転生したからって、ざまぁされなくてもいいよね?~身内との8年間、攻略対象達との3年間の駆け引き~

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 アリアの二度目の工房訪問は、少し残念な結果に終わってしまったが、だがかなり良い機会だった。この先何度このような作業を見ることが出来るかわからないからだ。帰り際に、大量のチーズや腸詰をもらい、それを使って何か王宮で宣伝できないかを思案していたが、すぐに秋の狩りがあることに気づき、そこで婦人たちの待ち時間に出す食事の一つにしようか、と思えた。
「お帰りが早かったのですね」
 フェティダ公爵家に予定よりも早く帰着したアリアは、ちょうどマクシミリアンとユリウスがチェスゲームをしているところに出くわした。
「ええ、少し体調が悪くなってしまって」
アリアは少し肩をすくめた。
「お、姉さま?」
「え、大丈夫なのですか」
 ユリウスとマクシミリアンの声が被った。
「ええ、大丈夫ですよ。今日は鶏の解体作業をやっていて、少しそれを見学させてもらいましたの。少し閉鎖的な空間だったので、少し匂いが、きつくて、ね?」
 アリアは一応淑女だ。直接的な表現をするわけにいかず、言葉を濁しておいた。ユリウスはそれの意味するところが分からなかったみたいだが、マクシミリアンはどういった意味なのか理解して、ああ、そうだったんですね、と納得し、先ほどの慌てた様子は無くなっていた。
「でも、今日は安全をとることにして、予定より早く帰らせていただくことにしましたの」
 アリアは無事ですよ、という感じでクルリと回った。その様子に、ユリウスもマクシミリアンもなぜかほんのり赤くなっていた。
「まあ、明日はどうするか決めておりませんが、申し訳ありませんが、今日はもう休ませていただきます」
 と言って、夕食も一人で食べることを暗にいい、客室に下がった。

 結局、翌日、アリアは少し体温が高く、フェティダ家で安静するようマクシミリアンから言われたので、一日王都へ戻る日程をずらすことにした(休暇は余分にとってあったので問題はなかった)。
 翌々日は、体調もすっかり元通りになっており、今度こそフェティダ家に別れを告げた。
 今度マクシミリアンと会うのは、王宮夜会であり、この前・・・の返事を聞かせてほしい、と去り際に耳元で言われ、アリアは真っ赤になっていた。

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