の次の言葉を待った。国王は手ずから紅茶を入れ、アリアの前に置いた。
「で、今日君を呼んだのは、他でもない、『文官にならないか』っていうお誘いをしようと思ってね」
 彼はにっこり笑った。

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