転生したからって、ざまぁされなくてもいいよね?~身内との8年間、攻略対象達との3年間の駆け引き~

間章3

 ある日、私は思った。何かが国王の中で起きているのだと。
「では、アリア・スフォルツァ公爵令嬢。其方にクロード王子を迎えに行く役目を頼む」
 そう国王が言った瞬間、私だけではなくほかの貴族たちも同様のことを考えたのだろう、広間からはざわめきが聞こえた。
(国王は一応悪い国王ではない。しかし、あのてこの入れぶりはどうなのか)
 ここ数年の国王は、異様にその少女に肩入れしているようにも思えた。ある時は王太子のデビュタントのパートナー役として、またある時は、今回のように政治的な役割を持たせることもしていた。
(いったい何をお考えになっているのやら)
 その少女自身の表情は読み取れなかった。そのため、彼女はどう思っているのかわからず、私たちは彼の『スフォルツァ家』と王家の関係を再び邪推するしかなかった。しかし、一向に王太子との婚約の話も出てこなかったことから、暗黙の了解とやらで、すでになされているのではないかと考えられた。
(しかし、その割におとなしい)
 その少女の容姿は美人という括りに入るくらいの持ち主で、名門の貴族の娘御でなければ、ぜひとも嫁にもらいたいくらいだった。普通、王太子や王族に取り入るために、つい先日追放された彼女の叔母とやらみたいに、色目を使うのが日常茶飯事なこの貴族社会で、彼女はそれを一切使おうとしない。

 別の日。
 またもや、新当主がなかなか参内しないフェティダ公爵に対して、何かしら言いに行くために王太子と例の少女が王宮からの使者としていくことになった。
 その視察・・の直前に、少女は王太子とは婚約せずに別の女性と王太子が婚約したことが明らかになった。私たちはその事実に落胆すると同時に、何故かこの縁談を纏めようとしたのは国王や王妃ではなく、例の少女ではないかと考えた。その方がしっくりくる、と私たちは信じた。しかし、王太子の視察の件については不可解だった。外国でもないのに、なぜ、接待部の侍女をしている少女が出向かねばならないのか、と。
(国王よ、貴方は一体なのをお考えなのでしょうか)

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